200929 オンライン会議のメリットと弊害

今回は「オンライン会議のメリットと弊害」というテーマで話をします。 コロナウイルスにより外出規制の影響が出て半年以上が経過しています。外出しない、出社しない、出張しない、など仕事のやり方がオンラインへ切り替わりました。それにともないZOOM、TEAMS、SKYPEなどのオンラインツールが急速に利用されるようになりました。今回はこれらのツールの利用方法について考えます。

【目次】

  1. オンラン会議のメリット
  2. オンライン会議の弊害
    • 不要な情報を提供する
    • そもそも使い方を間違っている
  3. オンライン会議に頼る人物は仕事ができない証拠
    • ただ会議に参加しているだけの人物は暇なのでは?

オンラン会議のメリット

まずはメリットから見ていきます。
紹介するまでもなく、離れた相手とコミュニケーションをとることができることです。電話、メール、チャットなどのツールと同様にうまく利用すれば、リアルタイムで映像を見ながらコミュニケーションできることです。

内容次第では、自宅にいながら社内外の人とコミュニケーションをとることもできます。相手の顔を見ながら会話できるという月並みな利用方法だけでなく、資料を映しながら説明することもできます。電話やメールに比べて、新しい利便性を提供してくれます。音声だけでは伝わりにくかったこと、文字だけでは伝わりにくかったこと、などのデメリットを克服できて、画面(文字)と音声を同時に利用できます。

ただの打ち合わせ目的の出張であれば、オンラインでやり取りすることで大きな省力効果になります。仕事前後の移動が不要になり、本質的な仕事に注力することができるようになるからです。

オンライン会議の弊害

一方でデメリットもあります。
なんでもそうですが、使い方を間違うとその利便性が悪用されてしまうのです。携帯電話やナイフが犯罪に利用されるようなものです。

不要な情報を提供する

本来は、状況に応じてツールを使いこなすべきだと考えています。 電話やメールで済む場合は、最適な手段を選択するべきです。画面に映す必要がないものは音声だけで十分です。 ところが、人によっては何でもかんでも打ち合わせです。そして映す必要のない情報(一番多いのが本人の顔)をなぜか提供し続けています。礼儀という点では機能するので、場合によっては必要と考えています。ところが、毎日打ち合わせをするような人物と打ち合わせをするときに不要な映像を提供することに何も意味を感じません。

特にその打ち合わせが長時間にわたる場合は、この不要な映像のせいで拘束されることになります。音声だけを聞き流しておけば、必要な部分にだけ参加するということも可能です。ところが、映像を提供するとなると常に会議に拘束されます。無駄以外の何物でもありません。

そもそも使い方を間違っている

メールは便利なツールですが、ごみ情報のような内容のメールを受信すると価値の高い情報が埋もれてしまいます。電話も同じです。便利なツールですが、使い方によっては相手の時間を果てしなく奪います。

オンライン会議も同じです。便利なツールですが、高次元の意味で有効活用できていない場面をよく見かけます。いつでもどこでも誰かとつながれるようになったからと言って、打合せ頻度を増やすべきではないのです。 別記事でも記載している通り、打ち合わせはただの情報共有や決済が目的です。情報共有するだけなら、口頭の説明よりもまとまった文字情報やプレゼンの方がはるかに役に立ちます。そういったプレゼンを5分程度説明してくれれば、それで目的は達成できるのです。

ところが、現実を見ると毎日のように相手を捕まえて1~2時間も延々と時間を浪費しています。これまで対面方式で業務マネージメントしていた人物にとっては、遠隔の相手を捕まえるしか思いつかないのです。ところが、これでは足の引っ張り合いで生産性を落とすだけです。

オンライン会議に頼る人物は仕事ができない証拠

厳しいかもしれませんが、私の経験則では会議ばかり開催する人物は仕事ができない人間です。
プロフェッショナル集団であれば、インプット情報をもとに仕事をこなします。インプット情報は打ち合わせの場での情報展開でもよいですし、文面だけでも構いません。最初に内容の確認さえしておけば、そのあとは仕事を処理するまでに状況を共有・報告するだけです。情報の共有や報告は、仕事の進捗を見ればわかります。例えば、計画表に関する進捗、作成中の商品やサービスなどです。
仕事の成果に対して責任を持ち、品質や納期を保証します。高いレベルの専門性を持っていれば、自分の仕事をの日程、量、課題はすべて自分で管理・解決できます。


一方で自分で仕事をこなせない人物は、情報や専門家を探します。いままでは会社という集団で1つの場所に人が集まっていたおかげで、他人に頼ることができました。ところが、他人と物理的な距離によって離された状態になると、自分の本来の実力が可視化されてしまいます。

従来の仕事のやり方の延長では、オンライン会議を悪用して情報や専門家を探さなくてはならないのです。自分の仕事を自分一人でこなせないということは、実力が不足しているか、そもそもその仕事自体が不要だったということです。

ただ会議に参加しているだけの人物は暇なのでは?

これまでは従来の延長で、なんとなく会社に行って何となく時間をつぶして働いているという錯覚をしていたはずです(もちろん、ちゃんと働いている人もいますが)。 全体的な流れを見れば、日本経済は30年間停滞しています。一方でテクノロジーは進化しています。仕事はやりやすくなり、これまでできなかったことができるようになってきています。

従来8時間かかっていた作業が3時間になるようなこともあります。結果的に、人がやらなくてもよい仕事もたくさんありますし、不要になった仕事もたくさんあります。ところが、その現実に気づくことができずに、仕事をしているという錯覚をしてしまう人がいます。コロナ騒動のおかげで、そういう仕事のやり方をしていた人が可視化されたのです。

リモート勤務になったおかげで他人の仕事を把握することを難しく感じる人も大勢いるはずです。会議ばかりに参加している人の目的は情報収集でしょう。従来の働き方をしていた人にとっては、仕事の成果や進捗が見えにくくなったおかげで他人の会議にばかり参加するのです。

そんな人たちを見ると、相当暇なんだろうなという印象を受けます。悪い言い方をすれば、そういった打ち合わせは「ただの会話の場所」にしかなっていないのです。時間管理が下手で、不要な残業をしている人達です。これでは日本の生産性は上がりません。

テクノロジーが進化した世界の働き方

テクノロジーが進化しているので、仕事はやりやすくなっています。 これまで効率の悪いやり方しかできなかった案件でも、新しいやり方を採用できるようになっています。オンライン会議もそんな技術の1つです。そう考えると仕事はますますやりやすくなっていくべきなのです。同じ仕事であれば短時間でこなせるはずです。同じ時間ならばより大きなボリュームの仕事をこなせるはずです。

残念ながら、ほとんどの場合でそうなっていないのが今の日本という社会です。仕事をしているのかどうなのかよくわからない、そんな場面をよく見かけます。本来であれば、残業をするまでもなく仕事が終わってあとはやることがない、そんな状態を目指すべきなのです。空いた時間で将来への投資(つまりより先進的な仕事の種まき)をするべきなのです。



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