210430 結果よりも過程に価値を見出す人が多い

今回は「結果よりも過程に価値を見出す人が多い」というテーマで話をします。

結果よりも過程に価値を見出す人が多い

世の中を見ていると結果を求めがちな人が多いのですが、実は結果ではなく挑戦する過程に価値があるように思えます。 何か実現したいことに向かって行動を起こしている場合、困難を克服するドラマ、あるいは達成感というご褒美が得られます。

一方で、物事を達成した後には、「実はそんなに望んでいなかった」というような事例もしばしば見られます。どうしても入りたいと思っていた会社に内定して就職した後に、実はこんなんじゃなかったと思って逃げ出したくなる場合。結婚したいと思っていた異性と婚約することができて、 晴れて新婚生活がスタートしたにも関わらず、数年後には離婚している場合。欲しいと思っていたものを購入してしばらくすると、実はそれほど欲しくなかったんだなと気づく場合。

このように結果だけを見れば満足すべきハッピーエンドのはずですが、実際はそうではありません。達成感を得た瞬間に、何もなかったかのように元の状況に戻ってしまうのです。
こう考えると、「困難を乗り越えて物事を達成する過程」にこそ、価値があるように思えます。 常に精神的な充足を満たすことは難しいかもしれませんが、困難に立ち向かいそれを克服するイベントを頻繁に設けると、その都度達成感を感じることができます。この状態が理想ではないでしょうか。挑戦し続ければ、 結果は徐々についてきます。

恋愛はハードルが高いほど燃えるという表現もありますが、あながち的を得ている気がします。たくさんのハードルを越えて結ばれたカップルであっても、困難がなくなった瞬間に恋愛感情が冷めてしまうようです。なんとも皮肉な話です。「困難を乗り越える達成感」を「恋愛のドキドキ」だと勘違いした事例になります。

ドラマや映画を見ていても同じような状況が見られます。何か課題を克服する過程にドラマが生まれます。最初から何もなくて幸せな状態であればストーリーにはなりません。自分の中でドラマを作るには、自分で課題を設定してその課題に挑戦し続けることです。

日本で成功を収めた有名芸人がアメリカを目指す場合も同様のようです。 国内市場で勝ち続けた果てに、別の世界を目指しています。 「日本で有名になって経済的にも不自由しない」という結果が欲しかったのではなく、さらなる「挑戦」を望むのだと思います。

優秀な人は挑戦を好む

ちょうど同じようことが、以前の私の職場でも起きていたので紹介します。どこの会社でも優秀な人材を外から雇いたいという思いがあります。ある程度の給料を設定すれば、それなりの人材は、 採用可能です。まず、第一ステップとして、人材確保はクリアできます。

ところが、採用したことで満足していてはその人材を会社に定着させることができません。話を盛って会社の状況をうまく見せて、共感して入社してもらうことはできるかもしれません。ただし、実際の仕事内容をうまく見せることはできません。
入社してしばらくして期待していた仕事内容と違ったり、期待していた職場内容と違った場合には、優秀な人物は容赦なく去っていきます。採用したことで満足していては駄目だということです。同じことは長期間勤続した社員にも当てはまりました。社内異動で仕事につまらなさを感じた人物は、会社を去っていきました。優秀な社員がとどまる仕組みづくりを怠った場合はせっかく採用した社員が逃げていきます。

日本の会社では終身雇用を前提としているため、「一度採用したら辞めないだろう」、そういう甘い見込みを持っている人が多い印象です。離職率が低い会社になればなるほど、この傾向は強く、採用できたことで満足して、社員維持という活動を疎かにしてしまいがちです。 その社員が何を望んでいるのかを正しく理解した上で、適切なサポートを提供しない場合は、気付いた時に手遅れになっています。

それぞれ期待する事柄は違っています。その人物が何を期待しているのかを正しく理解しておかないと、突然退職する日が訪れます。退職連絡を受けた場合、すでに手遅れです。本人の意志は固く、転職先やその次の生活も視野に入れている場合がほとんどなので、退職申請が出た時に交渉をするなどということはできません。つまり、いつ起こるかわからない退職に対して常に注意しておかなければならないのです。

恋愛や結婚、就職と同じように転職にもミスマッチが存在します。物事はやってみるまで、分からない部分が多いので、 なかなかやり始めるまでは、状況を把握することができないものですが、転職もその一つのように思えます。

会社側の期待としては優秀な人材を集めたい。応募者側の期待としては、刺激のある職場で働きたい。やりがいのある仕事に取り組みたい。そういったお互いの期待が一致すれば、晴れて採用になるわけです。お互い win-win の関係でハッピーエンドになれば良いのですが、必ずしもそうではありません。

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