200608 一緒に仕事したくない人の特徴

今回は「一緒に仕事したくない人の特徴」というテーマで話をします。仕事をする上で本質的な要素ではありませんが、日本の職場環境では同僚が大きなストレスになる要素なので取り上げてみます。

日本の職場環境

別記事でも紹介していますが、日本は終身雇用を前提としているため転職頻度は少ない方です。上場企業では従業員の平均勤続年数は10~20年がほとんどです。最近は転職市場も拡大しつつありますが、雇用の流動性が定着するにはしばらく時間がかかるとみています。

このせいで日本特有の職場環境が形成されていることも事実です。最近になって、パワハラ被害や過剰労働がメディアでも報道されて、法律による制度の見直しも少しずつ進んでいます。「仕事は選べても同僚は選べない」この言葉はどこでもよく耳にする表現です。配属ガチャと呼ばれる同僚おみくじでハズレを引いた場合は、仕事のモチベーションを大きく落とすことにもなりかねません。

海外での仕事経験がある人なら、日本の職場が異常であるということに気付くはずです。もし職場の同僚から大きなストレスを受けている場合は、職場を変えてみることです。私がこれまでに経験した「一緒に仕事したくない人の特徴」を取り上げてみます。


1.立場を利用する人

1つ目は立場を利用する人です。
分かりやすい例が、上司が部下に対して強引に仕事をさせる場合です。強引に見えなくても理不尽な業務指示をしているだけで立場の利用に当てはまります。ほとんどの部下は断ることができないからです。 例えば、無駄な残業、本質的な価値のない資料作成、全体感の説明がない雑務の依頼などは本人の都合だけを優先した業務指示になりますが、ほとんどの部下は指示に従うはずです。

実力がある人物であれば、そういった指示をうまく避けることができますが、そのやりとり自体も時間の無駄です。「最初からそういう指示・依頼をしてくれるな」と感じるわけです。

これは取引先や社内の他部署・他拠点とのやり取りでもよくあることです。上流工程だから、下請けだから、立場が強いから、などの立場を悪用する人とは一緒に仕事をする気にはなれません。


2.年齢を利用する人

2つ目が年齢です。
日本は縦社会の文化が根付いています。学校の部活動や若手社員時代の名残だと思いますが、「年齢が高い」=「立場が偉い」という勘違いをする人物が大勢います。会社の役職は必ずしも年齢通りにはいかないため、年齢に関係なく役職が上ということもあります。立派に仕事をこなす若手もいれば、役立たずの中年社員もいます。

年齢を理由に「自分の方が偉い」という雰囲気を出す人物とは一緒に仕事をしたいと思いません。仕事をする上で年齢の上下は何の説明にもなりません。※年齢が役に立つのは謝罪をするときくらいです(若手より年配者の謝罪のほうが見た目の権威があるため・・・)。

私の経験上、年齢を利用する人物は能力が低いという傾向があります。本質的な部分での勝負に自信がないので、自分が勝てそうな領域で立場を保とうとするのです。


3.勤続期間の長さを利用する人

3つ目は勤続年数の長さです。
これも年齢とほとんど同じですが、「勤続年数が長い」=「立場が偉い」という勘違いをする人物が大勢います。継続することは立派ですが、勤続年数を悪用するべきではありません。 入社歴が浅いから、中途入社だから、という理由で非協力的な態度を取ったり、下に見たりするべきではありません。

勤続年数が長いことで、社内事情に詳しい、社内の人脈がある、信用がある、こういったことは評価されるべき内容ですが、勤続年数自体に大きな価値はありません。勤続年数が長くてもリストラ対象社員は大勢います。


4.相手の状況に対する配慮が足りない人

4つ目が相手の状況に対する配慮です。
デスクワークの場合は隣の同僚が何をやっているのかわかりにくいものです。どれほどの案件を処理しているのか、なかなか本人や直属の上司以外は把握できません。部内の同僚から頻繁に問い合わせを受けることもあれば、別部署や別拠点から依頼が来ることもあります。

