210421 「どこで誰と一緒に働くか」が大切という話
今回は「どこで誰と一緒に働くかが大切」というテーマで話をします。職場に不満・不安を持っていても、転職した職場が必ずしもよいとは限りません。職場を選びは簡単ではないものの、一つの参考としてもらえればと思います。
日本のプロパーサラリーマンの現状(職場環境が大切)
他人の行動を見ていてモチベーションが低い人というのが多い印象です。若手社員、あるいは30代になったサラリーマンをみていて、何というか「 同じような生活がこの先も続くんだな」という諦めのモードというか、「自分はそこまでしか出世できないだろう」という自分の将来に対して小さな失望を持ってるように思えます。
その中でやりたくもないことを強要されてしまう。そういう状況を繰り返し受け入れる中で 徐々にモチベーションが下がる、そういった負のスパイラルのような気がします。
一方で職場を変える、新しく事業を始める、個人事業主になる、副業する、など色々選択肢はありますが、そちらはそちらで先が見えていないため、あまり成功してるイメージが持てないんだと思います。最初から上手くいくことはないのですが、いろいろな制約のなかで、時間がないとか、仕事が忙しいとか、そういうことで諦めてしまってるように思えます。結果的に何も行動を起こせず、時間だけが過ぎていく、そんな「消去法的」終身雇用モデルが形成されているのです。
純粋に自分の将来を考えて、今の職場に残るべきなのか。先輩社員をみれば自分の将来を想像できるはずです。例えば、今の若い人が自分より10年長く勤めている社員の仕事ぶりを見て、どう感じるでしょうか。
例えば、20代~30代前半の人が40代後半の社員の仕事ぶりを見て、どう感じるでしょうか。「10年後、自分はそうなってるんだな」という落胆を持つのではないでしょうか。
一方で社内の上層部に入るのは外部から来た人間だった場合、「自分はこの会社で頑張っても出世できないんだ」というネガティブな印象を与えるように思えます。
人が成長できるかどうかというのは、本人の努力はもちろんのこと、 本人の成長を促す環境が必要なのは言うまでもありません。成長環境にない職場に長年勤めたところで、本人が成長できる要素は限られています。
転職者のパフォーマンスも職場の影響を受ける
一方で中途で入社した人材はどうでしょうか。会社が成長しない場合、 たとえ本人が優秀であっても、周りの社員に引きずられて本人の考え方や能力が下がってしまうように思えます。なんというか、悪い方向に影響されるというか。。。
周りのレベルが低いと優秀な人間だけが疲弊していきます。そんな風に考えると、どこで誰と働くかということが大きな要素になるように思います。
Netflix創業者が出版したNo rulesからの抜粋
チームにほんの1人か2人凡庸な人材がいるだけ で、全員のパフォーマンスが落ちることがわかった。たとえば最高のメンバーが5人、凡庸な メンバーが2人というチームがあるとしよう。その場合、
- 凡庸なメンバーに手がかかり、管理職は最高のメンバーに時間をかけられなくなる。
- 凡庸なメンバーが議論の質を低下させ、チーム全体のIQが落ちる。
- 他のメンバーが凡庸な2人に仕事の方法を合わせるため、効率が下がる。
- 最高の環境を求める社員が転職を考えるようになる。
- 社内に凡庸でも構わないというメッセージが伝わり、状況はさらに悪化する。
メンバーのレベルが低い集団に所属すると優秀な人が疲弊・消耗するのは事実です。集団は低い方の人間にレベルを合わせないといけなくなるから、優秀な人にとっては働きにくい環境になります。雇用が保証された国、日本で働く場合は組織に所属する限り、上記の状況です。
Netflix創業者のリードヘイスティングスが記載した通り、平凡な人間を10人雇うよりは超優秀な人物1人を高給で雇うほうがメリットが多いようです。
最適な職場の見つけ方
職場の悪い部分ばかり取り上げてしまいましたが、それではどうやって良い職場を見つければよいのでしょうか。
個人の経験談で話をすると、転職することで優秀で刺激的な職場環境を求めてみたものの、現実はそう簡単ではありませんでした。特に今の日本では極めて難しいように感じます。(かといって、外国なら優秀人材が多いかと言うとそういうわけでもないと思います。世の中は大半の凡人で構成されています。個人の海外勤務経験より)
この課題に対する私の答えはプロジェクト単位で仕事に関わることです。相手の仕事ぶりが分からない中でフルタイムでどこかの会社に所属するということは、「宝くじ」と同じように思えます。それならば、複数の職場で仕事を繰り返し、自分が気に入った人と仕事をするような環境を探すことが合理的なように思えます。やはり案件ごとの受託になります。何度も試さないと見つかるはずがありません。そう考えると、最近の副業人材の募集形態が最適に思えるのです。
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