190830 昨今の事業環境と10年後の会社と自分の状況を考える

今回は「昨今の事業環境と10年後の会社と自分の状況を考える」というテーマで話をします。
会社が10年後に存在しているかどうかはわかりません。かつての大手企業も経営破綻したり、買収されたり、解体しているケースが過去5年くらいでよく報道されています。大企業だから大丈夫という保証などどこにもないのです。競争環境が厳しくなり変化の激しい時代です。

厳しい外部環境(会社寿命は短命になっているという現実)

例えば、10年前は携帯電話市場でトップにいたノキアやブラックベリーも、いまではトップ5にも入っていません。携帯電話事業で覇権を握っているのはサムスン、ファーウェイ、アップルです。また、現時点で優良企業であっても、10年後にどうなっているかはわかりません。
昔に比べ企業の平均寿命は短くなっています。これには3つの要因があると考えています。

経営者交代の問題

1つが経営者の問題です。経営者交代に失敗した場合は、著しく業績に影響してきます。また、優秀だからといって社長の座に同じ人物が居座り続けることも会社にとっては良くないと考えています。後任が育たないことと、組織が活性化されないからです。個人的には5年~10年くらいで経営者を変えるべきだと考えています。

事業構造の問題

2つ目が事業構造の問題です。商品やサービスがコモディティ化して、競合他社に対して優位性を保てなくなった場合、価格競争による消耗戦になります。この争いから抜け出して新しい事業を開拓しなくては、会社が生きる道はありません。直近の業績に注意を払いながら中長期で新しい分野を開拓して、少しずつ変化していかなくてはなりません。

外部環境

3つ目は外部環境です。例えば、高齢化・少子化による人材不足や中国とアメリカの貿易戦争、銀行の金利や法人税率などです。これらは、特定の会社と直接関係があるわけではないですが、間接的に会社の業績に影響します。事業によっては致命的な影響を受けている会社もたくさんあります。

かつてのように会社に就職して一生安泰などということは、これからの時代では考えない方がよいと思います。自分は大丈夫、自分の会社は大丈夫という思い込みも捨てた方がよいでしょう。 ほとんどの日本の会社は過去30年間で国際的な競争力を落としているという厳しい事実があります。

10年後の自分と会社の状況を考える

激動の時代ではありますが、これをチャンスととらえる人もいます。
変化が激しい分だけ、その変化をうまく利用すれば新しい機会に巡り合えるからです。自分の人生設計をする上で10年後の自分がどうなっているのかを想像してみてください。
目的を持って行動している人とそうでない人の10年後は大きく変わります。

小さな努力の積み重ねとまわりの環境が、人の成長を決定する要因になります。 短期的には大きな違いは生まれませんが、3~5年もすれば徐々に差が開き、 10年経てば天と地ほどの違いが生まれます。

自分の今いる環境が果たして自分のためになっているのかどうかということをよく考えて毎日を過ごす必要があります。何の役に立っているのかわからない雑務ばかりをしていても、長期的な展望は期待できません。 会社が成長していなければ、新しいことに挑戦する機会も得られません。

10年後の自分の状況を想像する簡単な方法

自分の10年後を分かりやすく想像する参考として、自分より10年長く勤めている先輩社員の仕事ぶりを見ればよいのです。仕事の裁量やスキル・人間性など、自分の10年後の参考になるはずです。お手本になるような人物がいれば、その人を見習って自己研鑽に励めばよいでしょう。 そういう人がいないのであれば、成り行きの10年後の自分の姿は彼らと同じということです。

10年という期間があれば、たくさんのことに挑戦できます。

  • 1年くらい海外留学して語学を学ぶこともできます。
  • 起業して新しい事業に挑戦することもできます。
  • 転職して3年くらい別の会社で働いてみることもできます。

自分の過去から学ぶと将来の参考になる

自分の人生で過去10年を振り返ってみて、達成したことを挙げてみれば、何でもできる気になりませんか。
日本人の場合、過去を振り返る人は多いのですが、将来に対して主体的に行動する人は意外にも少ないのです。 成り行きで10年を過ごす人の比率が高いということです。どんどん過去が増えていき、戦略的に将来への活動を行う時間が減っていきます。行動を起こすのであれば、若いうちです。 人生80年を活動期間と考えると、少なくとも50歳くらいまでに活発に行動を起こしたいものです。 個人的には、その方が豊かな人生を送ることができると考えています。

将来を予想することはできません。
ところが、自分の過去から学ぶことは可能です。過去の経験で役に立った事柄や達成できた事柄を考えれば、自分にどういったことが向いているのか、どんなことがやりたいのか、少しはヒントが得られます。そのヒントをもとに、将来に向けて主体的に行動したいものです。



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