依頼や指示は相手の貴重な時間を奪う行為です。相手が暇そうな人物であれば問題になりませんが、慢性的に仕事に追われているような人物に対しての依頼は注意するべきです。

面倒なことをすべて他人に丸投げするようなやり方で仕事をする人がいますが、こういう人と仕事をすると自分が苦労するだけです。他人を犠牲にして自分が助かるような行為だからです。

5.専門用語で分かりにくい説明をする人

5つ目は専門用語の使い方です。
同業者や同レベルの人物とのやりとりの場合は、共通のバックグラウンドがあるので専門用語を利用しても問題なくコミュニケーションが進みます。一方で、ビジネスの世界ではそうでない場合がほとんどです。

立場や専門性が違う人の説明を聞いたり、説明をしたりする場面はよくあります。例えば、私の場合は製造業でエンジニアをしていたのですが、製造現場の人に技術的な話をしてもほとんど通じません。相手の状況を理解したうえで言葉を選ばないと相手に伝わらないのです。

専門用語を連発することでインテリっぽく見えるのかもしれませんが、これはただの自己満足です。一流のビジネスマンなら、状況に応じてこういった専門用語を避けます。コミュニケーションの場においては、自分の主張を相手が正しく理解することが最も大切なのです。この優先順位を正しく理解できていない、あるいは気付いていないということは仕事の品質においても期待できないということです。

一緒に仕事をするとしても相手に合わせるような配慮はせず、周りの人間が苦労するだけです。

6.面倒な様子が態度に現れる人

6つ目は面倒な様子が態度に出る人です。
これは状況次第ですので、最初に状況を定義しておきます。定義は、「たいして忙しくもないのに面倒そうな態度を見せる人」です。

仕事に追われて時間的な余裕がなくなってくると、突発的な仕事に対して精神が負けてしまいそうなことはあります。また、何度も何度もしょうもない依頼をしてくる人物に対して面倒な態度をとることも悪いことだとは考えていません。今回はそういった事例を対象外とします。

たいして忙しくもないのに面倒そうな態度を見せる人」の思考回路を予想すると、「仕事面倒だな~」になります。彼らは仕事したいと考えていないのです。 当たり前ですが、こんな人とは一緒に仕事はできません。


7.官僚的な仕事をする人

7つ目は官僚的な仕事をする人です。
これは本社部門や品質部門にありがちな特徴です。役所の事務手続きのように、柔軟性がなく決まりきったルールや思想に基づいて仕事をする人です。会社員経験がある人なら理解できるかと思いますが、ものごとは理想論では進みません。

現場で苦労している内容を理解しないし、そもそも興味が無いのだと思います。官僚的な人物と仕事をすると、「そんなことは認められない」、「物事はこうあるべき」などと理想論をかざしてきます。

解決策の提案もなく、ただの否定で終わります。これでは物事は進みません。
批判するなら自分でやってみろ」まさにこの一言です。代替案の提案もできないくせに、批判だけをするような人物とは一緒に仕事したいと思いません。

8.向上心のない人

8つ目は向上心のない人です。
現時点で「できない」のは仕方ありません。ところが、2~3年経っても同じことを処理できないのは考えられないのです。少しずつ学びながら、仕事の幅を増やして生産性の高い仕事をするべきだと私は考えています。それが人の成長というものです。

何年経っても同じ問題を抱え続けるのは、悪い言い方をすれば「怠慢」や「言い訳」に見えるのです。他人に期待を持つのであれば、自分に対しても厳しくなるべきなのです。



以上、「一緒に仕事をしたくない人の特徴」というテーマで紹介しました。
一緒に仕事をしてみるまで同僚の本性がわからないので、運しだいの部分はあります。実力をつけると、少し楽になります。どうしても嫌な場合は部署異動や転職をするのも1つの手段です。最終的には自分で仕事を選べる状態(会社に依存しない状態)を目指せば、自分で人選した理想的な環境で仕事ができるようになります。



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