210316 交渉を優位に進める時のポジショニングについて

今回は「交渉を優位に進める時のポジショニングについて」というテーマで話をします。他人との交渉事はどこでも存在します。上手下手もありますが、知識量やポジショニングも影響します。そこで交渉事が不慣れな人に対して、ヒントになる考え方を紹介したいと思います。

交渉を優位に進める時のポジショニングについて

人生にはいろいろな交渉事が存在します。就職。 昇進、異動、転職、結婚、離婚 などですね。
例えば、学生の就職活動で話をすると、「選ばれる」側の立場にある人が大勢ですが、実際には自分が「会社を選ぶ」立場になって状況を考えれば交渉は有利になります。自分の期待値が満たされなければ、その会社を選ばない。そういう強い立場を持てると余裕ができて、交渉事を有利に進めることができます。
これは、物を購入する時でも同じです。購入先を選ぶ時にも一社依存ではなく、「複数の選択肢から選ぶ」という状態にしておけば交渉しやすくなります。

就職活動の時にどうしても就職しないと困るという学生と、最悪バイト先に正社員として就職できるという学生がいた場合、精神的な余裕が持てるのは後者です。

会社員の場合でも、世間ではリストラが流行っていますが、自分の実力に自信がある人は、リストラの心配などありませんし、仮に会社を辞めたとしても他の会社でやっていくことができるので、精神的に大きな余裕があります。

夫婦が離婚する場合においても、「離婚しても経済的に独立してやっていける」という自信があれば、いつでも離婚できるはずです。

家や車など大きな買い物をする時も、「買わなくてもいい」という選択肢を持っている場合は、大きな交渉権を持つことができます。買う気のない顧客に物を売る作業ほど、難しい営業はありません。

営業の立場としても、「ノルマ達成のために絶対物を売らなければならない」という営業マンと「売っても売らなくても、どちらでも構わない」という営業マンでは、交渉に対する精神的な余裕は異なります。


このようにポジショニングは、日常生活のいろんな部分で現れてきます。自分のポジショニング次第で物事を優位に進めることができます。

交渉時に有利なポジショニングを保つためのポイント

いいポジショニングを保つためには精神的な余裕を持つことです。具体的には以下の内容になります。

・絶対的な強みを持つこと
・自分の中に常に複数の選択肢を持っておくこと(1つの選択肢に大きな依存をしないこと)
・想定していた物事がうまくいかなかった場合のバックアッププランを持っておくこと
・不正などを行わないこと(他人に弱みを握られないこと)
・相手が断れないオファーをすること

こういったことを心がけておけば、大抵の事に余裕をもって対処できるようになります。 仮に最初は不利な状況だったとしても、少しずつ準備を進めたり、体制を整えることで、徐々に状況は好転していきます。

絶対的な強みを持つ

有利なポジショニングを保つには、他人よりも圧倒的な実力差をつけることです。僅差ではなく圧倒的な差です。難しいように思えるかもしれませんが、周りの人間と比較するのではなく、理想の人物像をめざして努力をすれば、結果的に身の回りの人間よりも圧倒的な実力が身につきます。長期的な複利の効果により、大きな成果を生み出してくれるからです。

相手が断れないオファーをする

相手に花を持たせる状況を作れば、相手はそのオファーを断ることができません。
その人が大切にしていることを理解して、相手が望むものを提供するのです。

例えば、スーパーの試食を断る人は少ないはずです。お金払ってまで試食しようとは思わないけど、無料なら試食しようと考える人はいます。これは相手の金銭的負担を減らしていて、相手が断りにくい状況を演出しています。

ビジネスシーンにおいても、ただの営業活動の訪問であれば相手は嫌がります。ところが、相手の困りごとを解決してくれる営業マンがいたら、相手の方から(面倒な)依頼が来ます。うまく困りごとを処理してくれる営業マンなら、相手も時間を取って会ってくれます。

年配者は若者と話す機会を望む人がいます。会社の部長職の人が出張時に若者を飲みに誘うことがしばしばあります。普段はたいして話をしないのに、出張という機会を利用して若者と話をしたいようです。(年をとればとるほど若者と話す機会が減るため、若者との会話は望まれるようです) 若い人からすれば、面倒な話かもしれません。しかし、「1時間2千円払うので話し相手になってほしい」というオファーがあったら対応してくれる若者は増えます。


ほんの一例ですが、「相手が断れないオファーをする」こと交渉を有利に進めるポイントです。金銭がオファー材料として利用されますが、お金ですべてがうまくいくわけではないので、相手が何を望んでいるかをよく理解することがポイントです。

毎日の生活の中で小さな交渉事は無数に存在します。本人が交渉と意識していないかもしれませんが、会社の飲み会、残業申請、休日出勤、有給申請、部下への仕事の割り振り、異性との付き合い、友人との付き合い、家族行事、いろいろな場面で物事を優位に進める(あるいは被害を避ける)状況は存在します。



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