201124 副業を始める時に検討すべき見えない価値

今回は「副業を始める時に検討すべき見えない価値」というテーマで話をします。コロナ以前は、終身雇用の崩壊、副業解禁、フリーランス、個人の時代、などのキーワードが出回っています。また、SNSの普及により一部のインフルエンサーの発言が2次、3次情報として別の人からも発信されることで、どんどん増幅されてしまいます。幸せの形は人それぞれなのですが、一部の人に当てはまる理屈が万人に共通するかのような錯覚を持ってしまう人がいるのも事実ではないでしょうか。

「会社からの依存をなくしたいけど、何を始めたらいいかわかならない」そういう意見をよく耳にするので、いくつか参考になる考え方を紹介したいと思います。

何を目的に副業するのか

  1. 本業以外の所得
  2. 本業以外のつながり・人脈形成
  3. スキルアップ・自己研鑽
  4. その他(趣味・ボランティアなど)

4つほど取り上げましたが、まず考えないといけないのが「副業に何を求めるか」です。

1.本業以外の所得を目指す場合

金銭的な目的であれば、アルバイトや短期労働といった働き方をするのが確実でしょう。本業での専門性を活用できる副業ができる場合は高単価の収入が期待できます。 副収入という即効性が期待できる一方で、時間労働に縛られることになります。また、状況次第ではお金のために我慢しなければいけない状況も発生するかもしれません。

2.本業以外のつながり・人脈形成を目指す場合

本業以外の人脈形成が目的であれば、本業での専門性を活かしてできる仕事を探せば、同じような経歴を持つ社外の人とのつながりができて、本業にプラスの効果をもたらすことが可能になるかもしれません。 また、本業とは全く関係のない副業であっても、社外の人脈ができることで、本業での人間関係に対して精神的な依存を減らすことができます。副業で所得を得られるようになれば、本業に対して余裕が生まれるます。

3.スキルアップ・自己研鑽を目指す場合

スキルアップを目的とする場合は、未経験の分野を学ぶことになります(この場合、副業とは呼ばないかもしれませんが)。自分が本業で経験できないことや希望していることにプライベートの時間をあてるというものです。
例えば、外国語を学ぶ、会社経営について学ぶ、経理について学ぶ、などです。本人のスキルアップにはつながる活動になりますが、素人が未経験の分野で仕事を請け負うことなどできませんので、金銭的なリターンは原則ありません。それでも新しいことを学ぶ喜びや充実感は得られるし、長期的に考えると本人にとってはプラスになります。

繰り返しになりますが、「自分が何を求めているか」によって副業選びをすればよいと思います。

目先の価値だけでは測ることができない見えない価値

別記事(仕事選びのポイント)でも紹介していますが、仕事選び同様に副業を選ぶときにも少し長期的な視点を持ってもらいたいと考えています。人生は長く、長期的な戦略をもって毎日を過ごす方が結果的には明るい将来が来ると考えています。時代の変動も激しく、手遅れになってから準備しても時間的、体力的、精神的な余裕がないため採用できる選択肢も限られます。

短期的な収入」の獲得を目指すよりも「収入を生み出せるスキル」の獲得を目指した方が、仕事選びの選択肢は増えます。また本業との相乗効果をもたらす能力であれば、人材としての価値も高めることができるので、給与単価が増える可能性があります。

つまり、目先の卵(給料)を追いかけるのではなく、遠くの鶏(スキル)を追いかけた方が卵をたくさん得られるということです。

ただし、ほとんどの人がそんな視点を持たないで毎日を過ごしているように思えます。毎日の生活に余裕がないほど、短期的な結果を期待してしまいます。短期、短期、の連続で結果的には何年も単調な毎日を過ごして何の結果も得られなかった。誰でも思い当たる過去はあるのではないでしょうか。

準備できている人にしか訪れない将来の機会

新しいチャンスが巡ってくるときは、事前に万全の準備をしておく必要があります。
何の準備もできていない人にチャンスが巡ってくることはありません。

例えば、毎日10kmジョギングしている人であれば、突然開催されるマラソン大会に参加することも可能です。マラソン大会の通知があってから、ジョギングを始めるような人では選考対象としては選ばれることはありません。

この地道な努力を副業に費やすことができれば、長期的に強い専門性を養うことができるのです。始める前は、大きく育ってくれるかどうかはわかりませんし、金銭的なリターンを提供してくれるかどうかもわかりません。 そんな不確定要素に比べると、副収入という短期的な見える価値に注意が向いてしまうかもしれません。とはいえ、誰でもできるようなことには大きな価値はありません。他人との差別化をはかり、独自の強みを持ちたいのであれば「見えない価値」に注目して将来自分を助けてくれるであろう専門性を養う活動に目を向けたいものです。



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