191108 会社と従業員の関係【日本の古い悪習と打開策】
今回は「会社と従業員の関係」というテーマで話をします。
私が考える理想的な関係は、会社と従業員が対等な関係です。役職や立場によって役割は違いますが、役職が高いから偉いというわけではありません。役職が高いから偉いと考えるのは、ただの権力主義です。価値観の多様化、SNS、人材不足により、徐々に従業員の立場は改善される傾向にありますが、日本の職場環境を見る限り、まだまだ改善の余地はあるようです。
【目次】
- 社内にまだまだ残る古くて残念な特徴
- 上下関係を重視する人の残念な特徴
- まわりの人達への悪影響
- 会社と従業員の関係を考える
- 対等な関係を築くための解決策
社内にまだまだ残る古くて残念な特徴
私が見てきた日本社会の悪しき特徴は次のようなものです。
- 常に上司の機嫌をうかがう
- 理不尽なことでも、部下に「はい」と言わせる空気を作る
- 論理で説得しているようで、都合が悪くなると権力を行使してくる
- 自分がそういう経験をしたので、自分の部下にも強要する
簡単にいえば「年齢が高い = 立場が強い」、「役職が高い = 立場が強い」という勘違いに基づく権力の乱用です。
上司は部下に対して常に大きな権限を持ち、部下は多少なりストレスを受けます。上司次第で、ストレスから解放されることもありますが、それはかなりまれなケースでしょう。会社員を経験したことがある人ならば、この主張は理解できると思います。日本の会社員のアンケート結果からも、日本人サラリーマンのモチベーションの低さは諸外国に比べてダントツです。
このやり方でも、組織運営上はそれなりに機能するのかもしれませんが、結果として大勢の人間にストレスを与えます。 会社員構造で考えると、社長以外は原則この構造に従うことになりますので、99%の会社員がこの構造の犠牲者になります。
上下関係を重視する人の残念な特徴
さらに深堀して、私がスキルや行動を観察した限り、上下関係を重視する人の特徴は次のような人です。
- 成長が止まっている人(スキルも役職も上がらない人です)
- 他人から指示がないと仕事ができない人
- 自分のキャリアプランを持っていない人
- 自分の専門性を持っていない人
- 新しいことに挑戦しない人
こういう人たちは、毎日会社でダラダラ仕事をして過ごしています。かつての日本社会であればそれでも良かったのかもしれませんが、現代では10年後に自分の仕事が存在しているかどうかも怪しいものです。ところが彼らは、そういう将来に対して危機感がないかのように行動しています。
人それぞれ理由があるのかもしれませんが、こういう人はその状況を受け入れています。意識的には受け入れていないつもりかもしれませんが、何も行動を起こせていない以上、結果的には受け入れているということです。自分の社内での状況がそれほど良くないということは自覚しているのですが、何の行動も起こせず、やがて考えることも忘れてしまい、完全にボケてしまっているように思えます。
周りの人達への悪影響
本人にとっても、よくない状況であることは上述した通りですが、具合の悪いことに周りの人達にも悪影響を与えます。1つ目が立場の低い人に対して権力を行使することで、相手が直接の犠牲者になります。2つ目が若者への印象です。世間の若者が「上司に魅力を感じない」とメディアが報道するように、そんな先輩社員の姿を見て若者が快く感じるはずがありません。
会社と従業員の関係を考える
日本の会社であれば、会社と従業員が親と子の関係になっている場合がほとんどです。フリーランスや契約社員であれば、立場上は対等に近い関係になります。一流の専門性を持った従業員であれば、従業員の方が強い立場になることも可能です。社内の重要人物で、社外でも十分活躍できるような人物であれば、わざわざその会社にしがみつく必要はありません。こういう人物の場合は、仕事上においても上司に対して強気な態度に出ることが可能です。
後々の人間関係の気まずさや出世への悪影響を考えて、事なかれ主義で行動するのはやめましょう。実力がなければ出世などできませんし、人の顔色を見て仕事をしても、ポジティブな成果はでません。各人が信念と考えをもって自分の意見を主張し、検討した結果を採用すればよいのです。
「誰かが言ったから」とかいう理由で仕事をするのはやめましょう。理屈の通った意見を主張すれば、会社側も納得してくれます。
- 会社が従業員のキャリア形成を考えてくれるわけでもありません。
- 会社が生涯の生活を保障してくれるわけでもありません。
- 会社にとって都合のいいように従業員を動かすのが会社の目的です。
表面的には従業員のことを考えているふりをするかもしれませんが、そのあたりは正しく状況を見極める必要があります。
対等な関係を築くための解決策
対等な関係を保つためには、実力をつけることです。まわりよりも仕事をこなし、成果を出し続けることで、その人に対するまわりの評価は変わります。社内で有能な人物として認められれば、周りもその人の意見を尊重するようになります。また、その人物にとっても社内だけでなく社外でも活躍する機会が増えます。こうなればその会社にしがみつく理由はありませんので、さらに強気な立場で会社との関係を築くことができるようになります。
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