200609 ルーティン作業のメリットとデメリット

今回は「ルーティン作業のメリットとデメリット」というテーマで話をします。 ルーティン作業とは、簡単に言えば同じようなことを繰り返し行う作業のことです。お店で商品を販売する作業、工場の生産ラインで行う作業、会社での事務作業、新しいプロジェクトの遂行、毎月の経理処理、オンラインサービスの提供など業界・仕事内容は様々ですが、毎日の仕事内容はほとんど同じです。医師や弁護士、プログラマーなどの専門職においても、慣れてしまえば同じ作業の繰り返しです。

【目次】

  1. ルーティン作業のメリット
    • やり方を覚えれば誰でもこなすことができる
    • 繰り返すことで徐々に品質が高まる
    • 無駄なことを考える必要がない(失敗リスクを減らせる)
  2. ルーティン作業のデメリット
    • 成長要素がない
    • 単純作業になり魅力がなくなる
    • 個性を表現しにくい
  3. まとめ

ルーティン作業のメリット

まずはルーティン作業のメリットから見ていきます。

やり方を覚えれば誰でもこなすことができる

1つ目のメリットは、ルーティン化することで誰にでも作業ができるようになるということです。別記事(自分にはできないと思っている人に伝えたいこと)でも記載している通り、特別な専門教育がなくても練習すればだれでもできるようになります。

専門職の場合においても、特定の人物しかできないような仕事は世の中にほとんど存在せず、誰でもできるようになります。優秀な人材が退職した後の状況を心配する人はいますが、従業員1名の退職で会社が傾くようなことはほとんどありません。特定の人物(※経営者を除く)がいなくなった後でも、何もなかったかのように会社は機能します。

繰り返すことで徐々に品質が高まる

2つ目のメリットは、徐々に品質が向上することです。
最初は時間がかかったり、うまくできなかったりするものですが、同じ作業を何度も繰り返すことで、要領を理解して上手にこなすことができるようになります。

昔の職人をイメージしてもらえば理解しやすいかと思います。簡単そうな作業でも、素人がするのと職人がするのでは全く品質が異なります。

たとえ最初は難しいと思えるような困難であっても、何度も挑戦しているうちに達成できるようになります。

無駄なことを考える必要がない(失敗リスクを減らせる)

3つ目のメリットは、無駄がないことです。
何かの作業をするときに、いちいち考える必要がありません。朝起きて顔を洗うのと同じような感覚で、自然に業務を処理することができます。悩んだり、調べる必要がないので高い作業効率を維持することができます。 組織として活動するうえでは、大変便利な仕組みです。大きな組織の雇用維持(※関連記事)の側面では、このルーティン作業が機能しています。


ルーティン作業のデメリット

つづいてルーティン作業のデメリットです。メリットがある一方でデメリットも存在します。

成長要素がない

1つ目のデメリットは成長要素がないことです。
ルーティン業務に組み込まれてしまうと、決まったサイクルから抜け出せません。訓練すれば誰でもできる作業ですが、そこに自分が組み込まれてしまうと自分の工数がとられてしまいます。

次のレベルの仕事を目指しても、別の人員にルーティン作業を引き継がなければ自分がその作業から抜け出すことができません。次のレベルの仕事に取り組むための準備をするにしても、普段のルーティンの比率を落とさなければ、学ぶ時間や機会も失ってしまいます。

同じルーティン作業を長期的に担当することは、成長の機会を失っていることになります。
(関連記事

単純作業になり魅力がなくなる

2つ目のデメリットは魅力がないことです。
最初は魅力的に思えた仕事内容でも、何年も繰り返しの毎日を過ごすと飽きてきます。 「人は考えることをやめると老ける」といわれますが、思考停止状態で同じことを繰り返すと、ただの労働にしかなりません。(関連記事)

個性を表現しにくい

3つ目のデメリットは個性を消してしまうことです。
誰でも得意分野と不得意分野を持っています。これまでの人生のバックグラウンドを活用できる仕事もあれば、まったく関連性のない仕事もあります。仕事によってはうまく強みを生かせる場合もあります。

例えば、「英語を活用した営業活動」の場合、営業活動自体はルーティン作業です。英語ができれば、海外の取引先への営業活動も可能になります。やっている営業活動自体は同じですが、個人の能力をうまく活用したルーティン作業です。

このように個人の強みを活かすことができればよいのですが、ルーティン化された作業になると誰でもこなせてしまう作業がほとんどです。悪い表現をすれば、個性をつぶしてしまいます。



まとめ

以上、「ルーティン作業のメリットとデメリット」というテーマで話をしました。
ルーティン化することのメリットは、新しいことに取り組む時やできないことに挑戦する時です。最初はできなくても徐々にできるようになっていきます。
一方でルーティン化することのデメリットは、そこから抜け出せないことです。成長を求めるのであれば、日常のループから抜け出す方法を考えなくてはなりません。



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