200202 今の延長線に理想の自分がいない場合は注意が必要

今回は「今の延長線に理想の自分がいない場合は注意が必要」というテーマで話をします。
就職して5年も経つと、仕事にも慣れて同じ毎日の繰り返しになります。仕事も楽に感じて、会社の考え方に染まってきます。そろそろ結婚したり、家を所有したり、社内での出世を意識したりする頃です。仕事に慣れる一方で、将来に対する希望を失って元気のない会社員も大勢います。何か元気がなく、別のことに期待を持っている人達です。今回はそんな人たち向けに話をします。

・今の自分の仕事や生活に満足している人は全く問題ありません。
・将来の夢や目標が特にない人も現在の仕事を続ければよいと思います。
現在の生活の延長では、自分の将来の目標を達成できないと感じている人は注意が必要です。
・すでに目標を達成してしまって、惰性で今の環境にいる人も参考にしてみてください。

早速結論ですが、「今やっている仕事の将来に希望が持てない人は、早急に戦略を練るべきです」 どこかで現在の生活を抜け出す大きな決断をするか、目標自体をあきらめなといけないからです。 この理由を説明していきます。

今の日常が将来の自分の目標の役に立っているのか

何となく仕事をしていても仕事をやった実感が得られます。たとえば、何かの作業をしていると、何も考える必要がありませんが、何かをやったという小さな達成感があります。本来自分がやるべきことでなくても、何かをやったことで小さな満足という錯覚が得られます。

仕事を軽視しているわけではありませんが、大切なのは自分の目標のために、今の仕事が役に立っているのかどうかということです。仕事をして時間を過ごすかどうかが重要ではなくて、自分の目標に近づいているのかどうかが重要です。進むべき方向が正しいかどうかを客観的に判断しなくてはなりません。

人生は長いように思えますが、時間は有限です。特に若い頃というのは、成人して10~20年程度です。現在の延長(例えば5年後や10年後)に目指している理想の自分があるのか自問してみてください。
仕事をすることで会社の役には立っています。ほとんどの仕事は、社会の役にも立っています。では、自分の目標実現の役に立っているのかどうかの視点で見た時にどうでしょうか?  


会社のベクトルと自分が理想とする将来は一致しているか

会社は社員のベクトルを合わせる方向に作用します。(個人がどうなりたいかは考慮の対象にはなりません。)
会社にとっては会社の事業や顧客の満足が最優先です。(建前上は社員が大切などというかもしれませんが、現代において社員を最優先にしている会社など存在しません。場合によっては、社員は迷惑な存在と考えられています。使えない中年社員、解雇できない雇用制度、高い人件費・・・)

NETFLIXの最強人事戦略(著者:パティ・マッコード)」という本がありますが、この本の中でNETFLIXは従業員のキャリア形成に責任を持たないと言い切っています。会社の使命は顧客を満足させることであって、従業員を教育することではないというのがマネージメント層の考えです。面白い本なので興味があればぜひ読んでみてください。

現実的な話をすると、 会社はボランティアではなく、顧客、会社、会社従業員、地域環境などが最適な状態になるように運営されます。 うまく会社と個人のベクトルが合えばよいのですが、状況や方針次第で必ずしも一致するわけではありません。
将来は日々の小さな積み重ねです。正しい方向に歩いていないのであれば、残念ながら理想の将来はいつまでたっても訪れてきません。

理想の自分と今の自分のギャップを正しく理解する

例えば、2~3年集中して何かに取り組めば、それなりの結果を出すことは可能です。一方で会社勤めをしていると、日常的になかなか時間が取れません。会社勤めをやっていなければ半年でできたことでも、会社勤めをしていたせいで3年もかかってしまったということもあります。「会社勤めを辞めろ」などと過激なことを言うつもりはありませんが、 現在の自分のペースと目標までの距離を考慮して妥当かどうかということです。場合によっては、別の会社・環境に所属すれば、もう少し早いペースで理想の自分に近づけるかもしれません。

外部環境にも注意が必要

また、外部環境にも注意しなくてはなりません。周りの状況により希少性有無や価値の有無が決まるからです。
例えば、過去10年くらいであればプログラミングスキルは評価されました。しばらくプログラミング需要は続くと思いますが、将来どうなるかはわかりません。塾の講師や学校の先生などは、これからの少子化の流れを考えれば需要は縮小するでしょう。
公務員は構造的に一生安泰とされていますが、ギリシャの破綻事例などを見ると日本でも公務員体制にメスが入る可能性もあります。あるいは待遇赤化により本人が毎日のルーティーン作業に嫌気がさして仕事をやめたくなるかもしれません。

自分の目標が実現しそうなタイミングで、外部環境がどうなっているかを予想しておかないと、せっかく苦労して目標を実現しても期待する需要はなかったということになりかねません。

考えが変われば、新しい目標をもてばいい

環境の変化で目標が変わることはあります。
実際にやってみると、当初の目標が果てしなく実現困難なものに思えることもあります。外部環境の変化で当初の目標に魅力がなくなることもあります。個人の事情により他に優先しなくてはならないことがあるかもしれません。別の新しい目標がみつかるかもしれません。

人の考えは変わります。自分が納得できるのであれば状況に応じて目標は変えればよいと思います。ポイントは、状況を正しく判断して自分が進むべき道があっているかどうかです。 この見極めを正しく行わなければ、将来大きな後悔をすることになります。 場合によっては何か(例えば現在の仕事や環境)を捨てるという判断をしなくてはなりません。

全員がうまくいくようなことはないかもしれません。それでも、意志の強い人の方が成功する確率が高いことは明らかです。やりたいことにがむしゃらに挑戦するほうが、消去法の選択肢よりも成功確率は高いはずです。 どうせあきらめるのであれば、挑戦したあとでそう思いたいものです。自分に言い訳をみつけて諦めてしまうのは、将来の自分が満足しないと思います。

まとめ

目標に向かっている自分のペースを見ながら、外部環境を見ながら、総合的に判断必要。
今いる環境を捨てるという判断は簡単ではないですが、自分にとって何が最適なのかを合理的に判断するべき。 さらに言えば、自分の年齢も考慮しなくてはなりません。人生を考えれば、無限に近いと思える時間があるように思えますが、年老いてくると肉体的にも精神的にも衰えてきます。
年齢を重ねると社会の期待値も高くなってきます。いつ自分が大きな勝負に出るのかを考えないといけません。


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