191002 適切な情報収集と生産技術エンジニアの仕事の進め方

今回は「適切な情報収集と生産技術エンジニアの仕事の進め方」というテーマで話します。
生産技術の仕事をしていると、外部から情報収集しないといけないことが頻繁にあります。いくつか事例を挙げると、以下のような場合です。

  • 開発部に規格見直しの検討を打診する場合
  • 生産している部品で不適合品が工程に納入された場合
  • 設備に使用している機器の操作方法を聞く場合

この中でも、3つ目の設備の調整方法について今回取り上げます。

情報収集が必要な事例(新規ラインの導入の場合)

新しいラインが導入されると、最初のうちは覚えないといけないことが山のようにあります。設備コンセプトを既存のラインと統一しておけば、このハードルはかなり下げることができます。それでも、最新の制御機器を使用したり、何か理由があってこれまでとは異なるメーカーの機器を使用する場合などはその操作方法を覚える必要があります。

具体的な例を上げると、カメラ、ナットランナー、サーボモーター、多軸ロボット、専用計測器などです。これらはいずれもソフトが絡む品物です。機能が豊富になっているおかげで、使いこなすようになるにはそれなりの訓練と学習が必要になります。類似品の使用経験があればイメージはしやすくなりますが、メーカーが違えばソフト仕様も違います。
従って生産技術者は継続的に学習しなくてはなりません。

将来の仕事を予想した事前学習

私の場合、まず設備立ち合いに行ったときにそういったソフト面で新規性がある機器については設備設計者に尋ねて、簡単な操作方法を教えてもらいました。ただ、これですべてがカバーできるわけではありませんので、設備納入後に問題が起こるたびにその機器の製造元メーカーに電話して細かい話をしました。(設備製作メーカーではなく、制御機器の製作メーカーです)

生産技術者の仕事をやりやすくする要因

私は、制御機器メーカーのサポート窓口への問合せが一番確実で効率的な方法と考えています。メーカーのサポート窓口にいる人物は、その機器を熟知したエキスパートなので、困っていることやその対策について話をすれば解決が得られます。

従って、日本製の機器を使用することが私の仕事をやりやすくする方法で、設備仕様段階でもそういった仕様を盛り込んでいました。(あとで海外駐在を経験すると、少し考え方が変わりました。本来は現地人がやりやすいメーカーを使用すべきでした)
例えば、これが中国製の機器を使用すると、何かを問い合わせするにしても言葉の壁が発生します。これでは仕事はやりにくくなります。

効率の悪い仕事のやり方の事例

一方で、他人の仕事を見ていると、どうも私と考え方が違いました。
例えば、カメラの操作や設定変更で困っているとします。他のエンジニアは、カメラのメーカーに問合せをするのではなく、同じ部署の前任者あるいは少し知識を持っていそうな人に問い合わせるのです。そこで回答が得られれば良いのですが、解決しない場合は前任者がカメラメーカーに問合せをするのです。

これでは、1名仲介する分だけ情報伝達の無駄(正しく伝わらないことや必要な情報が得られないなど)が派生して、全体的な投入工数としても1名分無駄です。なぜこんなことをするのか全く理解できませんでしたが、私の周りではこういう仕事のやり方をする人が大勢いました。これが、俗にいう「もたれあい社会」で日本の生産性を下げる行為です。

生産技術者がとるべき行動と仕事の進め方

私が考える生産技術の仕事とは、「課題の解決」です。他人に仕事を押し付けることでもなければ、問題を共有することでもありません。課題に対して、どれだけ素早く行動を起こして、合理的な対策を打つかということを意識していれば、とるべき行動は決まってきます。


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