201228 問題発生時の設備メーカと生産技術者とのやりとり

今回は「問題発生時の設備メーカと生産技術者とのやりとり」というテーマで話しをします。設備を買った後の問題対応の仕方も人それぞれです。 対応の良い取引先もいればそうでない取引先もいます。生産技術担当者もしかりです。そんな時の対応について、下記を参考にしてもらえばと思います。

【目次】

  1. 問題発生時の設備メーカとのやりとり
    • 生産技術者に問題がある場合
    • 設備メーカーに問題がある場合
  2. 国ごとの仕事のやり方の違い

事例)サーボモータの能力不測の件
1つ具体例を紹介します。サーボモータが故障した時の話です。
ボールねじを垂直に配置して、装置のスライダをボールねじに連結していました。重量にして約50㎏ほどで、その重量物をサーボモータで上下させていました。装置を導入してから3年ほどたった時でした。サーボモータが故障しました。

原因はボールねじのボール摩耗のよる摺動抵抗だったのですが、その時にサーボについても色々調べたところ、重量に対してサーボの定格能力にほとんど余裕がないことがわかりました。

当初はサーボモータ側の故障と想定していたので、サーボモータを交換したところ、新品のサーボモータも危うく故障しそうになりました。1台10万円もするものでしたが、下手なことをすると簡単に故障してしまいます。

当時は、以下の2点を明確にして設備メーカーにクレームを入れました。
1)サーボモータの選定に問題があったこと(負荷に対して余裕がない)
2)過負荷に対してサーボ側で保護機能がない


相手側も私の主張に対して反論できなかったようで、サーボモータメーカーの批判をするに終わりました。サーボモータ1台分の補填を期待していたのですが、結局、当時の取引先は何もしてくれませんでした。別にサーボモータが欲しかったわけではないので、そのまま我々の負担で設備を復旧させて終わりました。

問題発生時の設備メーカとのやりとり

ここから一般的な話をします。 このような事例があったときに、取引先によっては対応はそれぞれです。明らかに取引先側に責任があっても、何も対応してくれない取引先もいます。無償で迅速に対応してくれる会社もあります。

ポイントは、将来的なアフターサービスの話があるので、反応が悪い取引先は使うべきではないし、生産技術者側もあまり筋の通らないことを要求すべきでもないと考えています。

生産技術者に問題がある場合

生産技術エンジニア側にもいろいろなタイプの人間がいます。この事例のように、取引先が対応しない場合を想定して別の解決策を採用する人もいれば、取引先とのやり取りでもめる人もいます。
人によっては、「設備が故障したのは全部設備メーカーの責任」というスタンスで対応する人もいます。設備の故障はメンテナンスの問題や使い方の問題もあります。そもそも、その設備を承認したのは彼ら(生産技術者)です。したがって、すべてを設備メーカーに押し付けるなどということは、過去の自分の仕事のやり方を否定するようなものです。

状況によって対応を変えるべきなのですが、未熟な担当者の場合は子供の喧嘩のような状況になります。 いつの間にか自分の主張を押し通すことが主な目的になり、一向に解決が進みません。 エンジニアでやれば、設備問題を何とか改善することが目的であって、相手を打ち負かすことではないはずです。

人によっては、状況が改善しない(自分の主張が通らない)と、相手を脅迫するような交渉をしはじめます。 場合によっては逆効果です。力ずくで相手を納得させようとする行為に対して、相手が快く思うはずがありません。結果的に関係がこじれて収拾がつかなくなるといった事例を何度も見てきました。

買い手という立場を悪用して強引な主張をしたことで、相手が「今後、その担当者との取引きをしたくない」と言い出したこともありました。これでは完全な失敗です。その担当者は後日、上司と取引先を訪問して相手に謝罪したそうです。

設備は買って終わりというものではなく、長期的なサポートを必要とします。取引先と関係を悪くするということは、将来のサポートを放棄するようなものです。そんなことすると困るのは自分たち(生産技術者)です。 取引先は収めた設備のアフターサービス責任を持っていますし、買い手側の立場の濫用に対しては「設備のアフターサービスはしない」という交渉カードも利用できます。



設備メーカーに問題がある場合

設備メーカー側の反応が悪い場合も紹介しておきます。
明らかに設備メーカー責任の問題であれば、生産技術者側が改善要求をするまでもなく、問題対応するべきです。ところが、取引先によっては反応が鈍かったり、追加見積を要求してきます。

その問題の大きさにもよりますが、私なら取引先の対応を待つ前に自分で別の方法を考えます。生産技術者はサービスマンではなく、エンジニアです。自分で設備の問題を対応できなくては仕事になりません。技術的にどうしても対応できない場合は、エスカレーションして責任者経由で取引先にプレッシャーをかけますが、ほとんどそうすることはありませんでした。(過去の私はそれなりにポジションにいたし、理屈の通らない主張をしていたつもりもないので、エスカレーションしたところで結果は同じだからです。)

そのかわりに、「今後その取引先からは設備を購入しない」という決断をします。よほどその取引先が優位性を持っていない限り、対応の悪い取引先と仕事をしてもリスクになるだけです。特に取引先が近郊にいない場合は、アフターサービスの視点をよく考慮すべきです。



国ごとの仕事のやり方の違い

余談ですが、生産技術の仕事をしていたおかげで設備メーカーの人と話をする機会がありました。
特にグローバルに仕事をすると、日本国内だけでなく海外の取引先の情報も耳に入ってきます。 そのとき、よく耳にするのが「日本の客(大手メーカー)は面倒」ということでした。

背景はなんとなくわかります。上述の生産技術者側の失敗事例もそうですが、当時の我々の顧客(日本の大手)も海外の取引先に比べて対応が面倒でした。常に顧客優越、立場の濫用、下請けイジメ、などのような雰囲気が伝わってくるのです。

もし、この記事を読まれている方が日本の大手企業に勤めていて、海外取引先とやり取りをした経験がない場合は、周りの仕事ぶりが普通に思えるかもしれません。それは外の世界を知らないだけで、実際は不通と思っていたことが「変だった」ということはありますので、そういった視点で普段の職場を見てもらえればと思います。


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