200419 仕事ができないエンジニアの働き方の特徴
今回は「仕事ができないエンジニアの働き方の特徴」というテーマで話をします。生産技術エンジニアをしていて時間に追われながら仕事をしていると、時間を無駄にしている他人の働き方に対してもったいない印象を受けます。今回はそういった無駄な働き方を紹介します。
仕事ができないエンジニアの働き方の特徴
仕事ができない人というのは、他人に仕事を押し付けようとします。
例えば、打ち合わせばかりを開催して情報や問題を他人に丸投げするような行為であったり、大勢の人間にしょうもないメール配信をする行為です。情報展開の目的で良かれと思ってやっている行為かもしれませんが、情報の品質や頻度によっては迷惑な行為です。
価値のない打ち合わせに参加したり、価値のないメールを読む時間が奪われるからです。
また、仕事ができない人は打ち合わせをすることが目的になっています。本来の仕事の目的は、仕事を完了することです。打ち合わせをすることが目的ではありませんし、打ち合わせ自体に価値はありません。
仕事ができない人は、自分の仕事を他人に押し付けるために打ち合わせを開くのです。立場や打ち合わせを利用して、仕事を他人に投げるという行為をします。
悪い事例1 長電話による打ち合わせ
1つ目の事例は情報が明確になっていない長電話です。
口頭レベルの情報しかないにもかかわらず、電話で長々とやり取りする打ち合わせです。
※ここでは面談などの話を聞く目的での長電話は対象外とします。
打ち合わせの役割をイメージしてもらいたいのですが、打ち合わせの役割は情報伝達、情報の共有、決済のいづれかです。長電話で情報の伝達や共有をされても、相手側が得られる情報はわずかです。例えば30分以上も電話で話をしていたとして、聞く相手が記憶できる内容、理解できる内容を要約すると5分以下です。それなら、最初から電話を5分以下にまとめて話せばよいはずです。
要点をまとめて簡潔に話すか、電話で伝わりにくい内容であれば写真や資料を添付してメールすれば済む話です。長々と電話で説明すべきではありません。
悪い事例2 打ち合わせのための出張
2つ目の事例は打ち合わせのための出張です。
一昔前は出張しないとできないことはたくさんありました。例えば、何か画面を見ながら打ち合わせをしようとするとパソコンを持参して現地に向かう必要がありました。最近ではwebex、Skype、Zoomなどの会議システムが無料に近いコストで利用できます。ところが、現代でも電話でできるレベルの仕事を出張して行う人が大勢います。彼らにすれば、仕事目的ではなく、出張目的で出張するのです。
内容によっては現地へ向かうメリットもあります。例えば、部長職の現場視察や取引先との交渉などです。これらは、行くという行為自体にそれなりの価値があります。現場のスタッフや取引先からすれば、わざわざ忙しい部長職の人物が来てくれているという印象を与えるということができます。この仕事が期待されている、注目されているという印象を与えることができます。
実務レベルでいうと、例えば設備仕様の打ち合わせで類似設備がある場所への出張は価値があります。類似設備を見ることで、仕様検討の参考になったり、運用上の課題点が明確になったりするからです。売り手側が買い手側の拠点を訪問する行為にも価値はあります。一種の営業行為だからです。
ところが、なんのメリットもなさそうな出張打ち合わせをする実務レベルの一般社員は大勢います。その出張で何の成果が期待できるのかよくわからない出張です。仕事目的ではなく、出張目的で出張するのです。
悪い事例3 人を集めるだけの打ち合わせ
3つ目の事例は、人を集めるだけの打ち合わせです。
具体例で紹介します。生産技術者をしていると、生産ラインの生産能力を試算しなくてはなりません。そのラインで月に何台生産できるかです。顧客の需要に合わせて生産数を増やすこともあるため、生産数を増やすための設備投資や設備改造などを検討することもあります。たまに営業部から生産対応可能かどうかの打ち合わせ案内が来ます。
当時の私の上司がその案内に召集されていました。上司から私にも参加指示がきたのですが、他の優先業務があったため断りました。代わりに必要な情報を上司に渡しておいたのです。打ち合わせは1時間ほどだったようですが、打ち合わせの後に上司から出た指示は「営業部からのメールで来ている質問に回答しておいてください」でした。
・・・・あなたは打ち合わせで何をやっていたんだ。そんな印象でした。必要な情報を事前に渡しておいたにもかかわらず、生産技術部の責任者であるにもかかわらず、彼は何の決済もできなかったようです。完全に時間の無駄ですね。
私が5分のメールで済ませる内容の仕事に対して、その上司は無駄な打ち合わせに1時間も費やして、何の成果も出せていないのです。自分で対応しなくて済むように、私を打ち合わせに参加させたかったのです。この結果だけ見れば、何の価値もない打ち合わせだったということが明らかです。
悪い事例4 自分で作業しない
4つ目の事例は、自分で作業しないことです。
エンジニアの仕事は事実をもとに技術の検証を行う職業です。他記事で紹介しているFTA、なぜなぜ、パレートなどがその手法です。仕事ができない人は楽をしようと考えます。問題の詳細調査をしないで解決策を得ようとします。ところが、この方法では答えは見つかりません。これはエンジニアの仕事だけでなく、人生についてもいえることです。
この「自分で作業しない」人達は、上述の事例1と事例3をうまく説明しています。電話で状況を説明したり、打ち合わせを開催することが自分の仕事だと勘違いしているのです。本当の仕事は、情報を整理したり、他人に有益な情報を提供したり、課題を解決することなのですが、そういった本質的な事実を理解しようとしないのです。
何でもかんでも部下に仕事をふってくる上司などは、この典型です。立場を利用して他人に何でも押し付けられると考えているならば、それは大きな勘違いです。
以上、仕事ができないエンジニアは働き方について紹介しました。
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