191103 環境の変化に適応できる人と適応できない人

今回は「環境の変化に適応できる人と適応できない人」というテーマで話をします。
経済のグローバル化や急激な技術革新、終身雇用の崩壊や年金への期待も薄いことなど、昨今の日本の社会情勢は不安をあおる要素はたくさんあります。過去の私の記事でも、何度も「専門性」や「キャリアプラン」について考えを記載していますが、自分には「専門性」や「キャリアプラン」がないという人に、別の切り口を提案したいと思います。それが「適応力」です。

理由は、今後さらに外部環境が変わっていくからです。既存のやり方や仕組みの恩恵に依存しすぎると、それがなくなった時のダメージが大きく、場合によっては社会の底辺に堕ちてしまう可能性もあります。そうならないためにも環境の変化に対応できる「適応力」を身に付けるべきです。

変化に適応できていない日本の現状

・1社のみで長期間勤務(変化がない)
・転職してもうまくなじめない・成果を出せない(変化に適応できない)
・終身雇用や年功序列(一生を前提とした雇用方式)
・マイホーム購入(その場所に定住を前提)

このように、5年~10年単位で見て普段の生活に変化がない人もいれば、新しい環境になじめずに別の選択肢を採用する人もいます。※周辺環境と個人の相性の問題もあるので、必ずしも選択肢を変えることが悪いことではありません。

日本の社会で考えると、大半の人が変化を好まないで現状を維持しようとする集団のように思えます。政府もそうですし、大手企業のほとんどがそうだと思います。 国家単位、企業単位でみても、日本の価値は相対的に衰退していることがその理由です。大手企業でも瀕死の状態になっている会社もあります。つまり、 いまの日本は国単位、企業単位では「適応力」がないのです。

外部環境への適応力のない集団に所属するリスク

その集団で働く個人も基本的には同じです。組織として変化に適応する思想や考えがないのであれば、その集団に所属する従業員もそういった考えを持ちません。ごく一部の情熱と志を持った人物が、そういった集団を離れて自分の道を進んでいきます。
一部のエンジニアや有名人が海外に居住するのは、挑戦や変化を求めて主体的に行動しているからではないでしょうか。やがて来る外部変化により受動的に影響を受けることを避けるために、自分から先に行動をしているように見えます。

残念ながら、これまで以上に変化が激しくなることが予想されます。好む、好まざるにかかわらず多くの人が変化を経験するようになります。日本にいるとその変化を感じることができないかもしれませんが、海外生活や経済情勢にアンテナを張っている人が日本の将来を予想すると、少し悲観的になります。

外部環境の変化に適応するための手段

外部環境の変化に適応するためにはどうすればよいのでしょうか。
わたしなりの答えは、変化を知ること、そして学び挑戦することだと考えています。 1つ目は変化を知ることですが、自分の日常の外で何が起きているかを正しく把握しなければ、突然の変化に対応などできるはずがありません。世の中で何が起きているか、日本だけでなく海外のトレンドはどうなっているか、過去の歴史から現代までの時間の流れを追って、将来どうなるかを予想することです。

学ぶという作業と新しいことへの挑戦

変化が起きる過程では、必ず「学ぶ」という作業が発生します。これは本を読んで何かを得るとか、そういう作業ではありません。周辺環境を理解し、周りの人物の立ち位置を理解し、自分の役割を理解するということです。新しい環境とそれまでの人生とのギャップが大きい場合や人間関係の問題が絡むと、大きなストレスになる場合もあります。

実際は誰でもこの適応という作業を乗り越えています。環境の変化、例えば高校入学、大学入学、アルバイト経験、就職、転勤、転職などです。自分が意識していないだけで、誰でも人生のうちに何度かは経験しています。
この作業をもっと意識的に、戦略的に実施することが変化への適応力を高めてくれます。

適応力がもたらす大きなリスクと大きなチャンス

人生経験豊富な人物であれば、適応力を持っています。一方で変化のない生活を長年送ってきた人は、小さな変化が大きな影響力を持ちます。飼いならされた動物が野生で生きていけないのと同様に、変化に慣れていない人は変化に適応することができません。中には大きな精神的なダメージを受けてしまう人もいます。
客観的にみれば、たいしたことではない状況で誰にでも起こりうるような話であっても、慣れていないためにその状況を余裕を持って楽しむことができないのです。そうならないためには、変化に対する準備をしておくことくらいしかありません。

一方で成功している人はこの変化を好みます。転職したり、起業したり、自分からその変化に挑戦します。 変化とは大きなリスクでもあり、大きなチャンスでもあります。 いずれの場合も「学ぶ」という作業と「適応力」が必要な要素になるのではないかと考えています。


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