201010 時間に縛られない働き方

今回は「時間に縛られない働き方」というテーマで話をします。忙しく仕事に励んでいる人、専門性を高めて仕事に余裕がある人は参考にしてみてください。仕事に余裕ができると、時間労働という概念がなくなるはずです。


時代背景の振り返り

本題に入る前に時代の流れを振り返ってみます。産業革命以降、1つの場所に集まって働くという集合型の働き方が定着しました。わかりやすい例が工場です。従業員は決まった時間に出勤して決まった時間に帰宅するという働き方です。集団の規模を大きくして作業を分担する方が物事は効率的に進みます。

この流れをこれまで継続してきたのが今の社会だと考えています。所属する集団によっては長時間労働が深刻な問題になったために、労働時間で社員を守る必要がありました。残業が発生すれば、残業時間に見合った賃金を支払うというものです。 時間単価の違い(給与レベルの違い)はあるにしても日本の会社は時間換算で給与を支払います。

仕事の対価の指標と本来あるべき姿

「過酷労働から従業員を守る」という点では一定の効果を示してきたと思いますが、プロフェッショナルな領域になると、投入した時間は仕事の成果を測る指標にはなりません。プロフェッショナルな仕事は、アウトプットで判断されるべきです。何時間投入したかは重要ではないにもかかわらず、時間という同じ指標で従業員を管理します。時間という指標から解放されるのは経営者や個人事業主くらいです。

仕事を短時間でこなして、空いた時間を別のことに費やすべきなのです。余暇を楽しんでもよいですし、新しいことを学ぶことに費やしてもよいと思います。 自分の生産性を高めるという点では、投入時間を減らすか時間当たりのアウトプットを増やすしかありません。

会社にとっても短時間で仕事をこなしてくれた方がよいはずです。例えば、8時間勤務であっても3時間で作業を完了したのであれば、終わった時点で帰宅すればよいのです。空いた時間で何か別の活動をするほうが本人にとってもメリットです。空いた時間で何かを学んでスキルアップしてくれれば、会社にとってもメリットになります。
※実際には短期的に終わる案件は少ないので、プロジェクトの期間内に余裕をもって仕事を終えることを目指すします。残念ながら、期限ぎりぎりになって焦るパターンが多いようですが。

時間管理の弊害

日本の場合は勤務時間の拘束があるため、仕事を早くこなしても余った時間を会社で過ごさなくてはなりません。おかげで、日本では生産性を高めようとするモチベーションがおきません。 人によってはだらだらと時間を使い、不要な残業までして帰宅しています。

本来残業とは、時間内に終了しなかった仕事の処理をするための追加枠です。ところが、日本では「付き合い残業」と表現される通り、ポーカーゲームのように周りの人間が帰宅するタイミングを伺いながらずるずる付き合いで残業をするという「もたれあいの文化」が生まれています。

本来仕事は余裕をもってこなすべきですが、人・組織によっては余裕があることがかえって悪さをする場合もあります。例えば1ヶ月の納期の場合、最初の1~2週間を無駄に過ごすパターンがあります。一方で納期2週間といわれれば最初から全力で取り組みます。
話のポイントは、対外的な納期に対しては余裕を持ち、自分の中では厳しい納期設定をしておくべきということです。(上述の納期1ヶ月の案件なら、納期3週間に設定しておき最後の1週間は自分の中で保険として持っておくのです。)
この考え方を持てば不要な残業から解放されるはずです。

コロナ騒動とテレワークで見直される仕事のやり方

これまでの仕事のやり方が定着している人にとっては生産性を高めるという発想は生まれないかもしれません。ところが、コロナ問題が社会を強制的に変革してくれました。テレワークの広がりです。

もともと職業にによっては、場所に縛られません。特にデスクワーク中心の本社機能の部署は、パソコンがあればどこでも仕事ができます。会社に行かなくて困るのは、同僚や関連部署とのコミュニケーションが取れないこと、会社のデータベースにアクセスできないことくらいです。 コミュニケーションについてはメールや電話で代替可能です。会社のデータベースについても外部アクセスができれば問題にはなりません。
※もともと出張など社外で仕事をしている人にとっては、テレワークに簡単に移行できたはずです。

次に時間という概念について考えます。
1日24時間を好きなように利用できるとなった場合、便利な要素の方が多い印象です。人によっては朝仕事をしたい人もいます。家庭の事情(育児や介護)で勤務時間を調整したい人もいます。 同僚や取引先とのコミュニケーションを考えると、世間一般の勤務時間帯に一定時間の勤務をすることは必要になりますが、それ以外の時間は自由になります。自分の仕事さえこなせていれば、本人が何時に仕事をしているかは関係ないはずです。

時間に縛られない働き方

このように考えると、実力をつけて仕事の生産性が高い人にとっては勤務時間はどんどん短くなっていく方向に作用します。逆に未熟な人はいくら時間があっても仕事が終わらないという2極化が進みます。テレワーク時代には残酷なほど実力差が明らかになります。

仕事をしたい人は何時間でも仕事に没頭することも可能です。長期で取り組く案件などは、1日ごとの明確な仕事の終わりは存在しません。仕事の進捗状況や本人の計画次第で好きなだけ仕事をすればよいと思います。

わかりやすい例が個人事業主です。仕事の単価は発注案件できまります。投入工数・時間は評価基準になりません。売り上げ(給料)を増やしたければ、実力をつけて生産性を高めるしかありません。

会社員の方にはこの考えは理解されにくいかもしれませんが、終身雇用・年功序列のしくみが機能しなくなっていることは明らかです。会社寿命もどんどん短くなっています。

そんな状況では、従業員は社内で個人事業主と同じ扱いを受けます。見た目の給料では大きな違いはないかもしれませんが、有能な従業員にはたくさんの仕事が任され、無能な従業員は仕事がどんどん減っていきます(いわゆる社内リストラです)。会社に雇用されているため、表面的には問題は見えてこないかもしれませんが、倒産・リストラにより会社から吐き出された瞬間にこの違いが、厳しい現実となって目の前に現れてきます。



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