210807 人は暇になると余計なことをしてしまうらしい

今回は「人は暇になると余計なことをする」という話です。3つほど事例を挙げて説明したいと思います。

事例1 仕事中に暇を持て余す場合

1つ目が会社員の事例です。 仕事がなく、時間的に余裕がある状態になると人は仕事を探し出します。実際は暇なのに、暇という事実を隠すため、あるいは暇をつぶすために余計なことをしたりします。

ある中小企業の社長は暇だったせいなのか、余計なことに首を突っ込んできました。なんでもかんでも打ち合わせを開催するようになり、たとえしょうもない打ち合わせであっても誰かに議事録を作成させます。そもそも打ち合わせ自体が無駄であるにも関わらず、さらに打ち合わせ後に余計な議事録作成という作業に追われます。

参加する必要のない打ち合わせに社長が参加することで、場合によっては仕事がやりにくくなります。それは例えば、実務レベルの担当者に余計なプレッシャーがかかったり、本来は結果だけを報告すれば良いのに、途中の不要な情報まで社長に伝わることで、社長から余計な指示が実務レベルに降りてきたりします。

また、この社長はしょうもないメールにわざわざ返信していました。「見ているよ」というアピールのつもりなのか、暇なのかよくわかりませんが、「社長レベルの人物が一般社員にメール返信する」ということが、どういうことを意味するのか理解できていないのです。
何気ない一行メールを送るだけで受け手に余計な仕事を生み出したりします。余計な一言が無駄な作業を発生させるのです。本人が好奇心のつもりやただの質問のつもりであっても、受け手はそうは感じないのです。

事例2 公共組織自体が余計なことをする場合

二つ目の事例です。日本政府はクールジャパンという取り組みをしています。毎年のように何十億円という損失を計上して何の結果も出ませんでした。この事例は社内の潰し合いよりもタチが悪く、結果責任を取らないにもかかわらず、国民が納めた税金が無駄遣いされています。

公共組織の悪しき習慣ですが、一度できた組織はたとえ明らかに不要でもなかなか解体されることがありません。それどころか、誰の役にも立たない活動を継続します。活動資金そのものおよび団体自体の運営費用自体も大きな無駄です。

民間企業の場合、収益がなければ強制退場になります。ところが、民間企業よりも競争力も実力もない公共団体が「余計なこと」を継続する事例があります。借金が膨れ上がり、財務状況の厳しい日本政府はもっと他にやるべきことがあるだろうと思うのですが、残念です。

事例3 私生活で暇を持て余す場合

余計なことをする事例3つ目は世間のSNSです。
2020年からのコロナで自粛生活を強制されました。人によっては仕事を制限されたため、時間を持て余すようになっています。飲食店、観光業界、エンタメ関連などは大きな影響を受けています。テレビタレントも活動自粛により暇を持て余したのか、自己アピールのつもりなのか、SNSを利用して政治批判をする人まで現れました。

せっかくの時間を何か有意義な事に使えれば良いのですが、ほとんどの人はしょうもない暇つぶしに時間を使います。世間では「SNS の誹謗中傷問題」が議論されていますが、私は「暇であること」が原因のひとつだと感じています。やることがないから他人を批判して優越感の味わっているのだと思います。つまり暇だから余計なことをするのです。(さらに残念なことに、本人たちは「やりたいことがない」という事実を認識していないのです)


本当にやりたいことは何なのか

人は誰でも暇になることがあります。今回のようにコロナで強制的に生活環境が変わることもあれば、ライフステージによって生活環境が変わることもあります。子育てから解放された夫婦が時間に余裕をもつこともあります。仕事で忙しく働いていた人が転職や異動によって時間に余裕ができることもあります。会社の倒産や解雇、または定年退職によって、急激に時間に余裕ができることもあります。

やりたいことに自分の時間を捧げる人は、変な誘惑に誘われることはありません。 「まとまった時間ができた時に、自分は何に時間を使うのか」ということをよく考えてみると、人生がもっと充実するように思えます。「仕事が忙しくて何もできない」と嘆いている人は、よく考えてみてください。家庭や趣味を優先するという選択肢があるなかで、仕事に自分の時間を奉げるということは自分の価値基準を「仕事」に置いているのです。そういう人は自分では認識していないかもしれませんが、「仕事」が自分のやりたいことなのだと思います。同じように、暇なときにしょうもないことに時間を費やす人は、やりたいことがない人たちなのです。



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