220228 環境と習慣が人の行動を決める

最近聞いた面白い話を紹介します。環境や習慣が人の行動に大きく影響するという話です。

麻薬中毒から復帰したアメリカ兵の話

1972年当時、ホワイトハウスの住人は麻薬中毒者が街にあふれることを心配していた。麻薬中毒者とは、共産主義者の侵略ではなく、ベトナムで麻薬中毒になったアメリカ軍であった。同じようにそこの生活や文化の一部として、何か天文学的なレベルに達しているように思えたからです。 ベトナムに派遣される前のアメリカ兵は、薬物の使用パターンがほとんどなく、薬物中毒や常用者は1%未満で、ほとんどの人が何も試したことがなかったという。しかし、ベトナムに到着してみると、ベトナムはまるで麻薬村のようだった。 当時ベトナムに派遣されたアメリカ兵の5人に1人は中毒者でした。もちろん、これは政府にとって大きな懸念材料でした。

論理的に考えて、この人たちが戻ってきたらどうするのか、何千人もの麻薬中毒者が軍隊の訓練を受けて社会に溶け込めずに路上に放たれたらどうするのか、そのイメージはまるでアポカリプスゾンビのようでした。 彼らは、最も弱い立場にあるのは黒人、貧乏人、低学歴者だろうと想像していたが、そんなことはない。使用パターンは人種にも社会階級にも依存せず、あなたを孤立させるような要因にも依存しません。トラウマがあるから使うのか、そうでないのか、時には病院で傷の治療用にモルヒネをもらったから使い始めたという人もいましたが、多くの人はただみんながそうしていたから使っていたんです。

従来の説明では、何が起こっているのか説明できないので、ギャングが通りを走り回って大混乱を引き起こし、危険な退役軍人が普通の生活に戻れない、災害を想像したのです。 しかし、実際彼らがアメリカに帰国後、何も起きなかった。ベトナム派遣から帰国後、薬物を使用したことのある兵士の1%が、戦前と同じ割合で薬物を使用し続けていた。それ以上でも以下でもない。

テレビやラジオのトークショーは、このことについて心配し、長い時間を過ごした後、完全に困惑して想像していたが、結局、何も起きなかった。 もちろん薬物には中毒を引き起こす能力がありますが、それがすべてではありません。また、その環境は、兵士たちに余分な重みを与えているようです。彼らは、薬物使用が普通である環境から出てきて、家に戻りました。彼らの多くは、家族や愛する人のもとに戻ったのです。彼らは仕事を見つけ、健全な人間関係を築き、そのまま薬物依存はなくなっていったのです。

※追加で興味がある人はラットパーク(rat park)という過去の実験を参照してください。

不思議なことにベトナムでは20%だった薬物中毒者が、アメリカに帰国後は正常に戻ったのです。
薬物カウンセリングもなく、何の医療的なリハビリもなしで、です。 喫煙や飲酒の習慣を考えれば不思議に思う人が多いのではないでしょうか?

環境の変化に対して個人的な経験談

個人的な事例を話します。
このサイトで何度も紹介している通り私はブラック企業に10年以上勤めてました。1~2年すると、ブラックな働き方に慣れてきます。社内にはうまく世渡りしている人もいましたが、うまく世渡りできない人はひたすら働いていました。私もその一人でした。 そんな働き方をしていると、その働き方がデフォルトになります。仕事量はどんどん増えていくので、どうやって仕事を処理しようかという新しい課題にぶち当たります。 自分が困らないように将来を予想し、予防線を張るようになります。結果的に仕事の生産性が高まる方向にシフトします。

そんな働き方・環境に慣れていた私は、転職先のホワイト企業の働き方に大きな違和感を感じました。仕事量自体も少なく、従業員の生産性も低く感じたからです。そんな恵まれた環境でも、そこで働く社員は不満を持っているようでした。(ほかの環境を知らないせいで、恵まれているということに気づけないのです)

一方、当時の私は「この環境は良くないな・・・」と感じていました。労働環境は恵まれていますが、あまりに退屈すぎて自分が駄目になってしまうように思えたからです。 ちょうどアメリカ軍人がベトナムで麻薬中毒になるように、私も転職先でだらけてしまうように思えたのです。
成長するには環境と習慣を見直さなくてはなりません。誰もがやらない苦労を継続する必要があります。単発的な努力では意味がなく、再現性のある活動を繰り返す必要があります。つまり環境と習慣になるのです。



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