191101 話が長い人は仕事ができない(無駄話の3つの悪影響)

今回は「話が長い人は仕事ができない」というテーマで話をします。仕事中の会話で同じような話を毎回繰り返す人、たいして進捗もないのに打ち合わせばかりを招集する人、毎日の朝礼で30分~1時間以上時間を浪費する人、一日の大半を打ち合わせで使う人。私が見てきた限り、こういう人は仕事ができない人です。 幸いにも私はそういう無駄な集まりを可能な限り避けてきました。打ち合わせの本来の目的は情報共有、あるいは承認決済であって、打ち合わせという行為自体には価値がないと思っています。

【目次】

  • 話が長い人の特徴
    • 話が長い理由1 話す内容がまとまっていない
    • 話が長い理由2 その人がただ話したいだけ
  • 本人が気づかない無駄話の悪影響
    • 無駄話の悪影響1 相手の時間を奪っている
    • 無駄話の悪影響2 相手に暇だと思われる
    • 無駄話の悪影響3 時間管理ができていないという証明
  • まとめ

話が長い人の特徴

話が長い理由1 話す内容がまとまっていない

例えば、効率的な打ち合わせの場合を考えます。
最初に情報を簡潔に述べて、他人の意見を聞く、あるいは決済をする、というのが本来の流れです。ところが、情報も正確でない。最終的な会議の目的地が見えていない。そういった主催者が大勢います。

私の場合、エンジニアをしていたので、他人を説得するためにはデータをもとに話をするわけですが、人によっては会議までにデータがそろっていない。だから話に説得力がない。といった具合で、わざわざ人を招集しておいても、話が進展しません。打ち合わせの後、次の打ち合わせが必要になるのです。


こういう場合、本人も話す内容を整理できていません。普通に考えれば、情報が不足しているということは事前に理解できそうですが、その認識がありません。他人に指摘されるまで情報が不足しているということに気付かいない人が多いのです。何のために大勢の人間を集めて打ち合わせをしているのかわかりません。

打ち合わせ前に、説明資料を事前配布しない人達も仕事ができない人達です。恥ずかしいのか、隠したいのか理由は不明ですが、参加者にしてみれば時間的なロスを生む可能性が高い打ち合わせになります。必要な情報を事前に調べることもできません。その案件の直接の関係者でなければ、意見を述べたり、その場で判断するということは難しくなります。打ち合わせの目的(情報の共有や承認決済)からすれば逆効果です。

話が長い理由2 その人がただ話したいだけ

年配の人やマネージメント層に多いパターンです。自己主張したいのか、仕事をサボりたいのか、コミュニケーションのつもりなのかよくわかりませんが、とにかく話が長い。ちょっとしたことを質問しただけ、あるいは質問されただけで、3分もあれば終わる事柄でも、話が脱線して30分程話をしていたというような場合です。付き合わされる方は、迷惑なだけです。

形式的な受け答えだけを推奨しているわけではありません。形式的な対応だけではかえって失礼になります。 良識の範囲内で話題作りをして会話を弾ませます。ところが、そういった会話のレベルをはるかに通り過ぎて、相手に苦痛しか与えない場合をよく見かけます。 話をしていることで、何かが解決されて仕事の負荷を減らせるのであればよいのですが、そうはなりません。 無駄話をしても、話し手本人の短期的な欲求不満以外は何も解決されません。

本人が気づかない無駄話の悪影響

本人は気付いていないと思いますが、無駄に長い話をすることで失っているものがあります。
3つ悪影響を紹介します。

無駄話の悪影響1 相手の時間を奪っている

1番の悪影響は他人の時間を奪っているということです。 特に大勢が集まる打ち合わせなどは、人数×時間で計算すると、かなりの人件費の無駄だということに気付きます。普通の会社員であれば、1時間5千円のチャージです。5名が1時間参加する無駄な会議を開催しただけで、2万5千円の無駄になります。

暇な会社であれば、そういうことをして時間をつぶすのもありかもしれません。ところが、例えば、休日出勤したり、仕事が終わらず毎日残業しているような人からすれば、貴重な時間をしょうもない無駄話で浪費したくないわけです。

こんな事例もありました。

しょうもない打ち合わせにばかり参加している管理職の人間の話です。
彼は当時の私の上司でした。 会議で発言するわけでもなく、会議をリードするわけでもなく、ただ本人の情報収集目的と暇つぶし(仕事をしているふり)で頻繁に会議に参加していました。 決済しないといけない仕事を止めておいて、「忙しいからできていない」というのです。
「だったら、無駄な打ち合わせ参加をキャンセルしてでも時間を作ってくれよ」といいたいのですが、そういう人に限って無駄に打ち合わせが多いのです。ただの言い訳です。


無駄話の悪影響2 相手に暇だと思われる

上司と部下の関係でよく見かける光景ですが、上司が延々と話(説明や説教)をする事例です。
役員会のプレゼンではそういった話し方をしないくせに、部下の前ではワンマンショーさながらのように無駄話をします。そういう無駄話や打ち合わせに付き合わされると、相手は「この人は暇なんだろうな・・・」と思います。 特にマネージメント層が同じような話を延々と繰り替えしている姿を見ると、そう感じます。

相手が話に興味を持っているのかどうかは相手の反応を見ればわかります。一方的にしょうもない話に相手を付き合わせることは、程度の低いパワハラのような気がします。そんな無駄話に付き合うのは時間の無駄なので、以前の私はうまく遮っていました。

無駄話の悪影響3 時間管理ができていないという証明

ビジネス業界ではよくQCDという表現が使われます。
Quality(品質)、Cost(価格)、Delivery(納期)ですね。この3つをバランスよく達成することが仕事の判断指標です。

日常業務にあてはめると、Qは仕事の出来栄え品質、Cは投入工数や投資金額、Dは仕事の納期ですね。無駄話が長い人は、Cの投入工数を増やす行為とDの仕事納期(無駄話がなければ完了できた他の業務)を伸ばす行為をしています。 つまり、ビジネス業界の原則を逆行していることになります。これでは生産性も上がりませんし、不要な残業もなくなりません。


まとめ

社内のコミュニケーションが大切であることは事実です。ところが、勘違いしている人(特に上司)は大勢います。
話をすることが目的なのではなく、情報を共有すること、伝達すること、ミスを防ぐこと、精神的なストレスを和らげること、正しい道に進むこと、これらが本来のコミュニケーションの目的です。

コミュニケーションのつもりが、本人の自己満足になっていないか注意してもらいたいものです。本人が意図していなくても、相手はネガティブな印象しか持ちません。特に、本来は忙しいはずのマネージャーがうまく時間管理できておらず、他人の時間を奪っているという認識も持てないということは、「この人は仕事ができない」というわけです。


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