200531 youtubeのテレビ化と依存症リスク

今回は「youtubeのテレビ化と依存症リスク」というテーマで話をします。過去数年においてyoutubeはメディアとして市場規模が拡大しています。便利な世の中になったおかげで利用者も増えています。一方で依存症になっている人も大勢います。

youtubeの市場規模

まずyoutubeの市場規模と日本の現状を見ていきます。

この決算資料によるとyoutubeの収益は次のように年々上昇しています。
2017年度:約8000億円、2018年度:約1.2兆円、2019年度:約1.6兆円
すごい金額です。

・インターネットサービスで利用率が高いサービス第3位がyoutube
・スマートフォンアプリ利用時間の第2位がyoutube
となっています。

これらの情報からyoutubeが近年拡大していて、日本でも大きな影響力があることが分かります。

情報伝達手段としての動画配信のメリット

youtubeによる動画配信サービスのおかげで生活は便利になっています。
1つ目のメリットはテキスト情報では伝わらない情報を伝えられることです。
例えば、オンラインの授業、遠隔地の景色、動作の実演、ライブ配信を利用したコミュニケーションなどは動画でなければ不可能です。 情報伝達やコミュニケーションの手段としてはテキストより優れた点はたくさんあります。

2つ目のメリットは音声だけを楽しむことができるという点です。
例えば、通勤や散歩などの移動中であってもイヤホンをしていれば音声情報を取り入れることができます。テキスト媒体の場合は視覚なしでは情報を得られないのに対し、動画情報であれば、音声だけでも利用できることから、何かをやりながら情報を入手することが可能です。

情報伝達手段としての動画配信のデメリット

一方でデメリットがあることも事実です。
1つ目は視聴者の時間を奪うことです。テキスト情報と違って、動画情報は必要な部分だけを抜粋することは現在の技術ではできません。ある程度動画を視聴しながらでないと、必要な情報かどうか判断できないのです。

2つ目は思考停止です。本を読む場合とテレビを見る場合をイメージしてもらえばよいのですが、本を読む作業は読者が集中するという主体性がないと成立しないのに対し、動画配信は視聴者の主体性がなくても情報として入ってきます。この結果、視聴者は思考停止状態のただの観客になります。

エンターテイメントとしての動画視聴であれば観客でよいのですが、情報入手の手段としては場合によってはテキスト情報に劣ります。

youtubeのテレビ化のリスクと依存症リスク

動画配信には有益な情報があることは事実ですが、一方でそうでない情報も大量に存在します。これはテレビ番組にも当てはまります。数少ない有益なテレビ番組がある一方で、その他大半の番組はたいして価値のない番組です。

収益化による参入者の増加

毎分500時間分の動画コンテンツがアップロードされていると言われています。 youtubeというプラットフォームはテレビ番組と違い、個人レベルで投稿可能です。設備投資なしで簡単な番組を作成できるため参入障壁の面では優れています。一方でこれがデメリットにもなります。ゴミのような情報まで大量に蔓延することになるからです。

先述した市場規模の拡大と製作者が広告費収入を得られるという面で、規模の拡大--> 投稿者の増加-->規模の拡大--> 投稿者の増加という拡大サイクルが形成されています。他人の真似をしただけの2次情報動画や金銭目的だけの動画が蔓延していることも事実です。

テレビとyoutubeの違い、依存症

Youtubeの視聴は時間と場所を選びません。モバイル端末で視聴可能なため、テレビの前に居座る必要がない。また、テレビのように時刻を決めて配信しているわけではないので、視聴者が見たいときに見たい場所で見ることができ す。
大きなメリットである一方、これがデメリットにもなります。いつでもどこでも視聴できるため、依存症を遮る手段が本人にしかないのです。 本人が有効活用できているのであれば、好きなだけ動画視聴に時間を費やせばよいのですが、そうでない視聴者は依存症から抜け出すことができません。
使い方を間違うと人の時間をいくらでも奪っていきます。


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