200225 生産技術者のキャリア形成と転職について

今回は「生産技術者のキャリア形成と転職について」というテーマで話をします。
私は10年以上勤めた会社を辞めて転職しました。その時の背景や転職後の状況についてエンジニアの側面とキャリア開発の側面から体験談を紹介します。

生産技術のキャリア概要

生産技術のキャリアの概略をまとめると図のようになります。
※各項目は別記事でも紹介しているので、今回は詳細を省略します。

 

まずは実務レベルの仕事から始まります。
次に少し小さなチームのマネージメントをしたり、プロジェクトを担当することになります。
最後に組織の方針や重点活動テーマなどのマネージメント業務になります。

自分なりの客観的な判断になりますが、業務上の役割において当時の私はこのピラミッドのかなり上の方まで登っていました。役職が高かったというわけではありませんが、仕事の役割は実務をしながら全体マネージメントもしていました。



キャリア形成後の見通しと新しい挑戦

中堅社員ではあるものの、このピラミッドの7~8合目くらいの仕事をしていたつもりです。実務の仕事をこなしつつ、大きな案件のマネージメントもしていました。「大変そう」と思うかもしれませんが、そういった仕事を何件も継続していると徐々にこなせるようになってきます。やがて物足りなくなってきます。
そうなってくると、次に自分がどこに向かっていくか、少し先のキャリアについて考える必要がでてきます。ざっくりあげる次のような選択肢でしょうか。

  • マネージメント職を目指す
  • そのまま同じ仕事を継続する
  • 社内別部署に異動してキャリア開発をする
  • 同分野で転職してキャリアを磨く
  • 別の業種・職種に挑戦する

当時の私は、同じ業界の同じ職種で転職しました。
自分の強みが生産技術であったことと、自分の実力を試したかったからです。
というのも、「もともと勤務していた会社の技術レベルが高い」などとはとても思えなかったので、他社で自分のキャリアに磨きをかけようと考えていたのです。その方が長期的に自分のためになると思えたからです。

そういった目的だったので、業界内で魅力的に思える会社だけを選んで転職しました。
かなり厳選したつもりで、面接や現場見学でも印象を確認していました。

ところが、内部に入ってみると実際はそうでもありませんでした。
取扱製品が変わったくらいで、生産技術案件では目新しい発見はなかったのです。簡単に言えば、前職の職場と環境が変わっただけです。(※もちろん、給与や労務環境などのポジティブな部分はたくさんありましたが、エンジニア職の面だけで議論すると、たいして違いはありませんでした。)

ピラミッドでいうと一番下の「製品」部分が少し変わっただけです。
ということで、当時の私は転職前と同じ問題に直面しました。

※これは、あくまで私の事例です。
会社や事業部によっては最先端の技術レベルで仕事をしている可能性はあります。
私が経験した会社・事業部には魅力を感じられなかったということです。


キャリア形成に何を求めるか

話をキャリア形成に戻します。
まず考えないといけないのは、「自分が何を求めているか」です。
例えば、次のようなものです。

  • 報酬
  • 役職
  • やりがい
  • 労働環境
  • 人脈
  • 専門性

だれでも仕事を通して希望していることは複数あるかと思います。
1つの会社で自分が望むものを得られるのであれば、それでよいのですが、そういったケースはほとんどないというのが現実です。

私の場合は、「やりがい」や「経験」でした。当時の会社では仕事はやり切って、もうそこでやりたいこと残っていなかったのです。そうなってくると、川の流れに身を任せるように、何の決断も行動も起こさないままで、定年まで会社に残る気にも慣れなかったのです。


キャリア開発でオススメしたい事柄1

そういった私個人の経験をふまえての話になりますが、仕事や会社にすべてを求めるのではなく、自己実現できる手段を増やして希望事項を別々に考えることです。

例)仕事を継続しながら自己研鑽してキャリア形成する。(やりがいを会社の外に求める)
例)仕事を継続しながら副業して人脈形成する。(人脈を会社の外に求める)

などです。

今の会社で満たされない事柄を会社に求めるのではなく、会社の外から得られる手段を身に付けるのです。この考え方を持てれば、時間拘束という面では厳しくなるかもしれませんが、精神的に少し楽になれると思います。

異分野のキャリア開発を目指す場合などは、今の会社に求めるのはなかなか困難です。とはいえ、いきなりその業界に素人として飛び込むのはもっと危険です。そうではなくて、日常生活を維持しながら、やりたいことや興味があることに少しずつ時間を投資するのです。ある程度準備が整ったと思えば、新しい生活へ大きく舵を切ればよいのです。

キャリア開発でオススメしたい事柄2

1つの専門性を習得した後は、類似の分野ではなく少し離れた分野でのキャリアに挑戦することです。
興味があって自分がやりたいと思える分野です。
推奨する理由は、新しい視点で物事が見えるようになるからです。

うまく表現できないのですが、海外旅行したり、歴史を学ぶのと同じような発見が得られて、自分の考え方を豊かにしてくれます。案件次第では本業にもポジティブな効果をもたらしてくれます。


1つのキャリアに依存しないためにも挑戦すべき

日常生活を維持していくことは大切です。ところが、超短期的な見通ししか持っていない場合は、悲惨な将来が待っています。同じことの繰り返しでは5年後も10年後も同じ毎日が続きます。20年前はこれでもよかったのですが、いまは状況が違います。何十年と続く人生で1つのキャリアに依存するのは、リスクの多い生き方です。
失敗を恐れず挑戦しましょう。



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