191123 無駄な作業は生産性とモチベーションを下げる要因

今回は「無駄な作業は生産性とモチベーションを下げる要因」というテーマで話をします。会社員をしていると、しょうもない仕事をしなくてはならないときがあります。この仕事に何の意味があるのか、よくわからない雑務のことです。こういう仕事ばかりをしていると本来やるべき仕事を見失ってしまいますので、そうならないように客観的に状況を判断しなくてはなりません。

モチベーションを下げる無駄な作業の代表例

簡単に定義すると、上位者が自己満足感を得るためだけのための仕事です。
例えば次のようなものです。

・稟議書の本質的でない部分の指摘・修正
・ただの週次報告のプレゼン資料

稟議書の不毛な指摘・修正

以前私が勤めていた会社では、悪く言えばケチなワンマン会社でした。
企業規模は大きいものの、中小企業が拡大したようなワンマン経営状態でした。
大企業でありながら、数百万円程度の稟議書も社長決裁案件でした。

社長の判断は早いのですが、社長を恐れた部長や役員クラスが稟議書に細かいチェックを要求して、稟議書の内容を精査する特別部隊を準備していました。そんな細かいところを社長が見ているとは思えないような部分まで、隅から隅へとアラ捜しをして過ごす部隊がいました。

何十枚にもなる稟議書を準備して回覧していると、本題とは全く関係ないような部分の小さい指摘を繰り返してくるのです。 そのやり取りが複数回におよびます。この一件の稟議作成・修正にどれだけの工数をかけさせるのかと思えるほど、ばかげた状況でした。

修正前後で投資金額が変わるわけでも、利益率が変わるわけでもありません。
ただの自己満足のために、官僚気分で他人の仕事を批評している人たちです。完全に無駄な作業です。

たいしたフィードバックもない週次報告

2つ目は週次報告です。
毎週のようにプレゼンを準備して週報を提出させられていました。私は幸いにも無視できる立場にあったので、被害を受けることはありませんでしたが、外から見ていて疑問を持っていました。

重要案件について進捗をモニタするという点では、週次更新は適しています。
進捗管理ができない人にとっては、その状況を報告させることで手遅れになる前に対処することができます。

ところが、他人に報告だけさせておいて、フィードバックも指示もなく、問題に対してアクションもアドバイスもないのです。 要するに自分が把握したいだけのための情報集めで、他人の工数をタダ同然と認識しているようにしか思えないのです。これなら立派なプレゼン資料を準備しなくても、口頭の報告やサマリーだけで問題ないはずです。

会社規模が大きくなると、こういう無駄な仕事を平気で行うようになってきます。

生産性を落とす大企業というしくみ

社内のリソースはタダではありませんし、本来やるべき仕事はもっと生産性を高める仕組みを作ることです。
生産性を高めるどころか、生産性を落とす方向に仕事を作り出していることが残念であり、大企業の課題です。

スタートアップ企業などでは、他にやるべきことが大量にあります。価値を生まない報告作業に延々と時間を費やすことなどはできません。規模が小さいうちは、わざわざ他人に報告資料を作らせて書面ですべてを説明しなくても、全体状況を把握することができます。

企業規模が大きくなるほど、徐々に経営陣の目の届かない範囲が出てきます。このジレンマが会社の成長を阻害し、大企業が衰退していくのではないでしょうか。会社規模が大きくなればなるほど、本来やるべき仕事がやりにくくなる気がします。
そして従業員のモチベーションは下がり、使えない社員を生み出す環境を作り出している気がします。
大企業病というやつです。



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