191011 後輩社員への仕事の見せ方【理想論は行動で示す】

今回は「後輩社員への仕事の見せ方」というテーマで話します。
この話は直接生産技術の仕事とは関係ありませんが、私が当時意識してやっていたことをいくつか紹介します。

当時の社内状況(上層部の仕事ぶりと若手の仕事ぶり)

当時私が勤めていた会社はブラック企業で、ひたすら仕事をしていました。私は10年以上勤めましたが、実際の勤務期間の1.5倍くらいの期間は仕事していた気がします。最初の5~6年を経過した後は、基本的には同じ仕事を繰り返すだけの状態でした。仕事相手が変わり仕事の規模は大きくなるものの、仕事を小さく分割するとやっていることは同じでした。

毎年新入社員を採用していたこともあり、バランスが悪いくらい若い人材は大勢いました。私の入社年度の3年後くらいから、徐々に社内の体質も変わってきて、ゆとりが生まれ始めました。(とはいえ、私個人の仕事には、そういったゆとりは全く生まれない状況でしたが‥)。中には海外工場に出張して激務を経験すると、出張拒否するような若手もいました。
また部長職以上の上層部は週末も仕事をしている様子で、ワーカホリックのように忙しく働いていました。当時私が勤めていた会社はそういう会社で、これでは誰も出世したいなどと思わないような環境でした。

目指すべき働き方を行動で示す

私も忙しく過ごしていましたが、以下のようなことを意識していました。自分でそうした生活をすることを望んだことも理由の1つです。もう1つの理由は、他人にもそういう仕事ぶりを示す必要があると考えていました。

  1. スマートな働き方
  2. 高い技術力を示す
  3. 問題提起と解決策の提案

1つずつ細かく見ていきます。

1)スマートな働き方

これは勤務時間です。私は無駄な残業が嫌いでした。正当な理由があれば残業することもありましたが、周りの空気を読みながら帰宅時間を決めるような働き方は、ただの無駄と考えていました。(※強調しておきますが、当時の私は他人よりもかなり忙しい状況にありました。)朝は7時前に出社して、大体夕方6時には帰宅する生活をしていました。必要があれば自宅でパソコン作業をすることもできましたし、電話をかけることもできました。事務作業であれば、会社に残ってする必要はありませんでした。

用事ができれば、一度帰宅した後に数時間して再度出社することもありました。夜勤のシフトをカバーしないといけないときは、朝来て残業するのではなく、出勤時刻を遅らせることで無理なく夜勤シフトをカバーするようにしました。週末出勤する場合も、やることだけを決めておいて、それが終われば帰宅するようにしていました。週末は半日勤務を目安にして仕事を終わらせるつもりで集中してやっていました。

おかげで、残業時間は他人に比べて比較にならないほど少なく済んでいます。これは持論ですが、朝のうちに集中して仕事をこなす方が仕事ははかどります。疲れ切った状態で残業しながら働いていても、効率がいいわけがありません。

周りからすれば、私が無理なく仕事をこなしている様子が見えたと思います。これなら自分もあの人のような働き方を目指そうと思えるはずです。

2)高い技術力を示す

エンジニアの仕事をしている兼ね合いで、問題を解決することが私の仕事でした。当時の後輩や同僚は、設備関係や不良関係の問題でよく私のところに問合せに来ました。何か問題が起きて30分~1時間たっても解決できない場合は、どうにもならなかったようです。仮に時間がかかるとしても、糸口が見えていればよいのですが、お手上げの状態では早めに見切りをつけるというのは賢明な判断です。

設備問題の場合はプログラム内部を見て信号を調べます。不良関係の問題の場合は、製品構造と特性を理解したうえで1つずつ検証していくしかありません。問題の内容にもよりますが、私がやれば10~15分で解決できる問題を何時間たっても解決できない場合はよくありました。

相手の信頼を得るためには、自分の価値を相手に認識してもらうしかありません。これは私が他人を評価するときの考えも同じです。その人が有能であるということを私に示せないのであれば、その人に対しての評価というものは上がりません。

3)問題提起と解決策の提案

他人の仕事ぶりや判断を見ていると、変な部分に気付きます。自分もかかわっている案件であれば、自分含めて関係者で失敗を避けなくてはなりません。相手が若手の場合は、まずやらせてみて私の方で内容をチェックしていました。内容が間違っていたり、不足している部分があれば指摘をしていました。
問題を解決できないようであれば、解決策を提案していました。打ち合わせでもよくある悪い例ですが、まとまりのない話をして議論をはぐらかす人は大勢いますが、自分の意見もなく、代替案もない人がほとんどです。これでは大勢の時間を拘束して開催する意味がありません。代替案の提案がないのであれば、発言自体をするべきではありません。ただのコメントは誰にでもできます。

まとめ

仕事をする上で私が意識していたことを少し紹介しました。ポイントとして、他人が目指すような人物像をイメージして働くことです。たとえ仕事ができて役職についていたとしても、奴隷のように仕事漬けの生活をしている人には誰もなりたいとは思いません。他人の意見を批評するだけの年寄りにも誰も魅力を感じません。問題を解決できない先輩技術者の仕事ぶりを見ても同僚や部下は興覚めするだけです。


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