201222 レベルの低い集団の弊害

今回は「レベルの低い集団の弊害」というテーマで話しをします。なかなか理想論では物事は進まないのですが、なんというか同調圧力というか、大人のイジメというか、妬みというか、くだらないポジション争いのようなものを取り上げたいと思います。周りを見ていて、「なんだこれ」と思う時がよくあります。

役に立たない情報のやりとり(解決策のない批判や嫌味)

一つ目が役に立たない情報の発信です。
現代では個人で発信できるといわれている通り、ツイッターやフェイスブックなどのSNSで個人で情報発信が可能です。自分の意見を主張したい、誰かに聞いてもらいたい、他人から承認されたい、といった要望があるように思えます。

個人で楽しむ分については好きにやってもらえばいいのですが、集団の中でも役に立たないと思う情報発信をする人がいます。 よくあるのがメールです。ポジティブな発信でも、ネガティブな発信でも受け手にとってはたいして役にたたない情報を送る人がいます。

特定の相手に感謝の意を込めて発信するのなら理解できます。ところが大勢の人間をあて先に入れて、自分の独り言レベルの感想を発信するのはナンセンスです。そんなゴミ情報でメールボックスをいっぱいにされた経験はだれにでもあるのではないでしょうか。

状況の解決策を含まないネガティブなコメントは、ただの嫌味です。何の解決にもならない個人の意見や他人への批判を発信することにメリットがありません。 顧客や上司相手に送らないであろう低俗な内容であっても、社内やグループ内には発信する人がいます。良識の境界が社内に対しては持てないようです。本来は協力すべき相手、あるいは協力を募る相手に対して攻撃的なメッセージを送る人物の心境が理解できないのです。

発信した本人は満足感を得られるのかもしれませんが、受け手は不快な思いをするだけです。争いの種にしかなりません。

メディアでは炎上と表現される SNSの問題が取り上げられるていますが、これと本質的には同じです。組織の中でそんなやりとりをしている人物を見ると、世間の炎上を引き起こしている人物ではないかと思えてしまいます。

低レベルな人物による足の引っ張り合い

中には意図的に特定の人物を攻撃しようとする人もいます。
ただ感想を述べるだけであればまだ可愛いのですが、自分の立場の確立や、他人を批判することで自分の立場を優位にしようとする行動は見苦しいものです。 これは完全に「足の引っ張り合い」です。中学生のイジメのようなレベルのやり取りが社会人でも起きています。

極端な例をあげればパワハラです。

こうした問題を防ぐための取り組みがあることも事実です。例えば360度診断です。 自分の上司にだけ気に入られようとするのではなく、同僚や部下からの評価も人事評価に考慮するという取り組みです。 特定の人物からの評価だけでは、正しく本人を評価することができません。

同僚や自分より弱い立場の人から指示を受けない人物に、マネージメントの仕事を任せるわけにはいきません。歴史を振り返っても、間違った人物への権力集中は良い方向には進んでいません。

レベルの低い集団に所属するときの負の部分

組織の規模が大きくなれば、この問題はどこでも発生します。
レベルの低い集団は全体のパフォーマンスを下げる方向に作用します。 能力の高い人たちに集団のレベルが合うのではなく、能力の低い人たちに集団のレベルを合わせないといけないからです。 特に日本社会はこの傾向が強いように思われます。その理由の一つは解雇規制です。 優秀な人材はどこの会社でもやっていけるので、簡単にその入団から抜け出すことができます。一方で優秀でない人材は、その職場に居座り続けるしかありません。結果的に組織のレベルが下がる方向に働きます。(昨今の大企業のリストラ報道を見ればイメージできるかと思います。)

まわりのパフォーマンスに応じて、優秀な人物はレベルを下げないといけないばかりか、他人からの嫉妬も受けます。 すなわち、優秀な人材が正しく評価されない職場は、優秀な人材にとっては非常に居心地が悪い職場になります。

さらに具合の悪いことに、自分に自信がない人たちは「負のチーム」を組もうとします。チームを組むこと自体は悪いことではないのですが、「負のチーム」とは他人の陰口をするような関係です。自分と同じ意見(ネガティブな内容)の持ち主を探して、他人を批判することでつながろうとする人たちです。精神的に未熟な人の典型ですが、意外と年齢に関係なくこういう人は存在します。40代でも50代でも該当するような人は存在します。

他人を批判することで一時的な満足感を得られるかもしれませんが、ポジティブなものは何も生まれませんし、何の解決にもなっていません。それどころか、そんな話をすることで本人の評価を下げています。客観的に見れば「未熟な人なんだ」としか映らないのです。

世界観が狭く、競争すべき相手を間違っている

そんな状況を見ると、「もっと広い世界で争えよ」と感じます。
小さな集団の中だけを見て陣取りゲームをするのではなく、組織の外、国内、海外へと広い世界の相手と競うことを考えるべきだと思うのです。 「井の中の蛙、大海を知らず」ではないですが、本来競うべき相手は同じ集団の同僚ではありません。会社員であれば、競うべき相手は同業の競合や新しい市場です。

ベンチャー企業などでも失敗の理由の1つに内部崩壊が挙げられます。本来は外部で使用するべきリソースを社内での対立に使用することで、勝負をする前から自滅してしまうのです。

なんというか、不毛なやり取りに労力を使うのがもったいないと思うのです。足の引っ張り合いをして互いに消耗するよりは、互いを高めていって強い組織になっていくべきだと思うのです。残念ながら私と同じように考える人は少ないように思います。



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