200525 相手の負荷を減らす工夫とその営業効果

今回は「相手の負荷を減らす工夫と営業効果」というテーマで話をします。社会人経験のおかげで、20代後半に習得したスキルがあります。いまでは無意識に実践できていることですが、意外にもその効果が大きいと感じるので、今回はその話をします。

相手の負荷を減らす目的と背景

仕事をしていると大勢の人とコミュニケーションをとる場面があります。
なかなか意図が伝わらないなと感じたり、依頼したことが実行されなかったりということはよくあることです。こちらが時間を割いて対応したにもかかわらず、実はたいした要件でもなかったこともあります。中身のない長文メールや分かりにくい説明資料は誰も読みたくないものです。

そんな経験を繰り返すと、自分の仕事に対しても少し注意が向くようになります。他人を反面教師にして、自分の行動を顧みるのです。自分が手間をかけたくないと思うようなことに対して、できるだけ相手の手間をかけさせないような工夫をするようになりました。

相手の負荷を減らすことで得られる効果

ほんの少しの配慮ですが、こうした小さな積み重ねが相手への負荷(ストレス)を減らしてくれます。仮に相手からそうした配慮を受け取った時には好印象を持つものです。

利害関係が発生する場合、例えば対外的な関係であれば、この考え方を実践できている人は多いのですが、閉ざされた集団や利害関係のない場合は実践できていない人が多い印象です。ところが、意図しない利害関係はどこでも存在しています。

  • 面倒なことを指示してくる上司に無償で従いたいと思う部下はいません。
  • 無駄に話が長い人に、話かけようと思う人はいません。
  • しょうもない電話をかけてくる相手に電話をかけようとは誰も思いません。

相対的に見れば、相手の期待に応える工夫をすることで、その人の価値を高める隠れた営業効果があるのです。別の表現をすれば、「信用を勝ち取る」ということです。 一流のビジネスマンであれば無意識に実践している内容です。

相手の負荷を減らす工夫

相手の負荷を考慮するときの切り口はいくつかあります。1つは時間です。相手に時間をかけさせないことが相手の負荷を減らす大きな手段です。 いくつか具体例を紹介します。

事例の紹介1 情報伝達と主張

TPO(Time:時間、Place:場所、Occasion:場合)を考慮して最適な情報伝達手段を考えます。 相手が忙しい人物であれば、電話は短くします。場合によっては留守電やメッセージの方がよい場合もあります。そもそも電話自体が不要では?という議論もありますが、直接伝える方がよい場合もありますので、状況によります。

打ち合わせを頻繁に開催する場合も大勢の時間を奪う行為です。ただの情報伝達だけであれば、メール配信で済みます。これも相手の負荷を減らす行為になります。もちろん、打ち合わせが必要な場合もあります。

情報を発信するときも、どんな手段が最適なのかを考える必要があります。まとまった文章が良いのか、写真なのか、映像なのか、プレゼン形式なのか、などです。写真1枚で伝わる内容に対して、文章を羅列しても相手に伝わりませんし、その文章から事象を想像するという負荷を相手にかけるだけです。何かを主張するにしても、根拠となるバックデータが乏しければ、相手がいちいち調べなくてはなりません。これでは相手の負荷が増えるだけです。

事例の紹介2 依頼と質問

何かを依頼するときは自分の作業と相手の作業をよく考えましょう。
バラバラな情報を小出しして、自分の依頼だけをする人物はどこにでもいます。そんなバラバラな情報をもらったところで、相手が正しい判断をするには情報を整理する作業から始めなくてはなりません。それならば、最初から自分で整理して相手に展開すれば、相手の負荷は大きく減ります。情報をもとに判断するだけでよいからです。

質問する場合も事前によく考えるべきです。少し調べればわかる程度の質問をするのは相手に失礼です。下手な質問や依頼をすると、少しずつ信用を失うことになります。自分が解決できる小さな課題の解決を放棄して、相手に課題解決を迫る行為だからです。

事例の紹介3 このサイト

もう少しだけ具体例を紹介します。
このサイトもそういった配慮をしています。プログラミングレベルはまだまだですが、いくつか気をつけているユーザー利便性を紹介します。

まず、文章についてです。出来るだけ分かり易く、読みやすい文章を心がけています。わかりにくい表現や不要な記載をなくし、読み手の負荷を減らす工夫をしています。
サイト構成においても階層構造や各ページからのアクセス性を考慮し、迷子になりにくい工夫をしています。検索機能も付けることで、知りたい単語を打ち込めば該当記事に一瞬でたどり着けるようになっています。 つい最近ですが、スクロールして先頭に戻る機能やトップページの大項目の表示/非表示機能も盛り込んでいます。



最後にまとめると、相手への何気ない配慮がその人物の信頼を高める営業活動をしてくれています。部下だから、下請けだから、同僚だから、社内だから、家族だから、といって配慮のかけた行為をすると、結果的に本人が損をすることになります。



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