201121 他人が見て思うダメな営業活動
今回は「他人が見て思うダメな営業活動」というテーマで話をします。営業職の出身でもない私がこんなテーマを取り上げるのも変な話かもしれませんが、あえて取り上げたいと思います。別記事(相手の負荷を減らす工夫とその営業効果)で紹介している通り、対外的な顧客に販売することだけが営業ではありません。
社内での自分の売り込みも一種の営業活動になりますし、昇格や昇進、人事異動も一種の営業的な要素を含んでいます。同僚や部下からの評判もある種の営業行為の結果だと考えています。
そもそも営業活動とは何か
営業活動とは「商品やサービスを求めている人に商品やサービスを提供する行為」だと考えています。
マーケティングはその人たちを探す行為です。
例えば、自動車の販売を例に挙げると、都市部の学生に対して営業活動をしたところで自動車など売れるはずがありません。学生はお金を持っていませんし、都市部では自動車を必要としていません。自動車を販売しようとすると、地方で通勤が必要な会社員などです。都市部で考えれば、車を必要としている事業法人や都市部で車を所有できるような富裕層がターゲットになります。
また、どんな自動車を販売するかも相手次第です。50万円の予算しかもっていない人にポルシェを販売しようとしても売れません。軽トラックを探している人にスポーツカーを販売することもできません。
このように、営業活動とはある程度マーケティングをもとに行う必要があるのです。
一般的な営業活動の印象
一方で、一般的な営業職のイメージは訪問販売や電話営業などかと思います。古い表現を利用すると、「足で稼ぐ」や「数打てば当たる」です。全く何の戦略もなく、ただひたすら押し売り営業を繰り返すやり方です。
昔はこのやり方を採用せざるを得なかった部分はあります。情報コミュニケーション技術が発達しておらず、お客さんへのアプローチ方法が限られていたからです。ところが、現代では情報があふれていて、インターネットで探せばたいていの情報は得られます。メールやオンライン販売も可能です。そんな状況で無計画に訪問販売や電話営業したとところで、成約できる確率は上がるわけがありません。
顧客側も失礼のないように含みを持たせた表現をします。特に日本では直接的な表現を避ける傾向があります。全く購入の意思がなくても、「見積もりお願いします」とか「検討します」という表現をします。
見ていて思うダメな営業事例
自分では仕事をしているつもりでも、ミスマッチの営業活動はただの時間と労力の無駄です。訪問数***件、電話営業***件、などの目標自体にはあまり意味がないと考えています。もちろん、何もしないよりはマシです。それだけ活動をすれば徐々に何が必要なのか見えてくるので、最初のうちにひたすら飛び込み営業のようなことをすることについては賛成です。
ところが、何年も同じ方法で営業活動していて、結果も出ていないとなると、仕事のやり方が間違っているといわざるを得ないのです。上述した「学生にポルシェを販売しようとしている」のと同じです。
そして、なぜか無能な営業職の人は自分の努力が空回りしていることに気づかないのです。
引き合いを受けたと勘違いして、社内に無駄な工数を発生させます。もともと売れる見込みがないのに、見積書の作成や商品企画を依頼しているのです。
本来目指すべき営業担当の姿
私が外から見ていて感じるのは、見込みがあるかどうか営業担当で判断をして、可能性の高い案件のみにリソースを集中すべきだということです。つまり見積もりや企画を社内で作成する前に、営業担当者が顧客の意図(購入見込みがあるかどうか)を判断すべきということです。こうすることで無駄な工数を減らし、効率的な営業に時間を割くことが営業成績につながるのです。
ところが、そんなことができる人はほんのわずかです。ほとんどの営業担当は、社内に雑務(受注見込みのない見積もりや企画)を丸投げの状態です。社内の人間が見積もりや企画を準備して営業に回答しても、そもそも最初から顧客は購入する意思がないので失注します。
最低でも3割くらいの受注精度がないと何をしているのかわからなくなります。ところが、残念ながらこの精度が極めてゼロに近い営業担当がいるのが現状です。もう少しわかりやすく表現すると、彼らは常連客からしか相手にされないのです。要するに誰が営業担当であっても販売可能で、営業は何も仕事をしていないのと同じということです。
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