191206 幸せに生きていくためには退屈なこと避けるべき

「幸せに生きていくためには退屈なこと避けるべき」というテーマで話をします。
退屈に時間を過ごすと時間が長く感じられ、幸せに過ごすと時間は短く感じられるものです。絶対的な時間の流れは、常に同じであるにもかかわらず、感じ方によって長くも短くも感じられます。時間の経過を早く感じるということは充実している証拠です。

1.「暇」や「退屈」がよくない理由

仕事でも趣味でもよいのですが、何かに熱中すると時間を忘れて没頭します。
処理不可能な量の仕事を山済みされて、忙殺される場合もあるかもしれませんが、人間とは徐々に環境に慣れます。最初は困難に思える状況でも、継続していくことで不思議と余裕が生まれてきます。忙しいながらも徐々に状況を楽しむことができてきます。

一方で、「暇」と思える状況が続くと人は徐々に退屈してくるようです。 何か別のことを考え始め、どうやってその状況をやり過ごすか考えだします。 つまらない仕事や単純作業をしていると、そういう気分になりませんか?

少し前のことですが、海外工場で仕事に追われる生活をしていた時にパスポートの更新で日本大使館に出張しました。途上国の首都だったのですが、セキュリティのしっかりした高層ビルの一室に日本大使館がありました。海外大使館というと日本への旅行者や日本ビザの発行などの対応に追われているのかと思いきや、待合室には私しかいませんでした。

当時の自分の職場とは真逆の静けさがありました。手続きをするために30分ほどそこで時間を過ごしましたが、この事務所で働くと1日が果てしなく長く感じるだろうと思えるような職場でした。


その職場を見たあとで、当時の自分は職場に恵まれていると感じていました。当時の私は生産現場を職場としていて、問題対応や改善活動を含めて「動き」や「変化」が豊富な場所でした。幸いにも忙しさに追われて過ごしていたおかげで、「暇」や「退屈」を感じることはなかったからです。もし私がその大使館に勤めていたら、長続きしなかったと思います。

2.「退屈」を感じるときは環境を見直すタイミング

同じ仕事を継続していると誰でも退屈に感じることがあります。
モチベーションや裁量やその時の心理状態も影響します。なぜその仕事をするのかという理由がない場合は、大きなモチベーションを持つことはできません。(※経済的に余裕がない人の場合は、生活するために働くというモチベーションが生まれますが。)

最初は魅力的に思えた仕事でも、10年以上継続すると退屈に感じることはあります。 有名人や会社経営者でも、新しい環境に挑戦する人はいます(新しい環境でも大きな成功を収めています)。刺激的な挑戦が彼らに大きなモチベーションを与えているのだと思います。

経済的に余裕がある人の場合はお金のために働く必要などありません。
そういう人たちにとっては理由が必要なのです。私も理由を求めるタイプの人間のようです。

3.幸せを感じるのは時間の過ごし方だと思う

先述の大使館の話では、その職業に就くことすら狭き門です。仮に私のような人間が応募しても、面接すらしてもらえないでしょう。職業自体は高貴な職業です。選ばれた人物しか付くことができません。とはいえ、やっている仕事はかなり地味です。

もう1つ事例を紹介します。

私は飛行機に乗る機会が多いのですが、若者のあこがれのスチュワーデスの仕事を近くで見る機会が頻繁にあります。飛行機に乗って外国人の相手をして、外からは華やかに見える仕事かもしれません。

ところが、こちらもやっている仕事内容はかなり地味です。狭い機内で飲食物を提供しているだけです。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、作業内容自体はレストランの店員と近いものがあります(非常事態対応など特別な訓練を受けた専門職であるという違いはありますが・・・)。国際便になるとホテル暮らしになり、プライベートの時間もほとんど持てなくなるはずです。1日おきに2国間を移動することになります。時差の疲れも避けられません。この仕事も自分なら続かないだろうと思っています。
(※スチュワーデスの仕事を批判しているわけではありません)


大使館職員やスチュワーデスは立派な職業で、選ばれた人しか就くことができません。
とはいえ、大切なのは「肩書」ではなく、「自分が何をやりたいか」だと思っています。

私の事例も紹介します。
私は海外工場勤務を数年続けた後に本社への帰任辞令が出ました。もともと本社所属だったので本社の状況はよくわかっていました。現場がなく、退屈なデスクワークの毎日です。本社勤務している自分を想像した時に、続かないだろうという確信がありました。なので、任期満了時に海外で退職しました。

4.超エリートから学ぶ幸せな人生の生き方

仕事に就くこと自体もハードルが高い職業は世の中にあります。
例えば、アメリカのグーグルなど超人気企業です。職場環境や働きがいなどもそうですが、募集をかけなくても応募が殺到するような会社です。入社すること自体が極めて困難な会社の一つです。

この本によると、そんな超優良企業でも退職者がいるようです。一例を挙げると、退職希望者は自分でビジネスを立ち上げたり、他にやりたいことがある場合です。いずれもポジティブな退職です。日本のメディアで騒がれるようなブラック企業から退職したというネガティブな理由ではなく、自分がやりたいことが見つかりそちらにリソースを集中するのです。

一般人からすれば、なぜグーグルを辞める?と思うかもしれませんが、 大切なのは自分が満足できるかどうかです。世間体や肩書などにとらわれないで、自分が熱中できることに全力を注ぐことです。大企業に勤めることで世間体は良くなるかもしれませんが、働いている時間に退屈を感じたり、やりたくないと思いながら時間を過ごすようでは精神衛生的に幸せを感じられるはずがありません。

5.まとめ

職業と幸福感は、ひとによってそれぞれです。
各人が自分で考え、自分が幸福と思える道に進むことが結果的には幸せになる秘訣のような気がします。

技術革新のおかげで変化の激しい時代です。設立10年で時価総額1兆円を超える会社もあります。昔の考え方にとらわれ、生きていくのはあまり賢明なやり方には思えません。時代の変化に合わせて「自分がどうなりたいのか」、「自分が何に幸せを感じるのか」を真剣に考える時代になっています。
何気なく平凡な毎日を過ごすのではなく、中期的に戦略的に自分の人生を設計する時代が来ています。

幸いにも過去10年くらいで社会通念も徐々に変化しています。多様性が認められ、アクセス可能な情報も増えています。古い固定観念に縛られないで生きている人も増えています。年を取って後悔しないためにも、自分がどう生きたいのかをよく考えながら人生を刻みたいものです。

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※参考書籍) How Google Works エリック・シュミット (著)
※参考書籍) LIFE SHIFT リンダ・グラットン (著)