200813 会社選びの注意点(会社紹介の嘘と入社後の残念な現実)

今回は「会社選びの注意点」というテーマで話をします。私個人の失敗談を踏まえて紹介します。これは実際にあった事例になります。就職・転職を検討している人は参考にしてみてください。私は製造業のエンジニアをしていました。


面接や会社見学で知る会社紹介の嘘

当時、転職した会社は外資系で、本部が欧州にありました。日本にも開発拠点と工場があり、私は現場で仕事がしたかったので工場へ応募しました。いくつか私が質問した内容とその時の回答が以下のようなものでした。

入社後の残念な現実

ところが、実際に入試してみると現実は少し違っていました。 外部からでは社内の事情がわかならないという大きな失望とともに、面接時点でそれらを見抜けなかった自分に大きく落胆しました。

日本がアジアの拠点(工場)を統括している

実際には日本がアジアの拠点を統括しているようなことはなく、どちらかといえば横並びのライバル同士でした。横並びの各拠点の上に欧州の本社が存在するという構造でした。日本から協力的に支援するどころか、足の引っ張り合いでした。

いくつかの部品を社内他拠点へ供給している関係にあり、自社で使用しつつ海外拠点へも発送していました。社内で不具合と分かっている部品を他拠点向けに発送していたのです。完全な確信犯です。日本が生産性に優れているということもなく、日本の拠点の方がアジアの拠点より低いパフォーマンスのラインもありました。

そんな状況なので日本から出張に行って他拠点を支援するわけもなく、私は数年在籍しましたが、一度も海外工場へ出張することがありませんでした。

日本でも多くの設備投資を予定している

たしかに投資はありました。ただし私が想定しているよりはるかに規模の小さいものでした。具合の悪い設備の買い替えや部分的な増設程度です。まったく事業が拡大しているといえるレベルの投資ではないのです。

採用面接時の現場見学で案内されなかった「別棟」はただの荷物倉庫でした。広大な建屋の大半が荷物置き場になっていて、工場というよりは物流倉庫でした。もちろん、「別棟」にスペースを確保して生産ラインを設置するようなこともありませんでした。

海外とのやり取りが多いので英語は必須要件

これもほとんど嘘のようなものです。 ごく一部の人間(主に上層部)が欧州本社へ出張したりすることはありましたが、大半の従業員は海外出張などありませんでした。国内の開発拠点には欧州からの人材も多く、開発拠点とのやり取りでは英語のやり取りをすることはありましたが、開発拠点には日本人も大勢いるため英語は必須ではないのです。
なにより、工場内の9割以上の人間は英語ができないのです。「外部の人間に高いハードルを設定しておきながら、社内の人間はどうなんだ?」とツッコミたくなるほどギャップがありました。

工場にも開発人員は所属している

これも大嘘です。工場内には開発人員はいませんでした。

生産ラインの不良率

たまたま見学したラインの不良率はゼロという紹介でしたが、これもあとで醜い現実を見ることになりました。 私が担当した生産ラインは不良率ゼロからは大きくかけ離れた品質レベルでした。

さらに、不良率ゼロだったラインについても、実際は不良率がゼロなのではありませんでした。その工程内では検出できていないだけで、後工程の生産ラインでは部品の品質不良として工程不良が発生していたのです。完全に化けの皮がはがれた瞬間でした。


失敗の原因分析と対策

なぜ事実でないことを面接時(見学時)に説明するのか?と考えると、2パターンあると思います。

1つは、その人物が状況を正しく理解できていないということです。採用面接をするような人物は部長クラスの人物です。現場の細かいことまで把握しているとは限りません。
もう1つは、嘘をつくということです。どこの会社にもいますが、上層部の人物は報告やプレゼンが上手です。誰でも自分の上司が嘘をついたり、いい加減なことを言っているのを聞いたことはあるはずです。これは人格によるものなので、長く付き合わない限りはなかなか見抜けません。

どうしても採用したい人物が面接に来た場合は、多少事実を装飾してでも自社を良く見せようという心理が働くものです。日本の場合は諸外国に比べて人材の流動性が低く、いったん入社してしまえばしばらく定着します。

ところが、そういった嘘をついてもいずれバレます。入社した人物が現実に失望するばかりでなく、嘘をつく責任者に対してシコリが生まれます。一時的にはメリットがあるかもしれませんが、長期的にはメリットなど生まれません。優秀な人材であれば、しばらくして会社に失望して転職することもありえます。

嘘で装飾するのではなく、「英語ができる人材が不足しているから、そういった人材を強化したい」、「エンジニアのレベルがあまり高くないので、エキスパートを募集している」など事実を隠さずに、応募者と共有する方が長期的にはお互いの信頼関係が築けると思うのです。



※関連記事)採用ハードルと内部事情について
※関連記事)人生の転機が訪れた時の決断と責任について考える

コメント・質問を投稿