200507 会社・仕事選びのポイント(場所・仕事内容・給料・キャリア)
今回は、「会社・仕事選びのポイント」というテーマで話をします。どんな仕事をしてどこで暮らすかということは人生において大きな部分を占めます。ほとんどの人が仕事を選ぶ時には迷うものです。今回は仕事や会社選びのポイントと考え方を紹介します。
【目次】
- 仕事・会社の選び方
- 会社で選ぶ場合
- 場所で選ぶ場合
- 仕事内容で選ぶ場合
- 海外で働くということ
- 給料とキャリアの視点で考える仕事・会社の選び方
- お金を生み出す能力とそのメリット
- まとめ
仕事・会社の選び方
一般的な会社・仕事の選び方を「会社」、「仕事内容」、「場所」の点から3種類ほど紹介します。ほとんどの人がこのどれかの考え方で会社・仕事選びをしているはずです。それぞれにメリットとデメリットが存在します。
会社で選ぶ場合
私が入社した10年以上前は、ほとんどの新卒者がこのパターンでした。
入社時点で配属先や仕事内容が決まっておらず、配属先の場所に応じて引っ越します。入社後は会社近くに住み続け、異動があれば会社を中心に生活拠点が変わります。いったん異動しても最終的には元の勤務先に戻る可能性もありますが、会社の拠点がない場所には住むことができません。人付き合いは会社中心になり、過去の人脈とは疎遠になります。
会社-->場所-->仕事内容という順序です。
場所で選ぶ場合
地元志向の人に多いパターンです。
自宅周辺で会社を探し、住む場所の変更は仕事選びの選択に入っていません。生活環境を重視して仕事を選びます。生活環境が変化しないというメリットはありますが、住む場所によってはできる仕事が限られるというデメリットがあります。特に地方では仕事の種類自体が少なく、必ずしも希望した職業に就けない可能性もあります。
場所-->仕事内容-->会社という順序です。
仕事内容で選ぶ場合
転職者に多いパターンです。
会社名や勤務地に制約は少なく、どこにでも引っ越して暮らすパターンです。独身者や単身赴任者に多く、やりたい仕事を探してどこにでも引っ越します。仕事の選択肢が増えてやりたい仕事に就ける可能性が高いというメリットがある一方で、家庭との距離が離れてしまいます。勤務場所によっては、定期的に家族と会うこともできなくなるというトレードオフも存在します。
仕事内容-->会社-->場所という順序です。
このように、なかなかすべてが希望通りに進むことは少なく、やりたい仕事と生活環境が両立することはまれです。
海外で働くということ
長年、会社員をしていると海外勤務になることもあります。
たまたま、会社が魅力的な場所に拠点を構えていて、たまたま人選されることもあります。
海外で仕事をする魅力は、異文化で暮らして、語学を学び、立派な経歴ができるということです。場所によっては生活環境が日本よりも魅力的な場合もあります。
私が出会った人物Aさんは既婚者で40代でした。彼は子供の教育環境を配慮して、「異動の時は10年単位で」ということでした。彼はアメリカの主要都市に勤務していたのですが、外から見れば理想的な成功者でした。ポイントを整理すると、Aさんは入社時に会社-->場所-->仕事内容という基準でした。最初の勤務地は、日本の地方都市であまり魅力的ではなかったようですが、幸運を引き当てて、魅力的な「場所」を勝ち取りました。10年後に以前の地方都市に戻るとしても、当面は魅力的な生活環境になります。
次にBさんです。Bさんは30代で海外勤務者でした。Bさんも入社時に会社-->場所-->仕事内容の選択をした人物です。勤務先の国と場所はたいして魅力的ではなかったのですが、彼は海外志向が強く、日本での勤務先に比べると仕事内容も場所(海外)もよかったとのことです。彼は、次も別の海外拠点で働きたいと言っていました。
この話を聞いて、少し心配になりました。他人が心配することではないのですが、Bさんの勤め先の会社は異動が頻繁にあって、Bさんも数年単位で異動になります。本人が望めば海外拠点に異動することもできるかもしれません。
ところが、彼の会社で魅力的な海外拠点はほとんどなかったからです。治安や衛生の面で心配がある場所ばかりでした。Bさんの生活基盤が頻繁に変わると婚期も逃してしまいます。Bさんが活躍することで会社にとってはメリットがあるかもしれませんが、Bさんにとってのメリットは少ないように思えたのです。悪く言えば、会社にうまく使われるだけの人生になってしまうように思えたのです。
ポイントを整理すると、「仕事内容」を満たしていたものの、勤務地が頻繁に変わるという点で、「場所」の要素がマイナス要因なのです。
2つほど事例を含めて、会社・仕事選びでのポイントを紹介しました。実際に会社に入って仕事をしてみると、「給料」、「労働環境」、「上司・同僚」などの要因も出てきます。それらをすべて満足することなど不可能です。
