200206 就職で失敗しないために就活生に伝えたいこと(インターンに参加する)

今回は「就職で失敗しないために就活生に伝えたいこと」というテーマで話をします。
私が就職したのは10年以上も前ですが、10年以上の社会人経験および業界事情を踏まえて、就職で失敗しないために就活生にアドバイスしたいと思います。「新入社員の8割が入社3年以内に退職や転職を希望する」と言われています。 私も新卒で就職した時は同じように考えていました。なぜこんなミスマッチが起こるのでしょうか。

就活で失敗したと思う背景

新入社員が不安や後悔を感じるのは、想像していた仕事と違ったと思うからです。
外部からは輝いてみえるものでも、内部に入ってみるとまったくそうではないという現実があります。 残念ながらこれが社会の現実です。どこの世界も華やかな面ばかりではありません。

最近ではネットやSNSでリアルな情報を得られる環境は徐々にそろってきています。とはいえ、内部の事情は経験しないとわかりません。他人が良いと感じる環境でも、別の人が同様に感じるかどうかはわからないからです。

学生時代と社会人の大きな違い

学生は授業料を払ってサービスを受けるという立場にあります。一方で就職すると、給料をもらってサービスを提供する側になります。さらに言えば新入社員はピラミッドの一番下の階級です。奴隷とは言わないまでも、社内ではかなり低い立場の人間として扱われます。環境や友人だけでなく、立場も大きく変わります。(場合によっては自分と同じ立場の同僚がいないことで、孤独というストレスも味わうことになります)
入社前の期待と現実のギャップが大きくなり、みじめな現実に失望してしまう人は大勢います。


就職前にやっておくべきこと(インターンで働いてみる)

せっかく就職戦線を勝ち抜いたあとに、この冷めた現実に直面するのは、あまりにも就活生がみじめです。こういった事態を防ぐために、オススメしたいのが長期インターンへの参加です。6ヶ月や1年程度のインターンです。 数週間程度のものでは見学した程度で終わってしまうので、できれば6ヶ月~1年をかけてみてください。 その理由は次のような会社の内部事情が分かるからです。

  • 仕事内容
  • 職場の組織体制や同僚になる人物
  • 社員の年齢構成(若い人がいるかどうか)
  • 若者が活躍できる環境かどうか
  • 女性が働きやすい職場かどうか
  • 海外と取引しているかどうか
  • そのほか労働環境や将来性など、事前に知りたい情報全般

内部に入ると、外から見えなかったことがたくさん見えます。 自分がやりたかったことなのかどうかの再確認もできます。
これを就職前にしておかないと、就職後に気付いても手遅れです。 自分が希望する会社・職種・業界のすべてが一致したインターンが最適ですが、募集がなければ少なくとも希望する仕事内容を体験できるインターンに参加してみてください。

就活で有利になるとか、そういった表面的な実績作りが目的ではありませんので、社名、給料、勤務地など気にする必要はありません。あくまでも、自分の人生で大きな失敗を避けるための手段だと考えてください。

休学したことで、同学年の友達と離れて学年が下がるなど気にするべきではありません。 友達付き合いは卒業しても続けることができますし、学生時代よりも付き合いが長くなる「会社」のことを調べておく方が有益です。

インターンで自分のやりたいことが一致していた場合

インターンで自分のやりたいことが一致していた場合は、その業界で同じ職種の仕事に就けばよいと思います。
あくまでインターンは確認作業です。確認して問題なければそのまま就職するだけです。インターン先に就職できるのであれば、そのまま就職してしまうのも1つの判断です。インターン実績があれば、その会社の採用試験で落とされるようなことはないはずです。会社側も内部事情を知っている学生に勤務してもらう方が教育の手間もなくなるし、入社後の離職リスクも下がります。
※仕事内容はよくてもインターン職場が気に入らなかった場合(若者がいない、田舎で便利が悪い、実家から遠いなど)は、同じ仕事内容ができそうな別の会社に就職すればよいのです。

インターンで自分のやりたいことが一致していなかった場合

インターンで自分のやりたいことが一致していなかった場合は、「就職前に分かってよかった」と考えればよいと思います。
就職する前であれば、経歴に傷がつくこともありませんし、時間を無駄にすることもありません。少なくとも、就職前に職場を体験できたというメリットは大きいはずです。 この経験をもとに就職活動にもっと真剣に取り組むことができるようになるはずです。
いずれの場合もインターンに参加するメリットの方が大きいと考えています。

インターンでの注意点

職業体験できて給料も支払われるインターンですが、華やかな側面だけではありません。会社によっては「ただのアルバイトや工数」としてしか考えていない場合もあります。 これは、受け入れ組織の担当者の考え方次第です。受け入れ側としても、即戦力などとは期待できないことから、任せられる仕事は限られています。悪い言い方をすれば「雑用程度のこと」しか任されないかもしれません。

※日本で働く外国人労働者が「職業訓練」という名目での悲惨な労働実態がたまに報道されていることを見れば、制度を悪用して労働力を搾取している会社が世間には存在することもイメージできるはずです。

インターン先の会社の考え方次第では、教育もおろそかにされて無駄に時間を過ごすことになるかもしれません。たとえネガティブな経験になったとしても、その会社で過ごす時間は限られています。一生その会社に勤めるわけではないので、就職前に社内事情を知ることができる点で考えれば、有益な経験になると考えています。

隣の会社はよく見えるという就職後の幻想

最後にもう1つアドバイスしておきます。
入社して数年のうちは退職など考えないことです。少なくとも仕事を一人前にこなせるようになるまでは、継続するべきです。というのも、最初のうちはその会社の良さや仕事の面白さが見えてこないからです。

自分の会社はつまらない」、「ほかの会社は働きやすそう」などと誰でも考えます。ところが、それはあくまで外の世界の表面的な部分を見て判断しているだけです。 インターンや就職を経験すればわかると思いますが、どこでも似たような状況です。

自分の人生を変えられるのは自分だけです。 降りかかる苦労を乗り越えることができれば、人生は楽になります。目の前にある苦労から逃げないで、苦労を乗り越える努力をすることです。どうしても職場があわなければ、退職することも自由ですが、同じような苦労が次の職場で起きないという確証を自分なりに探してみてください。



就活生が会社選びで失敗しない方法を紹介しました。
なかなか内部事情を知る手段は限られているので、他にも良い方法があれば試してみてください。 その会社に勤める友人や先輩に話を聞くのも1つの手段ですが、その人の立場や実力によって感じ方は人それぞれです。私がオススメするのは自分で体験できるインターンです。



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