200601 催促するコストと報告するコスト

今回は「催促するコストと報告するコスト」というテーマで話をします。 社会人ならばビジネスの基本は「報告・連絡・相談」などと教え込まれた人は多いのではないでしょうか。入社研修で学んだことがいずれ形骸化して徐々に機能しなくなっている場面をよく見かけます。そこで、今回は頻繁に催促すること・頻繁に報告することのデメリットとそれが起きる要因について考えています。

日常にあふれる催促とその背景

言葉の定義をしておくと「催促」とは、必要以上に問合せをすることです。 私は実務もマネージメントも経験したので、催促する側の立場も催促される側の立場も理解しているつもりです。他人を期待通りに扱うことが簡単ではなく、組織の成果を上げるためにはついつい頻繁に催促してしまいがちです。ところが、かえって逆効果になる場合もあります。マネージメント経験がある人なら、この行為の悪影響も理解しているはずです。

話に入る前に、報告の必要性と頻度を定義しておきます。

  • 緊急性の高い案件:即日中に報告
  • 自分のコントロールが及ばない進捗遅れが発生した場合:数日以内
  • 依頼された仕事に対する完了報告:依頼時に受けた納期内
  • (ただし、納期遅れが発生しそうな場合は可能な限り早い段階で連絡すること)

日常業務にあてはめると、緊急性が低く自分のコントロール範囲内であれば、わざわざ報告などする必要はないということです。 一方で、いちいち細かいことまで問い合わせてくる管理職は無能ということです。
※経営層がKPIを管理するような場合は除きます。

注)他人のことを無視して仕事を優先すればよいということではありません。
   受け持つ仕事の説明責任は誰にでもあります。
   今回取り上げるテーマはあくまで必要以上の問合せや説明をなくすことです。

催促する側の負担(正常な場合)

まず催促する側の負担を考えてみます。
本来実行されるべき業務が停滞している可能性が高い(あるいはすでに遅延している)ために、遅延を避ける手段として催促をします。遅延していることが発覚した時には、その遅延課題を取り除き業務の進捗を図ります。 つまり、最初から期待通りの業務が遂行されているのであれば、催促などする必要がないのです。

多くの人は催促などしたくないものです。事実だけを見ると、相手を急かして強引に状況を動かしているように見えるからです。催促される側が嫌な思いをすることも想像できるので、できることなら催促しないで自然に状況が改善してもらいたいと願っています。

また、催促することで追加の仕事が発生します。本来気にしなくてよいことまで気にしないといけないので、精神的なストレスや時間・工数の無駄以外の何物でもありません。

異常な催促している事例

一方で悪い催促をしている人がいることも事実です。次のようなタイプの人は催促することを喜びに感じているはずです。仮に自分が催促される側になったとしても、それは必ずしも催促を受ける側の責任ではないということです。

  • 部下を信用していない
  • 自分のコントロール要求が強い
  • 暇な管理職の暇つぶし(官僚的な組織にありがちな体質)
  • ※無駄な打ち合わせ招集や不要に長い朝礼も催促行為の一種です。


以上を踏まえて、整理します。相手に問題がある場合を除いて、催促を受けるということは、「自分の仕事が相手の期待通りに進んでいない可能性がある」ということです。 信頼されている人物には細かい催促はきません。進捗確認しなくても期待通りの成果がだせるからです。

報告する側の負担

続いて報告する側の負担を考えていきます。
前提条件として、仕事が期待通りに進捗していることとします。上司や同僚、顧客などから進捗説明を求められることがありますが、内容次第ではかなりの工数になります。「長期出張時の日報」や「毎週の週報」といった形式で部下の自主的な報告を求める組織もあります。

たいして進捗がない場合や報告事項がない場合にも、明らかに内容の薄い報告をするわけにもいきません。情報をかき集めて見栄えのよい報告目的の仕事を避けられないのです。何より、管理されることに対してよい印象を持つ従業員は少ないものです。これらは報告という行為の大きなコストになります。

不要な報告を避ける方法

仕事が順調であるにもかかわらず催促が多い場合は、相手に問題があるか、信頼を勝ち取れていないことが原因です。相手に信頼してもらえれば、他人は安心してその人物を放置します。

信頼を勝ち取るための手段として定期的な情報展開も有効です。催促を受ける前に情報を展開しておけば、後手に回って報告するような手間がなくなります。相手の催促負担を減らすこともできます。例えば、上述の日報や週報を出さなくても、定期的に情報を展開しておけば受け手は満足します。

まとめ

催促と報告の負担について紹介しました。
正常に機能している組織ではあれば過度の催促や報告は不要なのです。催促が発生するのはどこかに問題があるということです。それは、相手の性格、仕事を任された人物の信頼、仕事を任された人物の情報展開頻度などです。いづれの場合にも催促はネガティブな要素しか生みだしません。催促する場合は相手の状況や負担を考えて上手に行いたいものです。



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