191120 人が成長するためには120%の力を発揮する状況が必要

今回は「人が成長するためには120%の力を発揮する状況が必要」というテーマで話をします。
私の周りには、成長している少数の人とそうでない大勢の人がいました。同じ職場で同じスタート地点からスタートして5年もすれば大きな差が開いていました。あるとき人の成長を促す要素は何だろう?と考えていました。いくつか考えた中で、「100%の実力を出しても解決できない状況」が必要条件だと考えるようになりました。

※私自身も向上心を持っていてこれまで挑戦してきたおかげで、今の自分には満足しています。
 周りの人にも成長してもらいたいと考えています。そうすれば、個人も社会ももっと豊かになれるからです。

100%の実力を出しても解決できない状況とは?

簡単にいえば自分の限界に挑戦するということになります。

例えば、1億円の売り上げのある会社が、翌年も1億円の売り上げを挙げることは容易に期待できます。ところが、翌年に1.2億円の売り上げを達成しようとすると、同じやり方ではまず無理です。20%の売り上げを増やすための戦略をもって取り組まなければ、成り行き結果で売り上げ1億円のままです。

例えば、10キロマラソンを30分で走る人がいて、大会で1位を狙うには28分を目標にするなどです。 現状からさらに1つ上を目指すには、自分の能力の限界に挑戦しないといけません。

現状では届かない目標を設定することが、「100%の実力を出しても解決できない状況」です。


120%の力を発揮する状況ではなぜ成長できるのか?

全力(100%)でも処理しきれない課題、つまり120%の力を発揮する状況では限界に挑むことになります。
現状の自分ができないことに対して試行錯誤しながら挑戦します。失敗も含めて、そこから何かを学ぶことで人は成長していきます。

私自身の経験から話をすると、自分が成長したと感じるのは「自分ができないことに挑戦して、克服した時」でした。

  • 会社に就職してエンジニアの仕事を基礎から学んだ時
  • 海外工場で頭を悩ましながら、ひたすら仕事をしていた時
  • 語学を習得した時
  • プログラミングを習得した時

一方で、成長しない人たちは「120%の状況」に身を置いていません。
70%くらいの状況に満足して、常に自分に余裕を持たせています。本人にそのつもりはないかもしれませんが、他人から見るとそう見えます。難解な課題を解決しようという意志がなく、行動が伴っていません。

余裕を持つことは悪いことではありませんし、常に120%の状況に身を置き続けることも大変疲れます。
問題は「挑戦を避け続けること」だと思います。
例えばですが、3年に1度くらいは刺激的な環境に身を置いて、年齢とともに自分を1つ上のレベルに押し上げるべきではないでしょうか?
10年以上も70%の状況を継続すると、もはや飼いならされた動物状態になり、野生で生きていけなくなります。
つまり120%の状況に対応できない体質になってしまうということです。

注意しておくべき課題のレベルと悪影響

ただし、設定するハードルの高さには注意が必要です。
現状の実力に対して、少し届かないレベルのハードルを見極める必要があります。
無謀な挑戦を勧めているわけではありませんし、無謀な挑戦をするべきではありません。
150%の実力を出しても達成できないような案件に挑戦するべきではありません。

例)一般職の人物が部長職の仕事をこなすことなどできません。
例)運動不足の人がフルマラソンに参加するべきではありません。

適度な負荷であれば成長の原動力になりますが、過剰な負荷は精神的に大きなストレスを引き起こしてしまいます。


定期的に120%の状況を楽しみましょう

趣味でも仕事でもよいのですが、120%の状況に身を置いていますか?
最初の一歩は険しい道になります。現状の実力では対応できない状況なので、しかたありません。
ところが、120%の状況を克服すると自分がレベルアップすることで、物事の見え方が変わります。
今まで余裕がなかった案件に対して、余裕が持てるようになります。
簡単に言えば、以前の自分にとっては120%だった案件が、今の自分には80%くらいの案件になるということです。

この経験を繰り返すことで、徐々に自分が楽になっていく感覚を実感できるようになります。
短期的な「楽」を求めず、中期的な「苦労」を選択することで、長期的には「楽」になるということです。
それならば、困難に立ち向かえると思いませんか?



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