201018 20代の頃の働き方と30代の働き方の違いについて(自分の過去)

今回は「20代の頃の働き方と30代の働き方の違い」というテーマで話をしたいと思います。今では信じられないくらいバカなことをしていたと思うようなこともありますので、就職して同じような悩みを持っている方の参考になればと思います。

20代だった当時の働き方紹介

20代のうちは自分の仕事のやり方もまだまだ確立しておらず、上司からいわれたことや目先の課題の対応をするのが精一杯でした。当時勤めていた会社がブラックだったこともあり、処理できる以上の仕事を常に抱えていました。

全員が私と同じように忙しかったわけではなかったのですが、グループ内での業務量がバランスしておらず、わけのわからない雑務を押し付けてくる先輩社員もいました。おかげで、私は無駄に多忙な生活を送っていました。

「なんとかすべて処理してやろう」それが当時の私の考えでした。人によっては受けた仕事を放置している人物もいました。社内はそういうものです。頼む側の人物も相手の実力や信頼性を考慮しています(依頼主もたいして期待していないこともあります)。結局、担当者により仕事の出来上がり品質は大きく変わります。

当時の私には部下がいたわけでもなく、上司が私の業務量を把握して、仕事を分散してくれるわけでもありませんでした。入ってくる仕事はあっても、出ていく仕事はほとんどなかったのです。(長期出張する場合のみ、手持ちの仕事をすべて吐き出して他のメンバーに引き継ぐことができました。)

そんな状況だったので、仮に私が休暇をとっても私の仕事が停滞するだけです。忙殺されていたので、休みを取る余裕などありませんでした。休みを取るどころか、週末に勝手に出社して仕事をしていました。

有給休暇と代休の話

こんな生活をしていたおかげで有給をほとんど使うことなどできませんでした。2020年現在では法律が改定されて、最低でも年間5日は取得しないといけないようになっています。 ところが、当時の私は平均して1年で1日も取得していませんでした。有給取得どころか、休日出勤さえしていたのです。

一応当時の会社でも残業や代休をつける仕組みはありました。残業は毎月上限80時間でしたが、これは帳簿上の話で実際にはこの時間を超えて働いていました。上限を超えた分を8時間単位で区切って「代休」帳簿につけるのです。

こうして「有給休暇」の層の上に分厚い「代休」という層が形成されます。代休すら処理できない状態だったので、有給を使用するという考えはありませんでした。どちらを使うべきかという視点で考えると、有給を優先的に使用すべきなのでたまに用事があるときに有給を取得して休んでいたというレベルです。

こういう生活が何年も続くと、徐々に残業管理すらどうでもよくなってきます。残業したところで、残業代の代わりにもらう代休を消費するタイミングがないので「使えない代休」が増えるだけです。やがて残業帳簿も付けなくなっていました。

こんな背景で仕事をしていたので、残業に対しては完全に感覚がマヒしていました。仕事があれば休日でも仕事をするし、夜中でも働いていました。


30代になってからの働き方紹介

30代になって少し考えが変わります。
上述したような従業員に負荷をかける働き方では長続きしないし、何よりスマートではありません。「楽をしろ」ということではないですが、もっと効率よく仕事をこなすべきなのです。次の2点を意識するようになったのです。

部下のモチベーションへの配慮

他人のマネージメントをしていると相手のモチベーションにも配慮しなくてはなりません。 家族を持っている人物もいれば、のんびりしている人もいます。何より、上述したようなブラックな働き方に満足する人などほとんどいません(私も含めて)。

仕事にモチベーションを持ってもらうために、士気が下がるようなことはしないように心がけていました。例えば、ひたすら働くこと、不毛な雑務を任せること、キャリア形成につながらないこと、こういった仕事をできるだけ部下には与えないようにしていました。
終身雇用体質の日本ではそんなことを気にする必要はないかもしれませんが、海外の会社で従業員が定着しない状況を目にすると、社員のモチベーションも気にするようになります。自分を含め、「なぜその会社に勤めているのか」という理由がないと人は簡単に去っていきます。

全体マネージメントと最適化

専門職になってくると、労働集約的な仕事ではなく創造的な仕事の割合が増えます。私のような製造業でエンジニアをしていた人物にとっては、長期的な案件を扱うことがほとんどです。

もともと設定された日程や課題をもとに、必要な情報、手段、リソースを整理して期日までに仕事を終わらさなければなりません。仕事のやり方が悪いと、社内外の協力者も実力を発揮できないどころか無駄な作業ばかりが発生します。ただでさえ、物事はうまくいかないことの方が多いので、物事をうまく進捗させることはリーダーの実力の見せ所です。

こういう考えを持って仕事の全体感が見えるようになると、20代のころの自分がいかに無駄な仕事に追われていたのかを認識するようになりました。慢性的に残業しないといけないような仕事のやり方は、どこかに問題があるのです。
たとえキャパを超えた量の仕事を受け持つことになっても、初期の段階で計画的にリソース配分をしておけば、不要な残業を減らすことができるのです。

こんな考えから、30代の私は同じブラック企業に勤めながらも、20代以上のボリュームの仕事をこなしていましたが、残業することはほとんどなくなりました。(※現場の突発的な問題対応による残業は除きます)


立場が違えば物事の見え方、考え方も変わります。上司の苦労にも配慮ができるようになり、 取引先や顧客の立場も徐々に見えてくるようになります。エンジニアをしていたおかげで課題の分析と客観視する能力は洗練されたのだと思います。

自分のことを自分で評価するつもりはないのですが、上司として私も悪くない評価だったのではないかと考えています。上述したような思い(部下のモチベーション)をもってマネージメントしていたので、そのあとに自分の上司になった人物がしょうもない仕事を自分に押し付ける状況にがっかりしていたのを覚えています。



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