191128 気付きにくい会社勤めの隠れたメリット【意外な専門性が身に付く】
サラリーマンなら誰でも仕事や職場のストレスで仕事が嫌に感じたことはあるかと思います。私もそういう時期がありました。 それでも客観的に振り返って、サラリーマンをやっていてよかったと思える時が何度かありましたので、今回はその出来事を紹介します。
会社勤めしたくないと思っている人に伝えたいこと
会社勤めにストレスを感じて、会社勤めから解放されたいと願っている人は大勢います。
そんな人たちに会社をうまく利用して自分が成長するための方法を紹介します。短期的にその恩恵を得ることはできないのですが、長期的な視点で努力を継続し、機会に恵まれた場合は大きな成長につながります。仕事にはストレスというネガティブな要素もありますが、知らない間に個人が成長できるというポジティブな要素も存在します。
その時はできることなら避けたいと思うような困難でも、後で振り返ると大きな成果となって、自分を次のステージへレベルアップさせてくれます。将来になって「この時は苦労したな‥」と笑い話として振り返ることができると同時に、自分の成長を実感することができます。
これは、組織に所属していて活動に参加していないと経験できません。考え方次第では、会社は活躍の場にもなるのです。気付きにくい会社勤めのメリットです。
意図的に会社勤めで磨いた専門性
まず仕事でないと経験できないことについて紹介します。
ほとんどの仕事がそうだと思いますが、普段の生活では体験できないようなことを体験できます。
例えば、私の場合はエンジニアをしていたおかげで、設備の操作方法はもちろん、内部構造や制御方法などもわかります。
海外と輸出業務をしていたこともあり、通関手続きやインコタームズについてもわかります。海外工場とやりとしたおかげで、ヨーロッパや中国、メキシコ、アメリカの人たちと仕事をすることもできました。
設備導入を担当していたおかげで、数億円という投資予算の管理、プロジェクト全体の進捗管理、生産ラインの導入経験もできました。これは会社勤めをしていないと経験できなかったことです。
自分の努力があったことも事実ですが、まわりから認められ、仕事を任され、その仕事を経験できたというのは自分にとっての財産だと思っています。そういう視点で仕事に励んでもらいたいと思います。
その時は「嫌だな」とか「あんな大変な仕事をしたくないな」と思うかもしれません。
ところが、後になってみれば自分の中で輝かしい実績となります。
マネージメント業務にしても、外から見れば「部下が増えて仕事が楽になる」と考える人がいるかもしれません。ところが、実際には責任とプレッシャーが増えますし、部下が期待通り仕事をこなしてくれない場合は、結局自分でその仕事をこなさなくてはなりません。仕事が減るどころか、逆に増えてしまいます。
部下を持つようになると、いかに他人をうまく動かして大きな成果を達成するかということを考えるようになります。昔の日本のように、高圧的に指示してもうまくいくわけではないので、その人の個性に合わせたマネージメントが必要です。部下を持つと、自分の上司の立場も少し理解しやすくなります。
ここで強調したい点があります。上述した項目の中で、私が意図して経験できたことはエンジニア業務だけです。
設備の内部構造や制御方法は、習得できると予想していた事柄です。 それ以外の項目については、会社勤めのおかげで結果的に経験できた事柄になります。
結果的に会社勤めで養われた専門性
会社勤めのおかげで経験できた事柄は以下のようなものです。
- 部下のマネージメント
- 大規模な設備投資
- 輸出入業務/インコタームズ
- 海外駐在
これらは、もともと意図して経験しようとした事柄ではありません。
会社勤めしていたおかげで、結果的に習得できた事柄です。
もちろん自分で勉強したこともたくさんあります。
ポイントとして、 会社勤めをしていたおかげで、こういう副産物が得られて自分の成長につながっているということです。
仕事を続けるうえで、こういう視点もぜひ持ってみてください。
普段意図していなくても、2~3年後に無意識のうちに自分が成長している可能性があるということです。最初は、「何でこんなことをやらないといけないのだろう」、「これが何の役にたっているのだろう」、「自分にはできる気がしない」などと思うかもしれません。それでも継続することで徐々に仕事の背景や構造がわかり、腑に落ちるタイミングが訪れます。
個人の努力によって磨いた専門性
一方、プライベートの時間を利用して学んだことによりスキルアップした事柄がありますので、それらも紹介します。
- 外国語
- プログラミングスキル
- 経営思想
- 会計の考え方
- エンジニア業務全般
- 業務改善
- 全体マネージメント
いずれも当時の自分の仕事に役立つ案件でした。
これらは、会社が何か教育プログラムを組んでトレーニングしてくれたわけではなく、
自分で必要と判断して学んだ事柄です。自分で学んだおかげで、当時の仕事の効率は向上しました。
仕事の考え方や、物事の判断、コミュニケーションや問題解決方法などの面で役に立ちました。
そんな自分の経験から、当時の同僚や関係者にも学習の大切さを分かってもらいたくて推奨していました。会社で一定の経験を積んだ後に、さらなる成長を継続するためには個人の努力しかないのです。
自分が成長すれば仕事はどんどんやりやすくなるからです。ところが、いくら他人が提案しても、本人に意思がなければ成長できません。「教えてもらっていないからできない」という人もいますが、そんなことをいう人間は自分から学ぶ意思がないのです。
他人が影響を与えられるのは2割くらいです。残りの8割は本人が努力をして学ぶしかないのです。
そんなもどかしさを感じながら当時は仕事をしていました。
会社勤めの良し悪しは客観的に判断すべき
以上が10年以上のサラリーマン人生を振り返っての私の意見です。
自分で意図していないことでも結果的に役に立つ経験になっていることはあります。とはいえ、何の挑戦も刺激もないつまらない毎日を過ごしていると、こういった副産物が身に付く可能性は極めて低いので、自分の環境を客観的に判断してみてください。
また、自分が努めて学ぼうとする意識がなければ、物事を習得できません。
この考え方が私の頭の中を制しています。
過去の経験を振り返っても、外部要因よりも個人の努力の方が成功に寄与した多くの割合を占めています。
会社が提供してくれるのはあくまで「機会」だけです。
結論ですが、あるレベルに達してしまえば、会社で学ぶことは少なくなります。
さらなる成長のためには個人で努力を継続するしかないと考えています。
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