200204 成長するためには環境を変えなければならない

今回は「成長するためには環境を変えなければならない」というテーマで話をします。
私自身これまでいくつかの人生経験をしてきました。会社人生でいえば、同じ職場にいたのは長くても5年以下です。異動や転職などで職場を転々としてきました。若い頃は特に気にすることもなかったのですが、30歳を過ぎて、よい経験だったと感じるようになりした。そんな経験を踏まえてのアドバイスになりますが、成長するためには定期的に環境を変えるべきだと考えています。

最初に記載しておきますが、今の環境が最適と感じている人は環境を変える必要はありません。
現状の環境に不満や違和感がある人のみを対象としています。 また、同じ職場で役職があがる場合も「環境の変化」と捉えています。役職があがることで職場環境が変わるからです。

同じ環境に居続けることが良くない理由

同じ環境に居続けることが良くない理由は次の通りです。

  • 長年同じ環境に所属すると感覚がマヒしてしまい、主観的な考え方に陥りやすい。
  • 同じことしかできなくなる。(いずれリストラされる)
  • 外の世界は猛烈なスピードで変わっている。変わらなくてよいと考えるのは危険。
  • 挑戦がない。(挑戦しないので成功もない)
  • キャリア形成に何十年も必要とする仕事は少ない。(たいていは1~5年で十分)


同じことを長年やっている一般会社員で成功している人は研究職の人くらいではないでしょうか?
それ以外の一般職業で長年同じ仕事を同じ環境でやっていて成功している事例はほとんどない印象です。継続を否定するつもりはありませんが、「価値ある継続」なのか、「ただのマンネリ」なのか、正しく判断しなければなりません。

具体的事例の比較

A)同じ仕事を10年継続している一般会社員(※役職・仕事内容が変化していない前提)
B)転職や異動を繰り返して人間関係や職場・仕事内容を多く経験している会社員
C)新しい事業を立ち上げた経験がある会社員

年齢や業界は同じという条件で、この3種類の一般社員(※会社役員などは除く)で市場価値のあるのは、C>B>Aの順になります。実際にその人の能力が高いかどうかはともかく、それぞれの経験値という点ではこのとおりです。おそらくビジネスでの実力でもC>B>Aになります。それくらい経験値の差が実力に影響してきます。

最初は苦労するかもしれませんが、必ず後で自分の役に立ちます。
そう考えると、何かに挑戦してみたくなりませんか?

環境を変えるメリット(経験と成長)

環境を変えると周りの人間も変わり、考え方が変わります。新しい刺激を受けます。最初はうまくいかないことがほとんどです。その困難を乗り越える過程で人を成長させてくれます。また、自分がこれまで見てきた世界と新しい世界を比較することができます。こうすることで過去の世界を客観的に見ることができます。※同じ世界に長くいると主観的になりがちです。

環境の変化は外部要因もありますので、いくら本人が希望しても変えられない場合もあります。大企業のような大きな組織に所属している場合は、物事が迅速に進みにくいものです。 そういう場合は小さく外部環境を体験してみてください。例えば、次のような事柄です。

  • 環境を変えられないなら旅行に出かける(日常からの一時的な脱出)
  • 引っ越してみる(※5年以上同じ場所に住んでいる場合)
  • 普段の人付き合いを変える
  • 新しいことを始める
  • 勉強会に参加する、本を読む、ボランティアに参加するなど
  • ※自分のキャリアにつながるようなことを選ぶのが良いと思います。

いずれも考え方が変わります

環境を変えるデメリット

人によっては安定志向の人もいます。そういう人には大きく環境を変えることはストレスになります。 長く同じ環境にいた人ほど変化を受け入れにくくなるからです。それは本人の希望次第です。
また、家庭の事情(高齢者の介護や子供の扶養など)がある場合は、大きな環境の変化がストレスになる可能性もあるため、慎重に判断しなくてはなりません。

環境を変えるときの注意点(成長しない事例)

環境を変えるときの注意点を1つ紹介します。
「嫌だから」「つまらないから」などのネガティブな理由で環境を変えるのはお勧めしません。環境を変えるための目的は、挑戦や成長というポジティブなものであるべきです。ネガティブな理由からポジティブなものは生まれませんし、成長するための原動力は本人の強い意思です。本人の意思がなければ、いくら環境を変えたところで大きな効果は期待できません。

環境を変えるタイミングと方法

会社勤めをしていると、大きく環境を変える出来事は少ないかもしれません。
一般企業であれば毎年上司と人事面談をするという仕組みを持っています。 その面談の場で自分の希望を伝えれば、近い将来実現する可能性は高まります。 何かが起きるのを待つよりも自発的に行動した方がよいでしょう。
大きく環境を変えられない場合は、プライベートの時間を利用すれば今すぐにでも始められるはずです。

以前勤めていた会社では50代の中途入社者が大勢いました。
何十年も勤めた会社を辞めて新しい職場で働くのです。彼らの話を聞くと、ほとんどが既婚者であり単身赴任者でした。彼らのほとんどが挑戦を求めて転職していました。 子供が成人してしまえば、ある程度自由になれるようです。
家庭を持っていて、長年勤めた会社を辞めて、年齢的にも決して若いとはいえませんが、挑戦していました。 さらに、私が当時勤めていた会社はブラックだったのです。 安泰を捨てて、あえて厳しい環境に乗り込んできたのです。

自分が同じ状況でそんな決断できるだろうか、と考えると大きな驚きでした。そういう人達を見ていたので、私も新しいことに挑戦できたのかもしれません。


まとめ

環境を変えるということは、実験をすることに似ている気がします。
自分が別の環境でも通用するのか、今の自分の環境と比べて外の世界はどうなっているのか、どんな人がいるのか、どんなスキルが役に立つのか、など普段の生活では気づきにくい部分を体験できるからです。この体験が成長の糧を与えてくれているのです。

リスクを取ってでも挑戦したい人にはお勧めです。最初はリスクと思えるようなことでも、たくさんの変化を経験すればそれが本人の視野を広げてくれて、結果的には困難に対処するための耐性を与えてくれます。成長して耐性ができると、リスクがリスクでなくなります(例えば、変な部署に移動したり、変な会社に転職したとしても、意外と簡単に適応できたりします)。少し人生に対する考え方に余裕が生まれます。


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