200226 「金を稼ぐこと」と「やりたいこと」を分けて考える
今回は「金を稼ぐこととやりたいことを分けて考える」というテーマで話をします。
やりたいことが見つからない、仕事がつまらない、そんな悩みを抱えている人に参考になればと思います。
仕事をやめた人、やりたいことばかりしていて仕事をしない人、事業を立ち上げたけどうまくいかない人に対して世間の視線は冷たいものです。他人に迷惑をかけているのなら非難されるべきかもしれませんが、他人に何の迷惑をかけていなくても、なぜか世間の印象はよろしくないようです。
人生は長期戦です。いまが良くても10年後はどうなっているかは予想できません。
最終的に自分が満足できるかどうかを考え、人生を豊かにするためにやりたいことはやっておくべきだと思うのです。そこで今回は「やりたいことをうまくこなす方法」を紹介します。
【目次】
- よくある世間の偏った考え方
- 収益面でのプレッシャーがない
- 品質を追求できる(コストや納期に縛られない)
- いつでもやめられる
- 「金を稼ぐこと」と「やりたいこと」を別々考える
- やりたいことを追求するときの前提条件
- 具体例1 マイケル・デル
- 具体例2 新聞やフリーペーパー
- 具体例3 副業しているサラリーマン
- 具体例4 有名人のメールマガジン
- まとめ)お金の流れを理解することが重要
よくある世間の偏った考え方
私が見る世間の考え方は、大体次のようなものです。
「金を稼ぐこと」と「やりたいこと」の2つを同時に満たす前提で物事を考えている
仕事を探す時にやりたいことという判断軸で考える、転職や起業を考える人もやりたいことを判断軸で考える人は多いと思います。この考えを否定するつもりはありませんし、経済的余裕がないときはこの考えになると思います。したがって、
ほとんどの人は次の2つのパターンのどちらかに所属しています。
パターン1 仕事の中でやりたいことを探す人
パターン2 やりたいことの中で仕事を探す人
ところが、このシステムの問題点として認識しておくべきことがあります。やりたいことがお金にならなかったり、お金をもらうためにやりたくないことをやらなければならない、ということです。
経済的に余裕ができても、この考えを継続する人が多いのですが、実は第3の選択肢があります。
「金を稼ぐこと」と「やりたいこと」を別々考える
「世の中、金ではない」などという表現を使うつもりはありませんが、これから説明する話は、「お金の流れ」と「やりたいこと」が交わりません。図で示すとこのような関係になります。これをパターン3と呼びます。
このパターン3のメリットとして次のようなことがあります。
収益面でのプレッシャーがない
やりたいことを収益の柱にしてしまうと、売り上げがでるまでは精神的なプレッシャーに襲われることになります。ところが、お金の流れを別のところで作っておけば、お金の心配はなくなります。この考えが持てるようになれば、何かを始めるときの精神的な負荷を大きく減らすことができます。
品質を追求できる(コストや納期に縛られない)
投入工数に関して他人の評価を気にする必要はまったくありません。自分の投入工数やリターンを気にする必要がないので、自分で完成度に折り合いをつけることができます。最終的な出来栄えは市場が判断することになるのですが、上司・同僚・株主・スポンサーなどのストレスの原因となっている内部(外部)組織の干渉をなくすことが可能です。
いつでもやめられる
これも大きなメリットです。やりたくなくなったり、他のことに興味ができればいつでもやめることができます。 会社を立ち上げたり、人を採用すると簡単に撤退することができません。途中で考えが変わっても、埋没費用に縛られてしまい、大胆な決断ができず時間と工数を浪費してしまいます。
やりたいことを追求するときの前提条件
ただし、パターン3には前提条件があります。
別で生活に必要なお金を稼ぐ必要があるということです。
お金の流れさえ確保できている場合は、パターン3を採用するメリットはあります。
また、最初はお金を生まなくてもやっているうちにお金を生み出す場合もあります。
いくつか具体例を挙げてみます。
具体例1 マイケル・デル
マイケル・デル(パソコンメーカーDELLの創業者)は自分のパソコン部品を交換したりしてカスタマイズすることが趣味でした。自動車好きが車をカスタマイズするように、デルはパソコンをカスタマイズしていました。パソコンパーツの性能や価格についても豊富な知識を持っていたおかげで、メーカーに頼むよりもデルがパーツを仕入れて対応する方が割安だったので、デルはこのビジネスモデルを思いついています。
ここで強調したいポイントは2つあります。
・金を稼ぐためにやっていたわけではないこと
・収益目的でやっていたわけではないので、事業者に比べて格安にできたこと
※友人や近所のパソコンも低価格でカスタマイズし、その後に結果的に事業になった
具体例2 新聞やフリーペーパー
駅などで見かける無料雑誌がありますが、あれはなぜ無料かというと雑誌の販売でお金を稼ぐ必要がないからです。あの雑誌に掲載される広告主からの広告費用が収入源になっているので、雑誌自体で売り上げを出す必要がないのです。
お金の流れとやりたいことの違いがわかりますね。直接的に雑誌でお金を稼いでいるわけではないので、雑誌を無料にすることができます。さらに言えば、価格勝負をする必要がないので類似の有料雑誌に比べて競争力があります。
具体例3 副業しているサラリーマン
会社以外の副収入のあるサラリーマンも第3のパターンに所属します。副業でお金の流れを確保できているのであれば、本業をいつでも辞めることができます。やりたくない仕事ばかりを割り当てられると、今の会社に所属する必要などないからです。
具体例4 有名人のメールマガジン
有名人のなかには自身の活動をメールマガジンで有料配信して収益を上げている人もいます。彼らはメールマガジンを書くことが仕事ではなく、別でやっている活動の概要をアウトプットとしてメール発信しているだけです。やりたいこと(本来の活動)とお金の流れ(メールマガジン)は全く別の活動です。
このように、世の中には事業として成り立つとは思えないような事柄でも事業として成り立っていることはたくさんあります。これはお金の流れを確保できているからです。
まとめ)お金の流れを理解することが重要
最後にまとめます。
「やりたいこと」と「金を稼ぐこと」を必ずしも一緒に考える必要はありません。
「金を稼ぐこと」から切り離して「やりたいこと」をできるようになれば、自由度が増えます。ただし、
「やりたいこと」をしたいなら、別のことでお金の流れの確保が必要。
「やりたいこと」を育てていけば、結果的に「金を稼ぐ」可能性があります。
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