どこに住んでどんな仕事をするかというのは、人生設計で大きな要素になります。参考にしてみてください。
給料とキャリアの視点で考える仕事・会社の選び方
つづいて、給料とキャリア形成の側面で仕事選びを考えていきます。
短期的に考えれば給料が多い仕事を選ぶのは賢明なように思えます。
ただし、お金だけあっても、お金を生み出す能力を身につけることができなければ、仕事を失った瞬間にお金の心配をしなくてはならなくなります。
お金というものは生活している限り、消費していきます。お金だけを基準に仕事を選ぶのであれば、お金は得られるかもしれません。ところが、その会社が倒産したり、リストラされた時点でお金が増える要素がなくなってしまいます。
一昔前は、会社に人生をささげる考え方でも成立していました。けがや病気で働けなくなっても、会社が面倒を見てくれます。ところが、現代には残念ながら当てはまりません。市場環境は完全に実力主義で、適者生存という厳しい状況にさらされています。会社や仕事自体がなくなる可能性が高いということです。
世間の傾向(給料での仕事選び)
20代前半の頃は、社会経験も少ないため大勢の人は熟考しないで職業を選択してしまいがちです。熟考していたつもりでも、知らなかった部分が徐々に見えてくるようになります。ところが、すでに生活基盤ができてしまっているため、なかなか新しい方向に舵を切ることができずに何年も何十年もその生活から抜け出せないということがあります。
また、就職や転職の際には必ず給与情報が掲示されます。同じような仕事であれば、給料の高い方を選んでしまうのが人間です。
お金を生み出す能力とそのメリット
一方でお金を生み出す能力を養っておけば、仕事を失ったとしても新たにお金を生み出すことは可能になります。
会社が倒産したり、リストラになっても、自分にあった仕事を探すことができて、仕事に見合った給料を受け取ることができるようになります。
「お金を生み出す能力」を培うことができれば、年をとった後でもお金の心配事が減ります。
短期的な貯蓄という点では不利になるかもしれませんが、長期的な視点で考えればお金以外のものを残すことができます。(将来にその能力に対して需要があれば・・・の話にはなりますが)
人生という長いレースで考える
キャリア形成や既得権の話で同じようなことを話していますが、長期的な勤続を前提としたときに、どこに価値を置くかということを話したいと思います。最初のうちは誰でもお金の心配はつきものです。少し金銭的な余裕ができたあとは、人生という長いレースをどう攻略するかを考えるタイミングだと思うのです。
ほとんどの人は、レースが始まってスタートダッシュをしたあとで息切れしてしまい、その状態で以降のレースをゆっくり走ったり歩いたりしながらゴールを目指します。中には途中でリタイアする人もいます。(先述した20代前半に選んだ仕事の事例)
なかには、そのレースを途中でやめて、新しく別のレースに参加する人もいます。一時的には不利な状況になるかもしれませんが、場合によってはそちらのレースには競争者が少なかったり、ゴールが近かったりします。もちろん、逆に悪化する場合もあります。(転職者や起業者の事例)
ごくまれですが、たくさんのレースを連続してゴールする人もいます。(パラレル起業家や有名経営者)
20代前半で選んだ選択肢だからといって、状況や考えが変われば行動を見直すことは悪いことではありませんし、世間の成功者と呼ばれている人たちは柔軟に行動を見直しているように思えます。自分に向いていると思う分野や自分が進みたい分野に挑戦しても良いはずです。(簡単な状況でないうえに、結果責任で評価されることにはなりますが・・・)
まとめ
会社名・場所・仕事内容・給料・キャリアの視点での仕事選びについて、紹介しました。
仕事には色々な切り口があるかと思います。生活のため、お金のため、やりがいなどです。お金は一つの基準として扱われるため、物事をお金に換算することは客観的な価値の判断に繋がり、わかりやすい方法ではあります。
余裕ができれば、何が一番重要なのかということを考える参考にしてみてください。確かに働くことで労働時間の対価として給料を受け取ることができます。お金以外に得られるものがあるのかどうかということが一つの基準になります。
世の中には労働力以外にも価値のを認められることがあります。
ある程度お金に余裕ができた人であれば、短期的な給料よりも「お金を生み出す能力」を養うべきだと考えています。年を取れば学習意欲や体力もなくなってきます。そもそも健康状態が悪化すれば、働くこと自体が不可能になります。その時に気付いてもすでに手遅れです。長い人生で考えた時には、お金ではなく「お金を生み出す能力」を養っておいた方がメリットが大きいように思えます。
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