200330 生産技術者が設備デバッグできないと感じたときの最終手段

今回は「生産技術者が設備デバッグできないと感じたときの最終手段」というテーマで話をします。生産技術エンジニアをしていると、設備故障や設備の動作改善で高い専門性が求められます。時には一時的に誰かに助けてもらいたいと思うようなこともあります。今回はその概要を紹介します。

生産技術者の設備デバッグの現状紹介

生産技術者をしていると、量産設備の面倒を見ないといけません。特に設備問題が起きた時には、生産技術者に重い責任がのしかかってきます。ちょっとしたセンサーの信号入力エラー程度のものであっても、設備のプログラムの組み方やアラームの出し方に不備があると、設備が「だんまり状態」になり何をやっても動作しなくなってしまいます。

こういった予期せぬトラブルが起こるたびに、内部プログラムを見ながら原因を探さなくてはなりません。設備製作者を嘆くと同時に、プログラムを見ながらデバッグをします。

本来、生産技術者であればいつでもこういった問題に対応できるような状態でなくてはなりません。設備についての電気配線やプログラムについて理解し、操作ができるように準備しておくということです。また、設備仕様にも気を配りPLCなどのソフトはライン全体で統一しておくことです。

とはいっても、まれに特殊な設備があったりします。他の装置と基本仕様が異なり特殊なPLC・プログラムで設計されている装置です。例えば、設備製作会社がノウハウを詰めた自社オリジナルで開発した設備などの場合です。

こういった設備になると、経験豊富なエンジニアでも最初は設備デバッグできません。何か問題が起きてデバッグするとなると、頭を悩ますものです。
前置きが長くなりましたが、今回はそういったときに一時的に利用できるソフトを紹介します。


自分で設備デバッグできないときに使用すべき遠隔操作ソフトの紹介

Teamviewer(https://www.teamviewer.com/ja/)というソフトですが、このソフトは無料でインストールできます。このソフトはオンライン上で遠方の人物とパソコン画面を共有できるというものです。例えば、私が設備にパソコンをつないで設備の内部プログラムを表示しておけば、私のパソコン画面を通して遠方のプログラマーが設備の内部信号を確認できます。

また、権限を渡しておけば遠方プログラマーがオンライン上で私のパソコンを操作することもできます。 ということで、どうしても設備デバッグできないと感じた時は、一時的にこういった方法を利用することも1つの手段です。
便利な世の中になったものです。以前であれば(画面のない)電話だけで効率の悪いデバッグ作業をするか、プログラマーに緊急出張で現地に来てもらう必要がありました。

遠隔操作ソフト使用上の注意事項

無料ソフトですが、外部ソフトウェアのインストールになるため、会社方針によっては簡単に導入できない場合もあります。また、他人が自分のパソコンを操作するため、社内の情報にアクセスされないように、常に画面を見ておく必要があります。
※パソコン操作の権限を相手に渡しても、マウスなどで直接動かすことも可能です。
不審な動きがあれば、即座に操作を阻止したり、アクセスを解除することはできます。



遠隔操作によるデバッグの注意事項

最後に注意点をもう1つ紹介します。
この方法は大変便利ですが、あくまでも暫定的な対応であるということです。生産技術エンジニアであれば、本来すべての設備問題に対応できる状態になっておくべきです。

一時的にこういった方法に頼ることは可能ですが、この方法に依存するのは厳禁です。エンジニアであれば自分で技術課題に対応できるようにならなければ、エンジニアとしての価値がなくなってしまいます。 今回対応できなかったプログラムの操作方法やデバッグ方法を学び、次回は遠隔操作なしで対応できるような状態を目指すべきです。


以上、生産技術エンジニアが設備デバッグで困った時の最終手段の紹介でした。


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