210111 近未来の働き方と優秀な人材確保の方法
今回は「近未来の働き方と優秀な人材確保の方法」というテーマで話しをします。先日、50代の働き方という記事を投稿して将来の自分の働き方を考えていましたが、同じタイミングで副業人材の働き方に対する報道がありましたので、今回はその記事と副業人材の働き方について考えてみます。
従来の働き方(会社所属)の特徴
まずこれまでの一般的な働き方をまとめてみます。 簡単に表現すると、会社に雇用され朝から晩まで同じ場所で働くというものです。 その時に次のような特典を会社が提供してくれます。
- 給与が保証されている(パフォーマンスや業績に依存しない)
- 雇用が保証されている
- 雇用保険、健康保険、年金手続き、税金支払いなどの手続きを会社がやってくれる
- 会社内での人脈ができる
- 食堂補助や通勤手当、家賃手当などの補助が出る
一方で会社に所属することでのデメリットも存在します。
- やりたくない仕事もしないといけない(個人に選択権がない)
- 同僚を選べない(一緒に仕事をしたくない人とも働かないといけない)
- 時間的拘束を受ける ※従来の働き方では仕事成果によらず毎日8~10時間を会社に拘束されます。
- 上司を選べない(変な人物の下で働かないといけない可能性がある)
しかも朝から夕方までという決まった時間帯で拘束されるため自由度が少ない。
また、個人の考えが変わる可能性もあります。
最初はやりたいと思ったことでも10年単位で考えると本人の考えが変わる可能性もあります。社内でやりたいことが見つかればよいですが、
見つかる事例は極めてまれです。
副業人材としての働き方のメリット
副業人材として働く場合のメリットは次のようなものです。
- 働き方の自由度が高い
- 本業以外のつながり・人脈形成が可能
- やりたい仕事に専念できる
- 新しいことに挑戦することで、さらなるスキルアップにつながる
- 金銭的なことよりも仕事内容ややりがいを重視
スキルもった副業人材は金銭的な目的で仕事に参加する場合は少ない印象です。
やりがいを求めて副業をする場合が多く、上にあげた従来の働き方の恩恵1~5を受ける必要などないのです。
むしろ、会社所属の働き方ではデメリットの方が多くなります。
したがって、彼らにとっては副業という働き方のほうが都合がよいのです。少し詳しく紹介します。
※日本ではまだ多く普及していませんが、アメリカでは「プロジェクト単位での働き方」が一般的になりつつあります。
働き方の自由度が高い
副業人材を雇う目的は仕事を遂行することです。従来の雇用形態が「人を雇う」ことを目的としているのに対し、副業人材の場合は「仕事をこなす」ことを目的としています。したがって、本来の業務遂行の目的からすれば副業人材の方が合理的なのです。 目的とするプロジェクトが完了すればチームは解散です。仕事もないのに雇用を継続する必要もありません。雇用を維持しなくてよい会社にとっても、やりたくない仕事にアサインされないで済む従業員側にとっても、やりやすいシステムです。
本業以外のつながり・人脈形成が可能
仕事を通して人脈ができます。副業人材で集まるような人たちは高いモチベーションを持っている人が多く、一緒に仕事をしてみて刺激を受けるような人に出会える可能性が高くなります。レベルの高い集団に所属することで自分のレベルをさらに高めてくれます。
やりたい仕事に専念できる
従来の雇用方式のネガティブな部分(6~9の項目)は採用される側にとって大きな検討要素であるように感じています。「会社員が嫌だ」という層が一定数います。これは会社員をしている経験のある方ならだれでも理解できる内容です。
仕事は面白くても、それ以外の余計なものが仕事の価値を落とすのです。時間や場所の制約が少なく、変な就業規則や不毛な人付き合いから解放され、やりたい仕事に集中できるという点で魅力的に思えます。
新しいことに挑戦することで、さらなるスキルアップにつながる
従来の雇用方法と異なり、過去の類似の案件の延長ではありませんし、社内の人脈などもありません。ほとんど転職するのと近い状況になるため、自分の実力が試されます。しがらみがない分、完全な成果主義の評価になります。この「新しい挑戦」をすることで、自分に不足している部分に気づき、それを克服するために人を成長させてくれるように思えます。
金銭的なことよりも仕事内容ややりがいを重視
副業人材に募集するような人たちは金銭的な理由よりも「やりがい」を求めている印象です。 人によってはボランティア(無償)でも対応したいという人はいます。彼らは金銭的に困っているから副業をするのではなく、面白い活動に参加するために副業します。 したがって、募集側は魅力的な案件を提示する必要があります。そうでなければ必要とする人材が応募してくれない可能性があるからです。
これからの働き方と優秀な人を採用する方法
会社は多様な働き方を提供しないといけないし、そうしないと優秀な人材は集まりません。優秀な人ほどたくさんの選択肢を持っているから会社に縛られないし、優秀な人は会社に縛られることを嫌います。
ヤフーの副業人材による働き方は、少し先の将来に一般的になっている働き方に思えます。1つの会社に忠誠を尽くすのではなく、複数社を掛け持ちしながら会社と仕事を選ぶやり方。この方が能力を発揮できるし、1つの会社で縛られない自由があります。
日経新聞記事)ヤフー、副業人材100人採用の真意 雇用は脱オフィス
場所と時間の制約をなくす
コロナ化で一般的になったリモートワークですが、場所の制約がなくなったおかげで社外の人材と協業しやすい環境はそろいました。
必要な情報をチームで共有できる状態にしておけば、細かいミーティングも不要になります。質問などはチャット上でできるので、メールや電話で問い合わせをする頻度も減ります。
週一回のミーティングなどで進捗管理・情報共有しておけば、打ち合わせ自体も少なく済ませることができて時間の制約も減ります。
この状態がそろうと、副業を掛け持ちしている人材にとっては時間管理がしやすくなります。すなわち時間の制約からの解放です。
こうなってくると、今度は日本国内にとどまる必要すらありません。日本との時差があっても、自分の好きな国で暮らしながら仕事に参加することが可能になるのです。実際にそういう働き方をしている人たちは大勢います。
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