210927 日本社会の生産性の悪さ(友人の不動産契約の事例)

今回は「友人の不動産契約事例から日本の生産性の低さ」を紹介します。

時代遅れのしくみと繁雑な事務手続き

生産性を重視しない日本の仕組み、私は何度かこのブログで日本社会は足の引っ張り合いをしているという表現を使っていますが、今回もそんな事例を一つ紹介したいと思います。

私の友人で関東近郊に住んでいる外国籍の人がいます。彼は十分な金融資産を持っていて、一般会社員からすれば金持ちの部類に属する人です。日本人と変わらないレベルで日本語を流暢に話します。そんな私の友人が日本社会で困っていることの一つに不動産契約があります。

何が困るかと言うと、連帯保証人の部分です。日本の制度は融通が利かないことが多く、 本来必要のないことまで「ルールだから」という理由で適用してしまいがちです。 この連帯保証人は支払い能力のない人物から大家を守るための制度で、十分な支払い能力を持っていて社会的信用がある人であれば、はっきり言って不要です。 ところが初対面同士である場合、相手を信頼するなどということはありません。また、私の友人は連帯保証人がいなかったので、「家賃を数ヶ月前払いする」という提案もしたそうです。ところが融通の利かない不動産会社は、やりとりに多くの時間をかけました。

結局、私の友人は不動産物件を賃貸するのではなく、購入してしまいました。理由は「連帯保証人のやり取りに時間をかけることが嫌だったから」です。日本ではこういった不動産賃貸業務の仕組みが確立されているため、このやり方がスタンダードと思われがちですが、これは私が見てきた限りでは日本独特のやり方です。訳の分からない縛りがある日本では標準となっていますが、個人的には時代遅れの印象です。

不動産会社の内部でも業務効率化を目的とした事務手続きの簡素化の声が上がってもよさそうですが、なかなかそんな動きも見えません。
(不動産会社は手順に従って右から左へ契約書を流すだけで、入居者と親からそれぞれ紹介手数料を受け取る仕組みだから不利益と考えないのかもしれません。むしろ不動産手続きが簡素化した場合の収益悪化を懸念しているのかもしれません)

海外での不動産契約の事例紹介、日本との手続きの比較

私が過去に住んできた海外物件では仲介業者が存在しない場合が多く、(外国人である私でも)連帯保証人など不要で契約時に家賃1ヶ月分をデポジットとして納めます。そのデポジットが退去月の家賃として処理されるため、退去月に家賃負担は不要で、デポジットの返却もありません。至ってシンプルなやり方に思えます。また、海外物件では洗濯機や冷蔵庫など生活必需品は備えついているため、わざわざ大型家具を購入する必要もありません。したがって引っ越しの費用も安く済みます。

そういった海外の事例と比較すると、いかに日本の不動産業界が変なルールで運用されているかが分かると思います。入居手続きに不要な手間暇をかけているということは、結果的に仲介手数料と言ったわけのわからない費用が発生します。
コスト負担の面で消費者も得しませんし、生産性も上がるはずがありません。これが私から見た日本社会です。逆に言えば、まだまだ日本社会には改善の余地があります。 そういった非効率な部分を改善していくことで、新しい市場が生まれる余地があります。

日本の不動産入居手続き時に発生する家賃以外の諸費用約10万円~20万円、および保証会社へ支払う費用、これらははっきり言って無駄そのものです。どうしても必要であれば信用スコアの低い入居者にのみ適応すればよい話で、私の友人のように財務的にも信用スコアの高い人物にとっては迷惑でしかありません。

もっと効率的、合理的なやり方はいくらでもありますが、古い慣習を継続しているのが今の日本です。その背景には利権団体や政治家の企みであったり、無知による不利益を「標準」として受け入れている消費者の意識の問題もあります。

少し前の海外の報道記事ですが、不動産手続きがスマホ画面上で完結します。 わざわざ長い説明のために面倒な対面での書類手続きなど不要ですし、サインや印鑑も不要です。




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