210728 日本の変なストレスと働きにくさ

日本が変だと思う感じることがしばしばあるので、いくつか事例を取り上げてみます。日本の現状を知るうえで参考にしてみてください。普段日本で暮らしていると違いに気づかないかもしれませんが、しばらく海外生活をした後に日本で暮らすとその違いに気づきます。

日本の変なストレスと働きにくさ

海外駐在の任期を終えて、 日本に帰国した時にやっと激務から解放されたという開放感があります。言葉の壁や文化の壁。 さらに重い責任がのしかかる海外生活から、 日本に帰ってきた時の落差に少し驚きを覚えたものです。 日本に帰ってくるとは言葉は通じるし、文化的にも同じものを共有しています。 仕事の役割も海外に比べて随分と楽になります。

例えるならば、フルマラソンを走った後に10kmマラソンに参加するようなものです。フルマラソンを走り切れたのだから10 km マラソンなど簡単にこなせる。そういう感覚です。

ところが、実際日本に帰ってくると、日本ならではの「やりにくさ」も感じます。それは例えば、事務処理の煩雑さ、長い承認プロセス、年長社員が威張る縦社会、がんじがらめのルール などです。

私の事例で言うと、 海外駐在していた時は土日も勝手に仕事をしたり、勤務時間中に諸手続きで外出する事もありました。出張についても簡単な人選で済ましていました。 必要であれば夜中や早朝働くこともありました。(※日本の大企業では、こんな働き方はまず不可能です)
承認プロセスがシンプルだったこともあり、そこまで決済に時間がかかることもありませんでした。上層部の顔が見える距離にいたおかげで、やりやすさはありました。

生産性を落とす要因と社内政治によるストレス

一方で日本に帰ってくると、上層部の顔が見えにくく、わけのわからない問い合わせやわけのわからない雑務も要求されます。「効率」ではなく、「政治」で物事が決まってしまうのです。日本の生産性を落としている要因とでも言いましょうか、互いに足の引っ張り合いをしている印象です。これが何の成果につながっているのかよく分からないような仕事、そういう面倒なことにも時間を割かれるのです。(大半の人はそれを「仕事」と錯覚しています)

仕事をつまらなくさせる別の要因は、上司や同僚からの負のプレッシャーです。長期的な付き合いを前提としたポジション争いが発生するため相手を蹴落とす、あるいは相手を自分の思い通りにコントロールしようとする人たちがいます。その他にも陰口や噂話、些細な行動、しょうもないメールやりとり、社内政治、・・・などが徐々に積み重なってやがて大きなストレスや不満を形成するように思えます。短期的な付き合いであれば一時的に我慢することは出来ますが、半永久的に続く長い付き合いとわかっていると、そのストレスが苦痛以外に何者でもありません。(長期的にその環境で生きてきたせいで感覚がマヒしている人もいます)

変な日本のシステムと支配構造

海外駐在に比べると、仕事の面では日本の方が断然楽ですが、上述した不毛な雑務や足の引っ張り合いが海外よりも多く発生するため、結果的に、「日本で仕事がやりにくい」という印象を持ってしまいます。いまだに日本社会が古いシステムで稼働していることが、生産性の低さを説明しています。事実として、海外駐在から帰任する退職者が多かったりします。「あんな仕事環境で働きたくない」と感じるようです。


また、私が主張する日本の「変な部分」を指摘した記事を紹介します。古い体質の既得権者が居座っているせいで、透明性が少なく間違った判断や行動が採用され続けている事例です。

この記事ではオリンピックという国際イベントがあったおかげで、海外からの指摘を受けて見直された人事や決断です。今回の出来事が特別なのではなく、海外からの批判がなければ、見過ごされていたはずです。それくらい日本社会には変な部分があります。残念ながら、権力者がこの腐敗構造を支配しているため、なかなか改善が進まないのです。


アメリカ国籍を取得しアメリカの大学で勤務する真鍋さんも、日本で勤務したときの日本の働きにくさを嫌っています。原文をそのまま引用します。
所管が違う様々な研究機関との間の忍耐がいる調整業務、研究スタッフの不足、本音を率直に話さない日本独特の習慣。米国では考えられなかった本来の研究以外の苦労が重くのしかかっていたことが言葉の端々からうかがえた



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