191019 若い人が活躍できる職場環境がキャリア形成に重要な理由
今回は「若い人が活躍できる職場環境がキャリア形成に重要な理由」というテーマで話をします。1社しか知らない人は、疑問を持たずに現状の職場を受け入れるかもしれませんが、若い人が活躍できる職場かどうかというポイントは自分のキャリア形成を考えるうえで大きな要素になります。
職場によっては年齢構成や仕事の任し方がそれぞれです。場合によっては入社して数年間は雑務しか経験できない可能性もあります。それならば、アルバイトでも雇えば済む話です。わざわざ将来有望な若手社員が対応する仕事ではないはずです。
20代の若くて活気があるときは多少無理をしてでも、ひたすら働いて経験を積むべきと私は考えています。
本人からすれば、「そんな働き方はしたくない」と思うかもしれませんが、30代になってから苦労しないためにも20代で経験を積んで専門性を高めておくべきだと考えています。
【目次】
キャリア形成に役立つ職場環境とは
まず、日本全体での私の印象を述べると高年齢の方が現役で仕事をしている印象です。これは少子高齢化問題もあるので、全体的な傾向としては当然の話です。電車やバスの従業員、不動産会社や通信会社の従業員など、私生活を振り返ってもこの事実がよくあてはまります。
会社員時代の取引先をみても20代や30代で仕事をリードしながら働いている人は少ない印象でした。どちらかというと、若い人自体が存在しないか、存在しても雑用業務をしている印象です。知人の話を聞くと、10年ぶりに新卒採用人員が入社したなどということもありました。
日本全体での傾向はこのとおりです。だからといって個人でキャリア形成を考えないと、30代以降の社会人生活が苦しくなります。そういった将来の自分のキャリア形成の視点で自身の職場環境を判断してみてください。
過去の勤め先の職場環境
良い事例かどうかわかりませんが、若い頃は働き方がブラックな企業に勤めていました。
世間でいわれるブラック企業と違って、結果につながらない無駄な残業や不毛な仕事は少なく、幸いにも仕事の成果が会社の業績に直結していました。
その時の事例が以下のものです。
その会社は事業自体も歴史が浅く、毎年のように事業拡大していました。おかげで若手社員の採用も活発で、処理できないくらいの仕事もありました。そういった仕事を若手が対応せざるを得ない状況があったので、若い人は主担当として仕事を任されるという「機会」に恵まれていました。
大変ではありましたが、客観的に見れば若手がキャリア形成できる場面はたくさんありました。 大切な顧客監査でも20代の社員が対応していましたし、プロジェクトリーダーも20代の社員がやっていました。私が成長できたのもそういった職場環境のおかげでした。簡単に表現すると、成長しているベンチャー企業のような環境でした。
キャリア形成で感じる20代の苦労と30代の余裕
おかげで20代の頃はひたすら仕事をして過ごしていました(※この状況を良いと思うかどうかは個人の自由です)。
若いうちから仕事の量と質の面でボリュームが多く、平日の勤務時間内ではこなしきれませんでした。量・質ともにボリュームの大きい仕事をこなすために、勉強しながら効率的に仕事をこなす必要があったのです。
自分以外の人が私の仕事をこなしてくれるわけでもありませんでしたので、入ってくる仕事はすべて自分で処理していました。プライベートが少なく、勤務時間も長かったので嫌になることも何度もありましたが、その経験や積み重ねのおかげで20代後半からは仕事の効率が大きく上がりました。30代になって大きな余裕を感じました。
付き合い残業や精神論などを主張するつもりはありませんし、ブラックな働き方も好きではありません。
同じような環境でも自分に甘く、成長できていない同僚は大勢いました。
伝えたいのは、「激流」で泳ぐ練習をしていないと「激流」が来た時に流されてしまうということです。流れのない「湖」で泳いでいても、流れのはやい「川」では泳ぐことはできません。
30代で余裕を持つために、20代のうちにこの「激流」を経験してもらいたいのです。
若者がキャリア形成できる職場環境かどうかを見極める
話を戻して、会社や職場によって人員構成、考え方、仕事内容はそれぞれです。
なかには40代、50代の社員が一線で活躍している会社もあります。いつまでも現役で活躍すること自体はかまわないのですが、あまりそういった年齢の人たちが活躍し過ぎると若者の活躍の場所を奪ってしまうことになります。
これは私個人の考えですが、ある程度の年齢になれば裏方に回って若い人を前面に出せばよいと思います。30代、40代前半までなら実務でもよいと思いますが、40代後半以降はもう裏方に回るのです。
いくつか理由がありますが、おもに後任の育成のためです。自分が最前線で実務をするのではなく、他人に仕事をやらせて成長してもらうのです。いつまでも年寄りが居座るのではなく、次の世代へ権限を移行するのです。かわりに高齢社員はマネージメント業務に専念するのです。
一線で実務をするよりは経験を生かしたマネージメントをすることで、本人の成長にもつながります。
さらに年を取り50代中盤にかかると「役職定年」という考えもあります。これも全く同じ考え方で、先の短い勤労人生を一線で頑張るよりは、後任にポジションを譲って若い後任者の準備のために役職を譲るというものです。会社として考えた場合には、特定の個人にいつまでも頼るのではなく後任を育てるということを考えなくてはならないからです。
まとめ
日本では、下積み生活を~年などという古い変な考えがありますが、この考えは古い職業時代背景を前提にしたものです。現代のように変化が激しく、10年後に自分の仕事がなくなっているかもしれないような時代には適しません。海外では30代でマネージャーとして活躍している人も大勢います。本人の努力だけでなく、若くして成長できる機会に恵まれたからです。
これから新卒で就職される方には、キャリア形成できる職場を選んでもらいたいと考えています。会社の内部事情はなかなか外部からではわかりませんが、もし今の職場環境がキャリア形成に適していないのであれば、環境を変えることも考慮して将来設計してみてください。
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