200505 サラリーマンのリスク(古い雇用モデルは負のスパイラル)

今回は「サラリーマンのリスク」というテーマで話をします。 あまり聞こえの良いテーマではありませんが、現実を描写するために取り上げました。 若いサラリーマンの方には真剣に考えてもらいたいテーマです。

サラリーマンが優遇された時代と現代の違い

最近の1~2年でようやくメディアにも取り上げられるようになりましたが、現在の状況を簡単に説明します。何十年も前から日本の雇用制度は変わっていません。会社は従業員の人生の面倒を見るべき、という方針のもとに作られた制度が今も残っています。
終身雇用制度や年功序列精度です。退職金の仕組みも長期勤続が有利になる仕組みになっていて、会社が従業員の面倒を見る代わりに従業員を家族のように扱えました。(※この仕組みを逆手に取った事例がパワハラやブラック企業です)

当時は時代の変化が緩やかで、会社の平均寿命も何十年という期間でした。ところが、状況は変わっています。現在では10年後に会社が存在している確証などありません。サラリーマンが人生を会社に委ねるのは大きなリスクになるのです。

サラリーマンのリスク

具体的なサラリーマンのリスクをあげると、会社倒産、リストラ、スキルゼロです。
会社倒産やリストラは経営状況や市場競争によるため、自分で状況をコントロールすることはほぼ不可能です。 個人レベルでコントロールできそうな3つ目のスキルゼロリスクについて詳しく話します。仕事を継続していれば、スキルが身に付きそうですが、意外とそうでもありません。

勤続年数と実力は比例しません。若くても優秀な人材もいれば、年寄りで使えない人材もいます。 特徴として、最初の数年は誰でも成長します。これは会社の仕事に慣れる期間です。問題はその後です。成長が止まる人と成長を続ける人の差がグラフのように現れます。

成長カーブは人それぞれです。
少しずつ成長を重ねる人材もいれば、成長が止まったままの人材もいます。現実世界では後者が大半です。

個人の努力が必要なことは言うまでもありませんが、個人の努力だけではどうにもならないこともあります。成長環境がない職場や勤務先の経営方針によっては、効率の悪い作業に時間を費やすことになります。これでは成長などできるはずがありません。
成長の速度は外部環境や個人の努力に依存しますが、数年という単位で必要になります。長期的に取り組む以外に成長できる可能性はないということです。

ここがサラリーマンのリスクです。
何か勉強しようと思っても、勉強するための時間を会社に奪われるので新しいことを勉強することもできません。
(※もちろん、帰宅後に時間をとれば勉強することは可能です。)
つまり、変な会社に入社して変な職場で働き始めると、勤続年数のわりに実力アップできていないという状況が長期的に続きます。 給料という一定の対価はもらえるかもしれませんが、将来の不安を取り除く十分な要素にはなりません。

サラリーマンがやるべきこと(リスク分散)

では、サラリーマンはどうすればよいのでしょうか。
私の提案はリスク分散です。状況がどう変化しても対応できるようにしておくことです。 いずれも簡単ではありませんが、長期的に考えれば実現可能です。

所得ポートポートフォリオの分散

1つ目が所得ポートフォリオの分散です。
ほとんどのサラリーマンが所得の100%を会社給料に依存していますが、これはリスク以外の何でもありません。会社に対しての交渉力も持てません。賃金以外の理由で会社勤めをするサラリーマンは、ほとんどいない印象です(経験ややりがいを求める人は自分で最適な環境を探しています)。従って、会社勤めをしなくてはならない理由を減らすためにも、所得のポートフォリオを見直します。

貯蓄

2つ目が貯蓄です。
1つ目の理由と重複しますが、賃金依存が会社で働き続ける1番の理由です。倒産やリストラされても困らない貯蓄を持てれば、会社への心理的な依存度は減ります。
自分の生活費と貯蓄額を考慮すれば、簡単な計算で安心感は得られるはずです。少なくとも数年という単位で生活できるだけの貯蓄は持っておくべきです。貯蓄がない場合は、まずは貯蓄を増やすことから始めてみてください。

スキルの習得

3つ目がスキルの習得です。
先述の2つの項目と違って、このスキルの習得は数値のように具体的なモノとして見えません。習得自体も難しく、時間もかかります。それでもお勧めします。 まずは自分の仕事上で役に立つスキルから考えればよいと思います。作業効率があがり仕事に余裕ができれば、新しいことを学ぶ意欲にもなります。 世間で求められていることや自分がやりたいことを少しずつ学ぶと、長期的には大きな成果となって表れます。(スキルが身につけば、やりたいくないことを拒否する選択肢もできます)

以上簡単ですが、サラリーマンのリスクについて紹介しました。


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