210225 やりたいことを因数分解すると本当にやりたいことがわかる

今回は「やりたいことを因数分解すると本当にやりたいことがわかる」というテーマで話をします。他人の話を聞いていて、 「○○がやりたい」という人はいるのですが、よくよく話を聞いていると、実際には別のことを望んでいるように思えます。今回はそんな話をします。

やりたいことを因数分解してみる

「私は歌手になりたい」という人がいたとします。
歌手になりたいという要素を少し分解してみると、
・歌を歌いたい。
・有名になりたい。
・歌でお金を稼ぎたい。
・歌が上手くなりたい。
・他人を感動させたい。
・大勢の前でライブをやりたい。
・有名な楽曲を作ってもらいたい。


こんな要素に分けてみます。 もし「歌が歌いたい」のであれば、歌手にならなくても歌は歌えます。今の時代、YouTubeやSpotifyあるいは自作のホームページで公開することも可能です。歌手になるために有名になる必要はないのです。

もちろん有名になれば、金銭的な収入が発生したり、新しい仕事の引き合いが生まれる可能性はあります。一昔前の路上で歌う路上音楽活動に比べれば、現代は遥かに恵まれた環境です。実際にSpotifyで音楽配信をした素人がプロになった事例もあります。

話を戻して、「歌手になりたい」と漠然と口にする人がそういった活動をしているかというと、していません(※なかにはちゃんと活動している人もいます)。歌が歌うのが好きなのであればその情報を世界に発信すればよいのですが、そうではないようです。

そんな状況を見ると、この人は「歌が好きで歌手になりたい」のではなくて「楽して金を稼ぎたい」というのが本音に思えます。つまり、やりたいことは「歌手になりたい」ではなくて「楽をしてお金を稼ぎたい」なのです。

続いて、歌手になった場合の状況を想像してみます。
・CD が売れない時代は10年以上前から続いています。歌手になっても儲かるわけではないのです。
・ライブを開催するとなれば、全国を飛び回るないといけません。
・楽曲の品質を高めるために何度も練習する必要があります。
・継続的に楽曲を配信しないといけないので、新しい楽曲への作成活動にも時間を当てなければいけません。


そんな状況を考えると、 歌手になっても楽な人生などを待っていないように思えます。少し話を一般的にすると、 「ぼんやりと○○になりたい」という人は、たいてい職場の人間関係にストレスを感じている人です。信頼関係の深い仲間と仕事をするのであれば、そこまで仕事は苦痛になりません。 職場内での人間関係に疲弊してやりたくないことをやらされているというケースが多い印象です。(今の自分の状況を受け入れられないので)「○○になりたい」という現実逃避をしているのです。

現在の不満を因数分解してみる

したがって、最終的に答えを出すためには「○○になりたい」ではなくて、職場の原因を分析して何をどうすれば自分が幸せに感じるのかをよく考えた方がよいでしょう。でないと、やってみたけど「実は違った」という繰り返しになるように思えます。

やりたいことを因数分解していくと、自分が本当にやりたいことが見えてきます。最初はやりたいと思っていたことでも、実は違ったということに気づくことができます。

一方で本当にやりたいことをやろうと思えば、綺麗な部分だけを見て、汚い部分から目をそらすことはできません。歌手になったときの負の部分、例えば作曲活動、練習、ライブ活動などです。自分の都合に合わせてできる仕事をしたいのであれば、そういう仕組みを自ら作らないといけません、世の中の職業は既に仕組みが出来上がっています。自分でその仕組みを変えようとしても困難です。(すでに最適化された状態だからです)

同じように、現状の自分に満足できていないのであれば、問題点を因数分解してみてどこが問題なのかを正しく把握するべきです。その課題を取り除けないのであれば、環境を変えればいいし、新しいことを始めるば良いと思います。こうすることで、 失敗するリスクを多少なりとも下げることができます。



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