210413 やることを明確にすることが大切な理由

今回は「やることを明確にすることが大切な理由」というテーマで話をします。

解決策がわからない場合は世の中にたくさんある

「継続は大切だ」とか、「努力するのみ」とか、成長するために頻繁に使われる表現があります。それでも全ての人が成長して成功できるわけではありません。 「努力をしているはずなのにうまくいかないなぁ・・・」そう思うこともあるはずです。

仕事でもプライベートでも、どちらでも同じような状況を経験したことがあると思います。 なぜこんなことが起きるんだろうかと考えてみました。その理由のひとつに、「やることが明確になっていない(次に何をやったらいいかわからない)」ということがあるのあるような気がします。やっているつもりだけど、実は時間だけを浪費しているだけだった。そんな経験は誰にでもあるはずです。

・プライベートで時間を確保できたけど何をしていいかわからない。
・勤務時間が来たので会社に出勤するけど、課題解決のために何をやっていいかわからない。
・効果的に課題を解決するために、次にどんな手を打てばいいのかわからない。

世の中には答えがあることのほうが少ないものです。色々試行錯誤をしてみないと分からないことの方がたくさんあります。 最初は効果的だと思っていたことでも、継続していくと「実はそうではなかった」ということもあります。難しい課題によっては、数ヶ月間の時間をかけても、具体的な解決策を思いつかないこともあります。

時間ができて「何をやろうか」と悩むとただ時間だけが過ぎていきます。時間がなければ時間が欲しいと望むものですが、いざ「時間」ができていろいろ考えて頭を悩ますようになると、今度は「悩む」というストレスにもなります。考えても解決策が簡単に出てこないので、悩みが多い方が時間を無駄にしやすい傾向があります。(それなら「何も考えずにただ作業をする方が楽だ」と考える人もいます)

そういう状況が続くと徐々に諦め、マンネリに陥ってしまい、やがて解決策を考えなくなったりします。この状況を避けるためには、毎日の行動をデザインすることです。 大枠を決めて細部をデザインするようなイメージです。例えば、一週間でやる作業を事前に決めておく、翌日やる作業を事前に決めておく、半年後に達成すべき目標を設定しておく、などです。(もちろん、途中で変更するのは自由です) こうすれば、「何をやっていいかわからない」という悩みをなくすことができます。物事を継続するには何をやるかということで、悩む作業を減らすことではないでしょうか。

停滞時期は誰にでもやってくる

どんな人でも、どんな会社でもマンネリに直面します。
物事は「うまくいかないこと」の方が多いものです。課題に直面した時に、都合の良い解決策が転がっているわけではありません。課題解決しようとすると、時間もかかるし大きな労力がかかります。

自分が長期的に投入する工数と課題の難しさを考慮して絶望することもあります。投入工数に見合わないと判断すれば、その案件から撤退して別の解決策を考えればよいと思います。(すべての課題を解決することなどできませんし、課題を解決できていなくても運営されている仕組みは世の中にたくさんあります)

やりたいと思わないことはやらなくてよい

意欲的に何かをやろうとすると、「本人がやりたいと思うかどうか」は大切なポイントです。
「馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない」という表現がありますが、やりたいと思わない人に強制しても、良い結果など生まれません。 「業務命令の場合は断れない・・・」と思うかもしれません。一時的にはそういう場面もあるかもしれません。ところが、慢性的にそういう状況にいるのであれば、自分の状況を顧みる機会です。少なくとも日本では職業を選ぶという権利は保証されています。(たとえ業務命令でも解決できない課題はありますし、何もしないで言い訳ばかりしている人も大勢います)

これまで大勢の人と仕事をしてきましたが、「やりたい」と思っていない人が難しい課題を解決した事例はあまり見かけませんでした。やっていて面白さを感じることができなければ(本人のモチベーションがなければ)、課題はさらに難しくなります。


やることが明確になっていないと「暇つぶし」をしてしまう

「やること」を明確にすると同時に、「やらないこと」を明確にすることも大切です。 やることがないからといって、余計なことに時間を費やしていたのでは「必要な仕事」がぼやけてしまいます。

暇そうに見える人たち

スマートフォンが普及してからスマートフォン依存症の人を多く見かけます。電車の中でスマホを使ってSNSをやったり、ゲームをしたり、YouTubeを見たり、街中でも同じような光景が見られます。歩きスマホと言われるほど大きな依存症になっています。
家に帰ってもスマホを手放すことがなく、完全な依存です。若者が依存症になるのはまだ理解できます。友人関係もスマートフォンで行われたり、新しいことに対して夢中になるのは理解できます。

30代や40代になってもスマートフォン依存症から抜け出せない人たちを見ると、「暇なんだろうな」という印象を受けます。他にやりたいことがなくて時間をどう使えばいいのかわからないのだと思います。


仕事が忙しかったり、子育てで忙しかったり、何かやることがあればスマートフォンの気にする時間などないはずです。会社経営者は自由な時間は比較的多い印象です。それでもスマートフォンをいじって、(仕事以外で) 暇つぶしをしているなどという様子はほとんど見られません。
完全に自由な状態では、やるべきことがある人とない人で行動は大きく変わります。せっかく手にした自由な時間を暇つぶしで使うはもったいないように思えるのです。

同じように職場での話を考えると、やることが明確になっていない人や時間を持て余している人は無駄なことをしてしまいがちです。 仕事中に無駄な打ち合わせや、 無駄な出張をしようという人は、 自分を忙しく保っていないことで不安になるのではないでしょうか。上層部からの訳の分からない仕事もこれに含まれる気がします。
生産性が上がることにつながっていないような仕事、完全内向きな仕事も社内にはたくさん存在します。「なぜやらないといけないのか」をよく考えないで無駄な仕事を発生させているように思えます。

これでは仕事をやっているつもりの「自己満足」です。衰退産業であれば、意図的にこういうことをしたりします。例えば雇用を維持するため、あるいは部下のモチベーションを保つために「部下に仕事を与えなくてはいけない」という思いからです。 業績の良くない会社ではよくあることです。雇用を満たすだけの仕事を創出できない場合は、従業員の不安をなくすために価値のない仕事を与えることもあったりします。



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