201104 他人の時間を浪費する人と自分の時間を浪費する人

今回は「他人の時間を浪費する人と自分の時間を浪費する人」というテーマで話をしたいと思います。他人の行動を見ていて感じることを紹介します。

顧客サービスを気にする人たち

顧客主義は私がこれまで見てきた中では万国共通です。一般大衆向けの商売はともかく、BtoBビジネスにおいては、どこの国でも顧客をもてなすという姿勢です。顧客の手間を取らせることなく、社内以上の対応を心がけています。 いうまでもなく、相手に気分の悪い思いをさせないためです。メールにしても、電話にしても、打ち合わせにしても、プロジェクトの運営であっても、顧客対応は高いサービス品質が要求されます。

人によっては顧客が望んでいないようなことまで対応する人もいます。「相手が喜ぶだろう」と勝手に思い込んでいるのです。ところが、相手が求めてもいない過剰なサービスは誰かが疲れるだけです。

例えば、人手不足に苦しむコンビニが24時間営業するようなものです。人手がいないのであれば、例えば22時~翌朝7時までは閉店しても、客層はたいして困らないはずです。ところが、従業員や経営者は「相手が喜ぶだろう」と勝手に思い込んでいるのです。これと同じです。


この時の彼らの考えは、「従業員(あるいは社内)の工数をいくらかけても構わない」というものです。過剰サービスを提供する人たちの典型です。

社内の時間を浪費してもよいという勘違い

この状況をよく社内で見かけます。 1つ目が打ち合わせです。
5~10分程度で終わる話に対して、30分ほど浪費する人は大勢います。話が盛り上がったと勘違いしているのか、本人が話をしたいだけなのか、サボっているつもりなのか、いろいろ理由はあるかと思います。顧客に対して高い品質のサービスを提供する一方で、社内に対しては普通あるいはマイナスのサービスを提供するのです。

2つ目も打ち合わせです。
わざわざ招集しなくてもよい人物まで招集することで、その人の時間を奪います。最近はオンラインツールが普及したことでさらに厄介になっています。遠方にいても避けられません。音声のみの参加で済むにもかかわらず、わざわざ本人の画面を映す場合です。たまに会う人同士でもないのに、顔を映すこと自体にあまり意味がないだけでなく、顔を映すことによってほかの作業を兼務することを阻害しています。参加する必要のない会議に参加させられるだけでなく、アリバイ作りもしなくてはならないのです。時間の浪費以外の何物でもありません。

3つ目はつまらない問い合わせです。
自分が調べれば済む内容であっても、他人に仕事を押し付けようとする人はいます。本人にはそのつもりがないのかもしれませんが、社内メールや社内電話が必要以上に増えたり、依頼側と受け側のキャパシティーバランスが崩れているときは、ただの足の引っ張り合いです。自分は楽ができるかもしれませんが、その代わりに社内の誰かの工数が奪われているのであれば、会社として考えたときにあまり意味がありません。

自分の時間を浪費していることに気づかない人たち

上述した人たちは残念ながら自分の時間を無駄にしています。
「顧客のためならいくら手間をかけてもよいという勘違い」、「社内の工数は気にする必要がない」、こう考える人たちは相手の期待や相手の工数に対して鈍感です。

全体感を把握できていないだけでなく、本質的に投入工数とそのアウトプットの関係をただしく理解できていません。(※低品質なサービスを提供しろということではなく、相手が求めていない過剰なサービスは不要ということです) すなわち、自分がどれほど無駄なことをしていて、そして相手に無駄な工数をかけさせているかを理解できていません。つまり、自分自身の時間を浪費していることに気づかないのです。

本来であれば、別のことに投入できたリソースを過剰なサービス提供のために投入しているのです。

例えば、打ち合わせの招集人員を一人減らせば、その人物は他の仕事に投入できる時間が増えてアウトプットも増えます。例えば、打ち合わせを招集する代わりにメールで概要を配信しておけば、参加者の理解が深まるため最初の概略説明をする時間が不要になります。

そもそも頻繁に打ち合わせをしないといけないような人物は、自分で物事を処理できないので他人の知恵や力を借りる場合がほとんどです。あるいは他人の進捗管理のために打ち合わせを開催するというタイプです。

自分で必要な情報を入手して仕事を処理できる人物であれば、打つ合わせ機会は減ります。 不要な打ち合わせ平然を開催するような人物は、その時間を利用して自分のスキルでも磨く方がよほど有効な時間の活用に思えます。


最後にまとめると、社内外や立場によらず、常に顧客対応するつもりで社内・取引先の対応をするべきなのです。一定のサービス品質を保ちつつ、時間や工数に関しても検討するべきということです。足の引っ張り合いのような仕事のやり方はするべきではありません。



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